資本連結と仕訳

電卓と税務書類

資本連結と仕訳を解説します。

資本連結とは

資本連結とは、連結財務諸表上の株主資本(純資産)に親会社の純資産のみを反映させるために、親会社の子会社に対する投資(子会社株式)と子会社の資本科目を相殺消去する一連の仕訳をいいます。

目的

連結財務諸表の株主資本に親会社のみを反映させるためです。親会社説の考えに基づくと考えられます。

会計基準

連結財務諸表に関する会計基準」及び「連結財務諸表における資本連結手続に関する実務指針」に基づきます。

投資と資本の相殺

親会社と子会社の個別財務諸表を合算すると子会社の資本が反映されてしまうため、親会社B/Sの子会社株式と子会社B/Sの資本科目(親会社持分)とを相殺するように連結仕訳を行います。

非支配株主持分

子会社株主のうち、親会社以外の株主の持分は非支配株主持分として処理します。

利益剰余金

個別の会計と異なり、連結会計では利益準備金とその他利益剰余金(任意積立金 + 繰越利益剰余金)を、利益剰余金として1科目で処理します。

時価評価

連結会計上、資本連結時には子会社の資産負債を時価評価します(全面時価評価法といいます)。

合併時のパーチェス法とは手法は違えど同じ企業取得と考えられるため、時価評価を行います。

のれん

子会社株式が資本(親会社持分)を上回る(又は下回る)部分は、「のれん」として取り扱います。

資本連結の仕訳

子会社株式勘定非支配株主持分勘定利益剰余金勘定のれん勘定などで仕訳します。

取引のれん借方科目借方金額貸方科目貸方金額
資本連結資本金×××子会社株式×××
資本剰余金×××非支配株主持分×××
利益剰余金×××
のれん×××
資本金×××子会社株式×××
資本剰余金×××非支配株主持分×××
利益剰余金×××負ののれん発生益×××

仕訳例

  • 1.ある会社(資本金100)の株式80%を85で取得して子会社にした。
No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1資本金100子会社株式85
のれん5非支配株主持分20
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