商業簿記入門その9~現金(為替証書、配当金領収証、公社債利札の仕訳処理)(3級)

更新日:2018年9月16日 公開日:2017年7月31日

現金(為替証書、配当金領収証、公社債利札の仕訳処理)

前回、「商業簿記入門その8~現金の範囲、小切手の振出と管理、仕訳処理(3級)」では現金の範囲と、現金取引のうち、小切手の手続や仕訳処理について解説しました。

今回は現金取引のうち、為替証書や配当金領収証、公社債利札の手続や仕訳処理について解説します。


現金の範囲

前回掲載しましたが、現金の範囲を再び掲載します。

種類項目内容
通貨硬貨10円硬貨、100円硬貨など。外国の硬貨も含まれる。
紙幣千円札、1万円札など。外国の紙幣も含まれる。
通貨代用証券他人振出小切手他人(他の会社)が振り出した小切手
送金小切手銀行が振出人となっている小切手。送金する場合に利用される。
普通為替証書ゆうちょ銀行が発行する証書
定額小為替証書ゆうちょ銀行が発行する証書
配当金領収証配当金を受け取る権利を表す証書
期限到来公社債利札公社債に付された利札(クーポンとも)で期限が到来しているもの

現金には、大きく通貨と通貨代用証券に分けることができ、簿記を学習する上では、通貨代用証券の種類と、その仕訳を覚えることがポイントになります。

それでは、普通為替証書、定額小為替証書、配当金領収証、期限到来公社債利札について解説します。

その他の現金や小切手については「商業簿記入門その8~現金の範囲、小切手の振出と管理、仕訳処理(3級)」にて解説しています。


為替証書

為替証書(かわせしょうしょ、郵便為替証書とも)とは、送金する目的で、ゆうちょ銀行や郵便局に申し込んで発行してもらう証書をいいます。

為替証書には、普通為替証書(ふつうかわせしょうしょ)定額小為替証書(ていがくこがわせしょうしょ)が存在します。

発行には、送金する金額の他に手数料が必要になります。

下にサンプルを掲載しましたので、ご覧ください。

どちらも、ゆうちょ銀行、または郵便局で申し込むことができます。

普通為替証書は、遠隔地の相手に送金する場合に、利用されます。現金書留という方法もありますが、手数料では普通為替証書の方が、安く送金できます。

送金額の上限は500万円まで。手数料は、送金額5万円未満で430円、5万円以上で650円となっています。

一方で、定額小為替証書も同様に、送金手段として用いられますが、より小額な料金支払などに利用されます。

よく利用される例としては市区町村の役所に郵送で住民票などの書類を請求する場合などが挙げられます。

上記のサンプルは、100円の定額小為替証書ですが、定額小為替証書は、50、100、150、200、250、300、350、400、450、500、750、1000円の12種類が扱われています。なお、手数料は1枚100円となっています。

普通為替証書と定額小為替証書の簿記上の取り扱い

普通為替証書や定額小為替証書を受け取った場合には、ゆうちょ銀行や郵便局に持ち込めば、証書に記載されている金額を現金(通貨)で受け取ることができます。

従って、どちらの為替証書も簿記では現金として取り扱います。為替証書を受け取った場合には、現金の増加として仕訳します。


配当金領収証

配当金領収証(はいとうきんりょうしゅうしょう)とは、株式を購入した場合に一定の要件(権利付最終日までに株式を保有するなど)を満たした場合に、会社から送付される「配当を受け取る権利を表す証書」をいいます。

サンプルを掲載しましたので、ご覧ください。

配当金を受け取るには、銀行や郵便局に配当金領収証と一緒に印鑑(認印)を持っていくか、配当金受領書の受領印を押す箇所に押印して持っていけば、現金(通貨)を受け取ることができます。

配当金領収証は、「配当金を受け取る権利を表す証書」であるため、銀行や郵便局の窓口で通貨に替えるまでもなく、簿記では現金として取り扱います。

期限到来公社債利札

公社債利札(こうしゃさいりふだ)とは、公社債(国債・地方債・社債などをあわせた債券の総称)に付された利札(元本に対する利息部分)をいいます。クーポンともいいます。

下にサンプルを掲載します。

このサンプルでは、本券(社債券)の下に3枚の利札が付いています(それぞれ5万円)。

そして、それぞれの利札には、受け取り開始の期限が記載されています(サンプルでは平成16、17、18年の各12月25日)。

公社債利札は、受け取りの期限が到来すれば、利札部分を切り取って、銀行に持っていくことで現金(通貨)を受け取ることができます。

期限が到来した利札は、「利息を受け取る権利を表す証書」として有効です。従って、銀行に持って行かずとも簿記では現金として取り扱います。


【補足】電子マネーの仕訳処理について

※簿記の資格試験には出題されないと思いますが、ご興味ある方はお読みください。

皆さんも既に電子マネーを利用されていると思います。電子マネーには、例えば、nanaco(ナナコ)やWAON(ワオン)、Suica(スイカ)やPASMO(パスモ)など、様々な種類が存在します。

最近は個人ではなく、会社で利用するケースも増えてきているようです。

例えば、Suicaを旅費交通費目的で利用する場合のメリットとして、経費申請側も経理処理側でも、面倒な経費精算手続や仕訳作成を、業務効率よく行うことができるシステムが存在するからです。

【参考(外部リンク)】
ジョブカン経費精算 | 面倒な経理業務をすべて自動化 - クラウド経費精算システム
経費精算システムで業務を効率化 | 経費精算 freee ICカードで経費精算

簿記上の仕訳処理ですが、例えば、チャージ時には「前払金」「仮払金」などの勘定科目として仕訳し、電車の改札やバスに乗る時に「ピッ」と電子マネーを使用した場合に、旅費交通費に振り替えます。

取引借方科目借方金額貸方科目貸方金額
チャージ前払金(又は仮払金など)×××現金×××
交通費支払旅費交通費×××前払金(又は仮払金など)×××

「電子マネー」という言葉ではありますが、簿記では現金の範囲には含まれません。


仕訳例

1.A社はB社から商品売買の仲介手数料(売上で処理するものとします)として、普通為替証書3万円を郵送で受け取った。
2.A社はC社へ書類発行手数料として、小為替証書500円を送付した。。
3.A社が保有しているD社株式の配当金領収証7万5千円が、送られてきた。
4.A社はE社が発行した社債を保有しており、本日、利札5万円の期限が到来した。
5.A社は上記4.の利札5万円を銀行に持っていき、現金(通貨)を受け取った。

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1現金30,000売上30,000
2支払手数料500現金500
3現金75,000受取配当金75,000
4現金50,000有価証券利息50,000
5仕訳なし

まとめ

今回は現金取引のうち、為替証書、配当金領収証、期限到来公社債利札について解説しました。仕訳例で使用している現金以外の勘定科目は、これから解説していくので、現時点で知らない勘定科目があっても気にせずに次に進んでください。


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