商業簿記2級 火災保険(未決算勘定)の仕訳処理

更新日:2019年9月23日
公開日:2018年4月20日

前回、「商業簿記入門その82~消費税の仕訳処理(2級)」では、税金のうち、消費税の仕訳処理について解説しました。

今回は、火災保険(未決算勘定)の仕訳処理について説明します。

火災保険とは

火災保険(かさいほけん)とは、火災や水害、落雷などの自然災害によって、建物や建物内の家財に損害を被った場合に保険金を受け取れる種類の保険をいいます。

火災保険の特徴

火災などによって損害を被った場合、その時点では損害額がいくらなのかは確定することができないため、火災発生後、すぐに保険金がいくらもらえるのか分かるわけではありません。

従って、火災などの発生から、保険会社の調査などによって、保険金の額が確定するまでの間の仕訳処理として、火災保険だけの特別な仕訳処理が必要になります。

火災保険の仕訳処理

火災保険が発生した場合には、「未決算勘定(その他の勘定科目)」「保険差益勘定(収益に属する勘定科目)」「火災損失勘定(費用に属する勘定科目)」「未収入金勘定(資産に属する勘定科目)」を使用して仕訳処理します。

火災発生時の仕訳処理と保険金確定時の仕訳処理に分けて説明します。

火災発生時の仕訳処理

火災などによって損害を被った建物などの勘定科目を総勘定元帳から減少させる仕訳をきります。

例えば、建物であれば、貸方に建物勘定を記入するとともに、これまで減価償却を行ってきた累計額である建物減価償却累計額を借方に記入します。

そして貸借差額が損害額となりますが、現時点では保険金を受け取れる可能性があるため、実際の損害額(損害額と保険金の差額)は未確定です。

そこで、未決算勘定を借方に記入することで、現時点では費用も収益も発生しない状態にしておきます。

保険金確定時の仕訳処理

受け取れる保険金額について、未収入金勘定を使用して借方に記入します。

そして、火災発生時に計上した未決算勘定の残高をゼロにするために、貸方に上述の金額で未決算勘定を記入します。

最後に貸借差額について、収益が発生する場合には、保険差益勘定を貸方に記入し、費用(損失)が発生する場合には、火災損失勘定を借方に記入します。

火災保険の仕訳処理(まとめ)

以上の仕訳処理をまとめると次の通りになります。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
火災などの発生〇〇減価償却累計額×××建物など〇〇〇
未決算×××
保険金の確定保険金 >
損害額
未収入金×××未決算×××
保険差益×××
保険金 <
損害額
未収入金×××未決算×××
火災損失×××

仕訳例

  • 1.A社の工場で火災が発生し、建物1千万円(減価償却累計700万円)が全焼した。A社は火災保険に加入しており、この工場は火災保険の対象である。
  • 2.上述の保険金が確定した。保険金額は350万円であり、来月振り込まれる予定である。
No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1建物減価償却累計額7,000,000建物10,000,000
未決算3,000,000
2未収入金3,500,000未決算3,000,000
保険差益500,000

関連リンク

まとめ

今回は消費税の仕訳処理について解説しました。他の仕訳処理との優先順位を付けて、覚えていきましょう。

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