商業簿記入門その2~資産・負債・純資産と貸借対照表との関係(3級)

更新日:2018年9月4日
公開日:2017年7月17日

資産・負債・純資産と貸借対照表との関係

前回、「商業簿記入門その1~はじめに」の中で簿記とは何か?について簡単に説明しました。

その説明の中では、「簿記とは、企業が行う様々な取引を資産、負債、純資産、収益、費用に属する勘定科目を使用して、貨幣的価値が分かるように記録し、企業活動を管理するとともに、決算書を作成するために利用される技術」と説明しました。

そこで今回は、簿記を学習する際の基礎概念として資産、負債、純資産の各用語、および、決算書のうち貸借対照表を説明し、資産・負債・純資産と貸借対照表の関係についても解説します。


資産・負債・純資産と貸借対照表

資産・負債・純資産を、それぞれ簡単に説明すると次の通りです。

資産:会社が所有する現金、および将来にお金が入りそうなモノやサービス(債権)など
負債:会社が負う、将来にお金の支出となりそうなモノやサービス(債務)など
純資産:出資者(株主)から預かったお金、および企業活動を行った結果としての儲け(または損失)の累計など

また、貸借対照表を簡単に説明すると次の通りです。

貸借対照表:ある時点の企業の財政状態を表した表

資産・負債・純資産と貸借対照表の関係

下に、貸借対照表の例を示しましたので、ご覧ください。

貸借対照表

※貸借対照表の見方については、「会計入門その3~貸借対照表の見方」で詳細を解説しています。

上記の貸借対照表で説明すると、左側の「(資産の部)」と記載された箇所の各勘定科目が資産に該当します。具体的には「現金及び預金」から「貸倒引当金」までの部分です(貸倒引当金は厳密には資産ではなく、資産の控除科目(マイナスする勘定科目)になります。)

同様に右側の「(負債の部)」と記載された箇所の各勘定科目が負債、同じく右側の「(純資産の部)」と記載された箇所の各勘定科目が純資産に、それぞれ該当します。

ここから次のことが分かります。

資産、負債、純資産は貸借対照表の構成要素である。


貸借対照表等式

上記の貸借対照表を見ると、次のことが分かります。

左側の合計と右側の合計が一致する。

左側は資産、右側が負債と純資産で成り立っていることから、次の等式が成立します。

資産 = 負債 + 純資産

この等式を貸借対照表等式といいます。

「貸借対照表の構成と同じであるから、貸借対照表等式である」と覚えておけばイメージしやすいと思います。

資本等式

中学の数学で学んだ方程式のように、貸借対照表等式の右辺にある負債を左辺に移行します。具体的には、

資産 - 負債 = 負債 - 負債 + 純資産

といったように、左辺と右辺からそれぞれ、負債を差し引きます。

結果、次の通りとなります。

資産 - 負債 = 純資産

この等式は、「資産と負債の差が純資産になる」ということを意味します。

この等式を資本等式といいます。

純資産と資本

以上から、冒頭に説明した純資産は、次のように説明することもできます。

純資産:ある時点の資産から負債を差し引いた差額である。

【補足】純資産と資本という言葉について
※ご興味ある方はお読みください。

純資産ですが、従来は「資本」という言葉が用いられてきました。貸借対照表の「純資産の部」という言葉も以前は「資本の部」でした。

しかし、日本の会計ルールを国際的な会計ルールに近づけるように変更していった結果、「負債の部」と「資本の部」の中間的な取り扱いになってしまうような科目を、使わざるを得ない状況になってしまいました。

そこで、「資本の部」という名称を「純資産の部」と変更し、従来の資本の部に含めていた科目の他に、上述の中間的な取り扱いになるような科目もこの「純資産の部」に含めることになりました。


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