商業簿記3級 手形貸付金と手形借入金の仕訳処理

更新日:2019年9月11日
公開日:2017年11月19日

前回、「商業簿記入門その35~受取手形記入帳と支払手形記入帳」では受取手形記入帳と支払手形記入帳について解説しました。

今回は手形貸付金と手形借入金の仕訳処理について説明します。

商業手形と金融手形

手形貸付金や手形借入金を説明する前に商業手形と金融手形について説明します。

通常手形とは、商品の販売や仕入の際に代金を回収する目的で使用されます。

この目的による手形のことを「商業手形(しょうぎょうてがた)」といいます。

これに対して金銭の貸付や借入を目的として、手形を発行する場合があります。

この目的による手形のことを「金融手形(きんゆうてがた)」といいます。

 

手形貸付金と手形借入金

手形貸付金(てがたかしつけきん)」とは、金銭の貸付のために、金銭を借り入れる者が発行した手形を受け取って貸付を行った場合に発生する債権をいいます。

手形借入金(てがたかりいれきん)」とは、金銭の借入のために手形を発行して借入を実行した場合に発生する債務をいいます。

このように金銭の貸付・借入を目的として発行される手形であることから金融手形に該当します。

手形貸付金と手形借入金の仕訳処理

手形貸付金の増減取引には、「手形貸付金勘定(資産に属する勘定科目)」を使用します。

同様に手形借入金の増減取引には、「手形借入金勘定(負債に属する勘定科目)」を使用します。

仕訳処理はこれまでに解説してきた貸付金・借入金と同様です(詳細は、「その25~貸付金・借入金の手続と仕訳処理」を参照ください)。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
手形貸付金銭の貸付手形貸付金×××現金預金など×××
利息の受け取り現金預金など×××受取利息×××
貸付金の回収現金預金など×××手形貸付金×××
手形借入金銭の借入現金預金など×××手形借入金×××
利息の支払い支払利息×××現金預金など×××
借入金の返済手形借入金×××現金預金など×××

※金融手形では貸付・借入期間は短期間であることが多いことから、利息の受取や支払は貸付・借入時や貸付回収・借入返済と同時に行われる問題が通常です。

仕訳例

  • 次の取引をA社、B社それぞれの立場から仕訳をきりなさい。
  • 1.A社はB社に対して、30万円の貸付を行い、当座預金からB社の普通預金に振り込むとともに、同額の約束手形をB社より受け取った。支払期日は3か月後、年率は3%である。
  • 2.支払期日が到来した。A社はB社から返済および利息について、B社の当座預金からA社の当座預金に振り込みがあった。
主体No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
A社1手形貸付金300,000当座預金300,000
2当座預金302,250手形貸付金300,000
受取利息2,250
B社1普通預金300,000手形借入金300,000
2手形借入金300,000当座預金302,250
支払利息2,250

【解説】
利息計算:手形額面300,000円 × 年率3% × (3か月 ÷ 12か月)

利息計算の日割りor月割りの選択は、問題の指示に従います。この問題では日数ではなく「3か月後」と月で設定されているため、月数で計算します。

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まとめ

今回は手形貸付金と手形借入金の仕訳処理について解説しました。利息計算は他の科目でも出題されますので、反復演習で慣れておきましょう。

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