手形貸付金(勘定科目)|仕訳をわかりやすく解説(簿記3級)

記事最終更新日:2024年5月22日
記事公開日:2017年11月19日

簿記3級で出題される勘定科目「手形貸付金」について、仕訳例を示して解説します。

手形貸付金(勘定科目)|仕訳をわかりやすく解説(簿記3級)

目次

手形貸付金とは

手形貸付金」は資産に属する勘定科目です。借主が振出した「金融手形(借用証書の代わりになる)」を貸主が受け取る方法によって実行した資金融資に対して使用します。

貸付けには手続きによる分類として、契約書類による「証書貸付」と今回の「手形貸付」があります。

勘定科目の性質

貸し付けた金銭を将来回収できる権利といえます。従って、手形貸付金は「会社財産」に該当するため、「資産に属する勘定科目」に分類されます。

「受取手形(勘定科目)」との違い

受取手形は商品販売の際に約束手形や為替手形を受け取った場合に使用します。

これに対して、手形貸付金は借り入れを目的として金融手形を利用した場合に使用します。

手形貸付金の仕訳

「金融手形の受取時」と「資金の返済時」に仕訳します。

1.金融手形を受け取った時の仕訳

借主が振出した金融手形を受け取った貸主は、「手形貸付金」を資産計上するため借方に記入するとともに、減少したキャッシュを貸方に記入します。

<仕訳例1-1>
資金融資を目的とした金銭の貸付け100を行い小切手を振り出して渡した。証書の代わりに借主から同額の約束手形を受け取った。利息は別途受け取る。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
手形貸付金100当座預金100

<仕訳例1-2>
金銭の貸付け100(利息を含む)を行い、利息3を差し引いた金額を普通預金から借主の銀行口座に振り込んだ。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
手形貸付金100当座預金97
受取利息3

※借主側では手形借入金で仕訳します。

2.返済日の仕訳

貸付資金を回収した結果、手形貸付金は減少するため貸方に記入し、キャッシュを借方に記入します。

<仕訳例2>
手形貸付けの返済日となり、借主は額面100に利息3を含めた金額を当社の当座預金口座へ振り込んだ。

借方科目借方金額貸方科目貸方金額
当座預金103手形貸付金100
受取利息3

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著者情報

須藤恵亮(すとうけいすけ)

フリーランス公認会計士。1人で「PDCA会計」を企画・開発・運営。

中央青山監査法人で会計監査、事業会社2社でプレイングマネジャーとして管理業務全般及びIPO準備業務に携わる。

現在は派遣・契約社員等として働きながら、副業的に「PDCA会計」の執筆やアプリ開発等コツコツ活動しています。

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