会計とは|最も基本となる用語を分かりやすく解説(入門)
記事公開日:2024年2月15日
会計学を学ぶには「会計」とは何かを知らなくとも事足りるため、意外と正確な意味を知らない人もいます。
本記事では、会計学の入門者を対象に、「会計」とは何かを具体的に分かりやすく解説した後に、会計の領域(分類)について解説します。
「会計」とは
「会計(Accounting)」とは、特定の経済主体の経済活動を貨幣額で測定し、記録した結果を報告書としてまとめ、利害関係者に伝達する行為をいいます。
「会計」と聞くと、イメージするのが「会社の決算書」ですが、これだけでは「会計」としては不足しており、会社財産を運用して利益を獲得する責任を持つ「経営者」が、「投資家(株主)」「債権者」をはじめとする「利害関係者」に報告することまで含めて、はじめて「会計」といえます。
「Account」には「説明する」という意味があるように、「会計」には「説明」が不可欠な要素なのです。
「家計簿」は会計といえるのか?
「決算書」を「家計簿」に、そして、「経営者」を「主婦・主夫」に、「利害関係者」を「家族」に置き換えて考えると分かると思います。
財産管理は「主婦・主夫」に全て任せきりにし、「ある月の収入/支出/収支は〇〇円で、内容はこれこれだった」といった報告がなされない場合には、この一家では「会計」がなされていないということになります。
これに対して、「家族会議」を月1回開いて、「主婦・主夫」が家計簿の記録をまとめた収支表を作成して家族に報告している場合には、「会計」といえます。
会計の領域
図で示すと次の通り。
会計は「株式会社」に代表される企業の活動(営利活動)を対象にした「企業会計」と、企業以外の非営利団体の活動を対象とした「非営利会計」に分類されます。
次に「企業会計」は外部の利害関係者(株主・債権者など)に対して会社の財政状態や経営成績などを報告する「財務会計」と、製造活動を「原価計算」により記録した結果をまとめた「製造報告書」に代表される報告書を内部の経営管理者などに対して報告する「管理会計」に分けられます。
さらに「財務会計」には、法律で定められた会計である「制度会計」が存在します。会計学では、「制度会計」のうち「金融商品取引法」が定める「財務諸表」が学習の中心となっており、その他、「会社法計算書類」「税法の確定申告書」とを併せた「トライアングル体制」が、日本の会計制度の特徴といえます。
参考文献
・桜井久勝 財務会計講義(第12版) 中央経済社 2011年
・新井清光 新板財務会計論(第4版) 中央経済社 1998年
日本の会計基準として古くから存在し現在も実務においてお世話になる会計基準。「真実性の原則」「実現主義」「取得原価主義」など、会計学を学ぶならば欠かせません。試験勉強でも各会計基準を学ぶ前の「土台」としての役割を担う論点のため、専門スクールのテキストでも最初に解説されています。