商業簿記2級 手形の更改・不渡りと仕訳処理

更新日:2019年9月11日
公開日:2017年11月25日

前回、「商業簿記入門その37~営業外受取手形と営業外支払手形の仕訳処理」では営業外受取手形と営業外支払手形の仕訳処理について解説しました。

今回は手形の更改及び不渡りとその仕訳処理について説明します。

※簿記2級の論点になります。

手形の更改とは

手形の更改とは、手形の満期日(支払期日)を延長することをいいます。

手形の更改を行った場合には、延長した期日を記入した新たな手形を振り出します。

期日延長に伴う利息が発生しますが、更改時に現金などで授受する場合と、新手形の額面金額に利息を含める場合とがあります。

手形の更改の仕訳処理

手形を更改した場合には、旧手形と新手形を交換する形になるため、受取人は貸方に受取手形勘定を旧手形の額面金額で記入し、借方に同じく受取手形勘定を新手形の額面金額で記入します。

利息を新手形の額面に含める場合には、同じ仕訳で貸方に受取利息を記入します。更改時に現金などで利息を受け取る場合には、借方と貸方には同額の受取手形勘定を記入することになります。

支払人の場合には、借方に支払手形勘定を旧手形の額面金額で記入し、貸方に同じく支払手形勘定を新手形の額面金額で記入します。

また利息の支払には支払利息勘定を使用します。

出来事主体借方科目借方金額貸方科目貸方金額
手形の更改利息を現金などで
受け取る場合
受取人受取手形×××受取手形×××
現金預金など×××受取利息×××
支払人支払手形×××支払手形×××
支払利息×××現金預金など×××
利息を新手形の
額面に含める場合
受取人受取手形×××受取手形×××
受取利息×××
支払人支払手形×××支払手形×××
支払利息××××××

手形の不渡りとは

手形の不渡りとは、手形の支払人が支払期日に手形の額面金額を支払わなかった場合をいいます。

不渡りになった場合の手形を不渡手形(ふわたりてがた)といいます。

手形不渡りの場合の仕訳処理

手形の不渡りは、通常の手形の状態とは大きく異なります。

そこで不渡手形の存在が分かるように、受取手形勘定とは別の勘定科目に振り替えます。

具体的には受取人の場合には、受取手形勘定から不渡手形勘定(資産に属する勘定科目)に振り替える仕訳をきります。

不渡りになった場合には、通常は振出人や裏書人に代金の請求を行います。これを償還請求(しょうかんせいきゅう)といいます。

償還請求の手続きに要した費用も不渡手形勘定に含めます。

手形の裏書や割引を行った会社が償還請求に応じて額面金額を受取人に支払った場合には、不渡手形勘定を借方に記入します。上述と同様に手形の振出人に対して償還請求を行った場合には、その費用は不渡手形勘定に含めることになります。

償還請求の結果、額面金額を受け取ることができた場合には、不渡手形勘定を貸方に記入します。同時に期日延長分の利息を受け取る場合がありますが、受取利息勘定を貸方に記入して仕訳処理します。

出来事主体借方科目借方金額貸方科目貸方金額
手形不渡りの発生受取人不渡手形×××受取手形×××
現金預金など×××
償還請求を受けて
代金を支払った場合
割引人
裏書人
不渡手形×××現金預金など×××
償還請求により
代金を回収した場合
受取人
割引人
裏書人
現金預金など×××不渡手形×××
受取利息(※)×××

(※)支払期日延長分の利息を受け取った場合

仕訳例