商業簿記3級 受取手形記入帳と支払手形記入帳

更新日:2019年9月11日
公開日:2017年11月12日

前回、「商業簿記入門その34~手形の割引の取り扱いと仕訳処理」では手形の割引の取り扱いと仕訳処理について解説しました。

今回は受取手形記入帳と支払手形記入帳について説明します。

受取手形記入帳と支払手形記入帳とは

受取手形と支払手形の取引内容を把握したい場合には、取引を記入した帳簿を見れば分かります。

【記帳の流れ】取引→①仕訳帳(または伝票)→②総勘定元帳

しかし、①仕訳帳(または伝票)には取引の詳細が記録されていますが、受取手形と支払手形以外の取引についても記録されています。そのために受取手形と支払手形の取引だけを抽出するのに時間がかかります。

②受取手形勘定や支払手形勘定の総勘定元帳を見れば、受取手形と支払手形の取引だけが記録されています。しかし、記録してあるのは日付や金額であり、例えば手形の種類や手形番号、受取人、支払人、振出人、裏書や割引の内容、といった詳細は記録されていません。

そこで、受取手形と支払手形の取引詳細を簡単に把握できるように、「受取手形記入帳」と「支払手形記入帳」といった補助簿を記録する場合があります。

【記帳の流れ】
取引→①仕訳帳(または伝票)→②総勘定元帳→③受取手形記入帳、支払手形記入帳

受取手形記入帳と支払手形記入帳のひな型

受取手形記入帳と支払手形記入帳のひな型(フォーマット)は次の通りです。

【受取手形記入帳】

平成
〇年
手形
種類
手形
番号
摘要支払人振出人
または
裏書人
振出日満期日支払場所手形金額てん末
摘要

【支払手形記入帳】

平成
〇年
手形
種類
手形
番号
摘要受取人振出人振出日満期日支払場所手形金額てん末
摘要

具体的な取引ごとの記帳については、次の仕訳例にて掲載しています。

仕訳例

次のA社の取引について、仕訳をきり、受取手形記入帳と支払手形記入帳に記帳しなさい。

  • ①4月1日 B社に商品10万円を販売し、代金はB社が本日振り出した約束手形(手形番号:101)を受け取った(満期日:9月30日 支払場所:甲銀行)。
  • ②5月15日 C社から商品25万円を仕入れ、代金は約束手形(手形番号:36)を本日振り出して渡した(満期日:11月30日 支払場所:乙銀行)。※仕入れ勘定を使用すること。
  • ③8月10日 D社に対する売掛金15万円を回収するため、D社より裏書された約束手形(支払人:E社 手形番号:58)を受け取った(振出日:7月15日 満期日:2月28日 支払場所:丙銀行)。
  • ④8月31日 B社振出の約束手形(手形番号:101)を、銀行に持ち込んで割引した。割引料5千円を差し引かれた残額は、当座預金に入金した。
  • ⑤11月30日 当社振出の約束手形(手形番号:36)が本日満期となり、当座預金から引き落としがあったと、取引銀行より連絡があった。
  • ⑥2月28日 約束手形(手形番号:58)の満期日となり、当座預金に入金されたと、取引銀行から連絡があった。

【仕訳】

日付借方科目借方金額貸方科目貸方金額
4月1日受取手形100,000売上100,000
5月15日仕入250,000支払手形250,000
8月10日受取手形150,000売掛金150,000
8月31日当座預金100,000受取手形95,000
手形売却損5,000
11月30日支払手形250,000当座預金250,000
2月28日当座預金150,000受取手形150,000

【受取手形記入帳】

平成
〇年
手形
種類
手形
番号
摘要支払人振出人
または
裏書人
振出日満期日支払場所手形金額てん末
摘要
41約手101売上B社B社41930甲銀行100,000831割引
810約手58売掛金E社D社715228丙銀行150,000228入金

【支払手形記入帳】

平成
〇年
手形
種類
手形
番号
摘要受取人振出人振出日満期日支払場所手形金額てん末
摘要
515約手36仕入C社A社5151130乙銀行250,0001130支払

関連リンク

まとめ

今回は受取手形記入帳と支払手形記入帳について解説しました。出題された場合には、回答後に、きった仕訳が受取手形記入帳と支払手形記入帳に記入されているかどうか、および受取手形記入帳と支払手形記入帳に記入した取引が仕訳に記入しているかどうか確認しておきましょう。

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