日商簿記2級 ファイナンスリース取引と仕訳|利子込み法、利子抜き法

更新日:2021年1月5日
公開日:2018年2月9日

前回は、リース会計とリース取引や分類について解説しました。

今回は、ファイナンス・リース取引と仕訳(利子込み法と利子抜き法)について説明します。

ファイナンスリース取引とは

ファイナンスリース取引(ふぁいなんすりーすとりひき)」とは、ノンキャンセラブルとフルペイアウトを両方とも満たすリース取引をいいます。

※ノンキャンセラブルとフルペイアウトの詳細は下記の記事を参照。

ファイナンスリース取引の借り手の会計処理

ファイナンスリース取引では、固定資産の売買処理に準じた会計処理を適用します。

ファイナンスリース取引の仕訳の方法には、「利子込み法(りしこみほう)」と「利子抜き法(りしぬきほう)」があります。

どちらの方法も「リース資産勘定(資産に属する勘定科目)」、「リース債務勘定(負債に属する勘定科目)」、「リース資産減価償却累計額勘定(資産の控除科目)」を使用して仕訳します。

見積現金購入価額

見積現金購入価額(みつもりげんきんこうにゅうかがく)とは、リース物件を現金で購入した場合に要するであろう支払額のことをいいます。

※「見積」という言葉が付されずに「現金購入価額」という言葉で出題される可能性もありますが、問題を解く上では同様と考えて差し支えありません。

見積現金購入価額は、リース会計の重要なキーワードです。利子抜き法で仕訳処理する場合に、リース物件(リース資産)の計上の際に使用します。

リース取引では、リース物件の借り手はリース会社に対してリース料を一定期間毎に支払いますが、そのリース料には金利が含まれており、借り手はリース会社に利息を支払っていることになります。

ファイナンスリース取引はフルペイアウトであるため、リース料には自分で購入した場合に負担するのと同様のコストが含まれています。さらに利息を含むので、理論的には「リース料総額 > 見積現金購入価額」が成り立ちます(利息分だけリース料総額が大きくなる)。

利子込み法の仕訳

利子込み法では「リース資産の計上額 = リース料総額」として、リース料に含まれる利子も固定資産の金額に含めて仕訳します。

リース取引の開始日に、借方にリース資産勘定、貸方にリース債務勘定を、それぞれリース料総額で記入します。

リース料の支払日には、リース債務を減額させるために借方にリース債務勘定を記入し、貸方に現金預金などの勘定科目を記入します。

決算日(月次の場合もあり)にはリース資産の減価償却を行います。減価償却費勘定を借方に記入し、リース資産減価償却累計額勘定を貸方に記入します。

出来事計上額の元借方科目借方金額貸方科目貸方金額
リース取引開始リース料リース資産×××リース債務×××
リース料の支払いリース料リース債務×××現金預金×××
減価償却リース料減価償却費×××リース資産減価償却累計額×××

利子抜き法の仕訳

利子抜き法では、「リース資産 = 見積現金購入価額」として、リース料に含まれる利子を除いた金額でリース資産を計上します。

リース取引の開始日に、借方にリース資産勘定を、貸方にリース債務勘定を、見積現金購入価額で記入します。

リース料の支払日には、リース債務を減額させるために借方にリース債務勘定を記入し、貸方に現金預金などの勘定科目を記入します。貸方の現金預金は見積現金購入価額に基づいた支払ではなくリース料になるため、利息分だけ貸方金額が大きくなります。そこで、差額を支払利息勘定で借方に記入します。

決算日(月次の場合もあり)にはリース資産の減価償却を行います。減価償却費勘定を借方に記入し、リース資産減価償却累計額勘定を貸方に記入します。

利子込み法では利息も含めて減価償却費を計上しますが、利子抜き法では、リース資産を見積現金購入価額(すなわち利息抜き)で計上しているため、利息を含まずに減価償却費を計上することができます。

出来事計上額の元借方科目借方金額貸方科目貸方金額
リース取引開始見積現金購入価額リース資産×××リース債務×××
リース料の支払い見積現金購入価額
とリース料
リース債務×××現金預金×××
支払利息×××
減価償却見積現金購入価額減価償却費×××リース資産減価償却累計額×××

仕訳例

A社は期首に次の条件でリース会社と契約してリース取引を開始した。このリース取引はファイナンス・リース取引に該当するとする。

  • ・年間リース料:50万円(後払い)
  • ・リース期間:5年
  • ・見積現金購入価額:230万円

1.リース開始時の仕訳、2.リース料支払い時の仕訳(当座預金より支払)、3.決算の仕訳(減価償却 残存価額ゼロ、耐用年数5年の定額法)について、利子込み法と利子抜き法のそれぞれで仕訳しなさい。

方法No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
利子込み法1リース資産2,500,000リース債務2,500,000
2リース債務500,000当座預金500,000
3減価償却費500,000リース資産減価償却累計額500,000
利子抜き法1リース資産2,300,000リース債務2,300,000
2リース債務460,000当座預金500,000
支払利息40,000
3減価償却費460,000リース資産減価償却累計額460,000

【解説】
(利子抜き法)No2.リース料支払い時の仕訳について
リース債務減少額 = 見積現金購入価額230万円 ÷ リース期間5年 = 460,000円

まとめ

今回はファイナンスリース取引の仕訳(利子込み法と利子抜き法)について解説しました。それぞれの方法でリース料と見積現金購入価額のどちらを使って仕訳するのか、というポイントを押さえて覚えていきましょう。

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