商業簿記入門その3~収益・費用・利益と損益計算書との関係(3級)

公開日:2018年9月8日 更新日:2017年7月22日

収益・費用・利益と損益計算書との関係

前回、「商業簿記入門その2~資産・負債・純資産と貸借対照表との関係」では、資産、負債、純資産と貸借対照表の説明や関係について解説しました。

今回は、簿記を学習する際の基礎概念の続きとして、収益、費用、利益の各用語、および、決算書のうち損益計算書を説明し、収益、費用、利益と損益計算書との関係についても解説します。


収益、費用、利益と損益計算書

収益、費用、利益はそれぞれ簡単に説明すると次の通りです。

収益:会社にお金が入る要因となるもの
費用:会社からお金が出ていく要因となるもの
利益:ある期間の収益と費用との差額から算出される会社の儲け(または損失)
※利益がマイナスになった場合には、損失といいます。

また、決算書のうち、損益計算書を簡単に説明すると次の通りです。

損益計算書:ある期間の企業の経営成績を表した表

収益・費用・利益と損益計算書との関係

下に損益計算書の例を示しましたのでご覧ください。

損益計算書

※損益計算書については、「会計入門その21~損益計算書とは」以降で詳しく解説しています。ご興味ある方はご訪問ください。

「自平成29年1月1日 至平成29年12月31日」と表示されていることから、この損益計算書は「平成29年1月1日から平成29年12月31日まで」の1年間の、ある会社の経営成績を表しているということになります(「自」は「~から」、「至」は「~まで」です)。

この損益計算書で説明すると、「売上高、営業外収益(その内訳である受取利息及び配当金などを含む)、特別利益(その内訳である固定資産売却益などを含む)」といった科目が収益に該当します。

同様に「売上原価、販売費及び一般管理費、営業外費用(その内訳である支払利息などを含む)、特別損失(その内訳である固定資産売却損や減損損失などを含む)、法人税、住民税及び事業税」が費用に該当します。

そして、「売上総利益、営業利益、経常利益、税引前当期純利益、当期純利益」が利益に該当します。

ここから次のことが分かります。

収益、費用、利益(損失)は損益計算書の構成要素である。


収益、費用、利益の関係

上記の損益計算書等式を見ると、次のことが分かります。

収益から費用を差し引いた結果、利益(マイナスであれば損失)が求められる。

例えば、上から見ていくと、売上高(収益)から売上原価(費用)を差し引いた結果、売上総利益(利益)が求められます。

(1)売上高(収益) - 売上原価(費用) = 売上総利益(利益)

次に、売上総利益(利益)から販売費及び一般管理費(費用)を差し引いた結果、営業利益(利益)が求められます。

(2)売上総利益(利益) - 販売費及び一般管理費 = 営業利益(利益)

売上総利益は(1)の式から、売上高(収益)から売上原価(費用)を差し引いた結果です。従って、(2)の式は次の通りとなります。

(3)売上高(収益) - 売上原価(費用) - 販売費及び一般管理費 = 営業利益(利益)

やはり、収益から費用を差し引いた結果、利益が求められています。

以上の要領で、最後の当期純利益まで考えることができますので、「収益から費用を差し引いた結果、利益が求められる」ということができます。

【補足】段階利益
簿記の資格学習の範囲を超えた内容になっています。ご興味ある方はお読みください。

上記の損益計算書では、全ての収益と全ての費用を合計した結果、最終の当期純利益を表示しているわけではなく、その間に、「売上総利益→営業利益→経常利益→税引前当期純利益→当期純利益」といったように、段階的に利益を計算して表示させているのが分かります。

これらの利益区分を総称して段階利益といいます。

これらの段階利益には、もちろんそれぞれ意味があります。実務では段階利益別に前期(昨年)の損益計算書と比較したり、将来計画の策定、さらには株式を購入する場合の企業間比較を行う、といった使い方があります。

各利益については、「会計入門その24~売上総利益と粗利率・原価率」以降で詳細に解説しています。

損益計算書等式

上述の収益、費用、利益の関係から、次の等式が成立します。

利益 = 収益 - 費用

次に、中学の数学で学んだ方程式のように、上記式の右辺にある費用を左辺に移行します。具体的には、

費用 + 利益 = 収益 - 費用 + 費用

といったように、左辺と右辺にそれぞれ、費用を足します。

結果、次の通りとなります。

費用 + 利益 = 収益

この等式は、「費用を増加させるには、仕訳の左側(借方)に計上し、収益を増加させるには、仕訳の右側に計上する。」ということを意味します。

別の言い方をすれば、「費用を減少させるには、仕訳の右側(貸方)に費用を記載し、収益の減少であれば、左側(借方)に収益を記載する。」ということです。

ちなみに利益ですが、費用や収益の勘定科目は存在しますが、利益は勘定科目は存在しません。収益から費用を差し引いて計算します。

後の回で仕訳を解説しますが、その際にこの式をイメージできていれば覚えるのが楽になります。

この等式を損益計算書等式といいます。


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