商業簿記入門その77~売上収益の認識(引渡基準、出荷基準、検収基準)(2級)

更新日:2018年4月23日 公開日:2018年4月19日

売上収益の認識(引渡基準、出荷基準、検収基準)(2級)

前回、「商業簿記入門その76~収益と費用その7(雑費と保管費の仕訳処理)(3級)」では、収益と費用のうち、雑費と保管費の仕訳処理について解説しました。

今回は、売上収益の認識基準について説明します。

※簿記2級の論点になります。


収益の認識基準とは

収益の認識基準(にんしききじゅん)とは、「収益をどの時点で計上するのか」に関する基準(ルール)のことをいいます。

売上収益の認識基準

売上収益の認識基準(にんしききじゅん)とは、売上の認識基準、すなわち、「売上をどの時点で計上するのか」に関する基準のことをいいます。

売上収益の認識基準の種類

売上収益の認識基準には、出荷基準、引渡基準、検収基準などがあります。

出荷基準

出荷基準(しゅっかきじゅん)とは、商品を出荷した時点で売上を計上する売上収益の認識基準をいいます。

日本では最も一般的に採用されている認識基準です。

「出荷」とは、商品を工場や倉庫から、お客の注文通りにピッキング( = 選んで持ち出すこと)して、トラックなどでお客の届け先まで運ぶことです。

トラックが工場や倉庫から出発すれば、その時点で出荷は完了していると一般的には考えられますので、この時点で売上勘定を貸方に記入して売上計上します。


引渡基準

引渡基準(ひきわたしきじゅん)とは、商品を引き渡した時点で売上を計上する売上収益の認識基準をいいます。

「商品を引き渡した時点」とは、トラックなどで工場や倉庫から出荷した商品がお客の元に届いたことを指すと考えて差し支えありません。

日本国内であっても遠隔地であれば出荷から引き渡しまで数日を要する場合もあります。従って、出荷基準の方が引渡基準よりも早く売上計上することになります。

検収基準

検収基準(けんしゅうきじゅん)とは、商品を検収した時点で売上を計上する売上収益の認識基準をいいます。

「検収」とは、商品を受け取ったお客が、商品の数量やお客の要望通りの内容になっているかどうか、品質は問題ないか、などを確認することをいいます。

お客が検収した結果、問題なければ売上計上することができます。

「出荷→引き渡し→検収」という順番になりますので、当然、出荷基準や引渡基準の方が、検収基準よりも早く売上計上することになります。


【補足】売上収益の認識基準が複数存在する理由とは?

※これ以降は、簿記2級の内容ではありませんが、売上収益の認識基準を理解するために役立つ情報です。ご興味ある方はお読みください。

今回説明したのは、出荷基準、引渡基準、検収基準ですが、その他にも様々な売上収益の認識基準が存在します。

このような売上収益の認識基準が複数存在するのは、扱う商品によって適切と考えられる基準が異なるからです。

例えば、コンビニや衣服店に並んでいる商品を例にすると、これらの商品は大量生産されたものです。

従って、検収基準のような商品の検査は必要ないでしょう。

また、毎日のように、製造メーカーの工場からコンビニや各衣服店の店舗に商品が届きます。手続きはルール化されており、定常運用されていることから、引き渡しまで待たなくとも、数量不足や商品破損などの理由で返品になるケースは、全体の取引から考えればほとんどないと考えられます。

以上の理由から一般的には出荷基準を採用します。

次に、高級スーツなどのオーダーメイド品やゲームの元となるプログラムソフトウェアを例として考えてみます。

これらの商品の場合は、大量生産される商品ではありません(ゲーム自体は大量生産されますが、その元となるプログラムは大量生産ではなく、1つだけと考えてください。ソフトウェア制作会社がゲーム企画・販売会社より注文を受けてゲームプログラムを制作して、ゲーム企画・販売会社に納品します)。

従って、商品がお客の元に届き、お客が商品を検査して確認するまでは、売上計上することは適切とはいえません。

以上から、これらの商品は検収基準を採用することが適切ですが、オーダーメードの程度によっては引渡基準の採用も考えられます。

【補足】出荷から検収までの具体的な手続きについて

会計入門その22~売上高と実現主義(出荷、納品、検収基準)」には、各売上収益の認識基準について、より詳細に出荷から検収までの手続きについて解説しています。

※引渡基準ではなく納品基準を紹介していますが、同様の基準と考えて頂いて差し支えありません。

ご興味ある方はご参照ください。

まとめ

今回は売上収益の認識基準について解説しました。具体的なケースをイメージして覚えましょう。


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