商業簿記入門その73~収益と費用その4(広告宣伝費、支払手数料と旅費交通費の仕訳処理)(3級)

更新日:2019年5月2日
公開日:2018年4月13日

広告宣伝費、支払手数料と旅費交通費の仕訳処理(3級)

前回、「商業簿記入門その72~収益と費用その3(給料の仕訳処理)(3級)」では、収益と費用のうち、給料明細と給料の仕訳処理について解説しました。

今回は、広告宣伝費、支払手数料と旅費交通費の仕訳処理について説明します。

※簿記3級に出題される勘定科目の一覧を調べたい方は、「勘定科目一覧(簿記2、3級検索データベース」をご利用ください。


広告宣伝費とは

広告宣伝費(こうこくせんでんひ)とは、その名の通り広告を宣伝するために要した支出のことをいいます。

例えばTVや新聞や、WEB上の広告があります。

その他、商品を販売するための見本やサンプルを作るのに要した支出や、キャンペーンに要した支出なども広告宣伝費になります。

広告宣伝費の仕分け処理

上述のような広告宣伝費の発生に関する取引は、「広告宣伝費勘定(費用に属する勘定科目)」を使用して仕訳処理します。

具体的には借方に広告宣伝費勘定を記入し、貸方には現金や預金、未払金などの勘定科目を記入します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
広告宣伝費の発生広告宣伝費×××現金預金など×××

支払手数料とは

支払手数料(しはらいてすうりょう)とは、その名の通り、手数料の支出をいいます。

代表的な取引に、銀行口座の振り込みや引き出し時にかかる手数料があります。

その他、登記や商標登録、契約書類作成、税務申告など、会社の法的な手続きを司法書士や行政書士、税理士などに依頼した場合の手数料や、不動産会社を仲介人とした不動産売買や賃貸物件の契約締結などにかかる仲介手数料なども、支払手数料に該当します。

支払手数料の仕訳処理

支払手数料の発生に関する取引は、「支払手数料勘定(費用に所属する勘定科目)」を使用して仕訳処理します。

具体的には、借方に支払手数料勘定を記入し、貸方には現金、預金や未払金勘定などを記入して仕訳処理します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
支払手数料の発生支払手数料×××現金預金など×××

旅費交通費とは

旅費交通費(りょひこうつうひ)とは、その名の通り、旅費や交通に要した支出をいいます。

例えば、出張の宿泊代や出張地までの交通費、月額で従業員に支払う通勤定期券代などが旅費交通費に該当します。

旅費交通費の仕訳処理

旅費交通費の発生に関する取引は、「旅費交通費勘定(費用に所属する勘定科目)」を使用して仕訳処理します。

具体的には、借方に旅費交通費勘定を記入し、貸方には現金、預金や未払金勘定などを記入して仕訳処理します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
旅費交通費の発生旅費交通費×××現金預金など×××

【補足】会社で使用する勘定科目について

※簿記3級の試験範囲外ですが、実務を理解するのに役立つ内容です。

簿記資格の学習をした後に会社で経理の仕事をすると、簿記資格で学んだこととは違った処理を行うことが少なくないことに戸惑うかもしれません。

例えば、

・簿記資格では見たことがない勘定科目を使用している。
・仕訳処理が学習した方法とは異なる。

など。

いろいろな理由が考えられますが、最も大きな理由としては、「会計とは実務の慣行(かんこう)に基づいて発達してきたものであり、様々な判断要素によって多面的に判断されるものであるから」ということが挙げられます。

ここで、「慣行」とは「習わし(ならわし)」や「普通、通常」という意味と同じと考えて差し支えありません。

「様々な判断要素」には、例えば、上場しているかどうか、規模、業界、取引の内容、損益計算書や貸借対照表に表示される区分、会社全体の取引額に対する金額的な影響などがあります。

このような様々な判断要素を考えていくと、例えば、

  • 「〇〇業界の会計慣行では、スタンダートな仕訳処理とは異なる方法で仕訳処理する取引が存在する」
  • 「当社のこの取引は特殊であり、他の取引とは区別して取引を把握したいから、特別な勘定科目を設定して仕訳処理している」

など、「簿記のスタンダードともいえる簿記資格」では、学習していないことにも実務では遭遇することがある、ということになります。

その他にも様々な理由が考えられます。この点については簿記の仕事に就いた時に皆さんで考えてみてください。


仕訳例

  • 1.A社は、WEB広告を掲載するため、広告掲載料金20万円で1カ月広告を掲載する契約を広告業者と締結し、今月広告が掲載された。代金は来月末に支払う予定である。
  • 2.A社は、契約書作成を行政書士に依頼し、契約書が作成された。作成代行手数料10万円を普通預金より支払った。
  • 3.A社の従業員Bは今月営業のために国内出張した。Bより提出された経費精算書には交通費2万円、宿泊費1万5千円の記載と領収書が添付されており、Bには現金で清算した。
No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1広告宣伝費200,000未払金200,000
2支払手数料100,000普通預金100,000
3旅費交通費35,000現金35,000

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まとめ

今回は広告宣伝費、支払手数料、旅費交通費の仕訳処理について解説しました。難しい点はありません。問題演習で勘定科目を覚えましょう。


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