日商簿記2級、3級 設立と資本金・資本準備金の仕訳|創立費と開業費

更新日:2021年1月16日
公開日:2018年4月25日

前回は、株式発行に関する用語と会社法の手続きについて解説しました。

今回は、設立と資本金、資本準備金の仕訳(創立費と開業費含む)を説明します。

株式会社の設立時の取引

設立時の取引としては、「株式の発行」と「設立のために要する費用の発生」があります。

設立時の仕訳|資本金(原則的な処理)(3級)

設立時の株式発行に関する取引は、「資本金勘定(純資産に属する勘定科目)」および当座預金勘定を使用して仕訳します。

最初に株式の払い込み金額を発行株式数と発行価額から計算します。

そして計算した株式の払い込み金額について、貸方に資本金勘定を使って記入します。

設立時の仕訳(3級)

<会社法上の手続き>

<

特に覚えることなし。

<仕訳>

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
設立時の株式発行
(原則的な手続き)
当座預金×××資本金×××

仕訳例(3級)

  • 1.A社は株式会社の設立に際して、3,000株を1株あたり2,000円で発行し、全額申込があり、払込金は当座預金に預け入れた。
No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1当座預金6,000,000資本金6,000,000

【解説】
払込金の計算:3,000株 × @2,000円 = 6,000,000円

設立時の仕訳|資本金と資本準備金(容認された処理)(以下、日商簿記2級の論点

設立時の株式発行に関する取引は、「資本金勘定(純資産に属する勘定科目)」と当座預金勘定だけでなく、「資本準備金勘定(純資産に属する勘定科目)」も使用して仕訳します。

最初に株式の払い込み金額を発行株式数と発行価額から計算します。

次に問題の指示に従って、払込金額のうち資本金と資本準備金に組み入れる金額を計算し、貸方に資本金勘定と資本準備勘定を使って記入します。

創立費(設立のために要する支出)の発生に関する仕訳

設立のために要する支出には、例えば、「定款の作成費用や株式発行費用」や「登記のための費用」などがあります。

これらの取引で発生した費用は、「創立費勘定(費用に属する勘定科目)」を使用して仕訳します。

借方に創立費勘定を記入し、貸方に現金預金などの勘定科目を記入して仕訳します。

設立時の仕訳

<会社法上の手続き>

項目手続き
設立時に発行する株式数発行可能株式総数の4分の1以上の株式を発行しなければならない。
資本準備金に組み入れ可能な金額株式発行の払込金額の2分の1までを、資本金とはせずに資本準備金とすることができる。

<仕訳>

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
設立時の株式発行
(容認される手続き)
当座預金×××資本金×××
資本準備金×××
設立に要する費用の発生創立費×××現金預金など×××

株式会社の開業時の取引

開業(かいぎょう)とは、簡単に言えば事業をはじめること(営業を開始すること)をいいます。

定款の作成や登記手続きを行い、また株式発行もして、株式会社というハコは作成することができました。

しかし、この段階では、実際の事業を始めるには準備が不足しています。

例えば、仕事場所であるオフィスの準備や名刺、ハンコの作成、広告宣伝の準備などが挙げられます。

開業費の仕訳

このような営業を開始するまでに要した支出に関する取引は、「開業費勘定(費用に属する勘定科目)」を使用して仕訳します。

借方に開業費勘定を記入し、貸方に現金預金などの勘定科目を記入して仕訳します。

出来事借方科目借方金額貸方科目貸方金額
開業に要する費用の発生開業費×××現金預金など×××

仕訳例

  • 1.A社は株式会社の設立に際して、発行可能株式総数1万株に対して3,000株を発行価額2,000円で発行し、全額申込があり、払込金は当座預金に預け入れた。なお、株式発行の際に株券印刷代金10万円は現金で支払った。
  • 2.B社は株式会社の設立に際して、発行価額1,000円で株式発行を行い、全額の払い込みを受けて当座預金に預け入れた。株式発行に関するその他の情報は次の通り。
  • (1)設立時に作成された定款には、発行可能株式総数は2万株と記載されており、会社法に定められる最低限の株式数を発行した。
  • (2)払込金のうち、会社法に定められた最低額を資本金に組み入れる。
  • 3.C社は設立したばかりの会社である。営業を開始する前の支出として、名刺やハンコの作成代金や広告宣伝費に合計20万円かかり、C社を振出人とする小切手を振り出して支払った。
No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1当座預金6,000,000資本金6,000,000
創業費100,000現金100,000
2当座預金5,000,000資本金2,500,000
資本準備金2,500,000
3開業費200,000当座預金200,000

【解説】
1.資本金への組み入れ額について指定はないため、原則の「全額を資本金に組み入れる」と推測して仕訳します。

2.設立時には発行可能株式総数の4分の1以上を発行しなければなりません。2万株の4分の1である5千株が発行株式数になります。

まとめ

今回は設立と開業の仕訳(資本金、資本準備金、創立費と開業費)について解説しました。日商簿記2級では資本金組み入れ額の計算は必ず覚えておきましょう。

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