クレジット売掛金の過去問分析と対策|日商簿記2級(個別論点+αがポイント)

日商簿記

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クレジット売掛金と過去問分析

日商簿記2級は、平成28年から大幅に出題範囲が拡大されました。

今回は、平成28年改定の中から、クレジット売掛金について過去問分析や今後の対策について解説します。

※ページ最後にはおすすめの過去問題集をご紹介しています。

クレジット売掛金の改定ポイントと2級範囲になった理由とは

クレジット売掛金とは、商品の仕入側が支払手段としてカード払いを選択した場合の債権(販売側)をいいます。

クレジット売掛金の改定ポイント

項目出題範囲の変更
クレジット売掛金H28改定(新規→2級)

上記の通り、これまでクレジット売掛金は、日商簿記検定ではどの級でも出題範囲ではありませんでした。

しかし、H28年の改定によって2級の出題範囲になりました。

※平成28年度以降は商業簿記2級にて、出題範囲が増加しています。詳細は下記リンクをご参考ください。

クレジット売掛金の内容と今回改定の理由

皆さんの中にもクレジットカードを使用している方もいるでしょう。現代社会ではそれだけ身近な存在となりました。

クレジット売掛金が通常の売掛金と異なるのは、販売代金は、商品売買の取引先ではなく、信販会社から回収することと、カード利用料として手数料が差し引かれた残額が回収額となることです。

これまで日商簿記2級では、クレジットカード利用による売買取引は未出の分野でした。

しかし、現実にはクレジットカードを支払手段として選択できる売買取引はごく普通に行われており、企業間取引にも浸透しています。

日商簿記2級は、企業の財務担当者として、「財務諸表の数字から経営内容を把握できる」レベルが求められる試験。

そこで、現実の企業取引に合わせて、簿記2級の出題範囲として、新たにクレジット売掛金が加わったというのが、H28年改定の理由になります。

過去問分析と今後の対策

次に、平成28年度改定後のクレジット売掛金の出題について、過去問を分析するとともに今後の対策についてコメントしました。

過去問の出題傾向の分析結果

日商簿記2級の過去問(第143回以降)について、クレジット売掛金の出題内容は次の通りです。

試験回数
第〇回
問題
第〇問
出題内容
1433決算整理事項(クレジット売掛金に対する貸倒引当金の設定)
1441クレジットカード利用による商品販売の仕訳処理
1461クレジットカード利用による商品販売の仕訳処理
1471商品販売(クレジットカード利用)後の返品の仕訳処理

以上の通りクレジット売掛金は、7回(第143回から第149回まで)中、4回出題されたことが分かります。

但し、143回の出題はクレジット売掛金という科目のみの登場であり、問題自体は通常の売掛金と変わりなかったことから、実質的な出題回数は7回中、3回ということになります。

出題内容を見ると、通常のクレジットカード払いの販売取引であり、学習していればどの回も解ける問題のレベルといえます。

ただし、消費税や返品の処理も含めた出題があり、少しだけ応用力も問われる問題となっています。

クレジット売掛金の今後の対策について

クレジット売掛金の過去問を分析した出題傾向は以上の通りです。

そこで次に、今後の出題可能性も踏まえたクレジット売掛金の対策方法について簡単にコメントしました。

今後の簿記2級の学習にご参考となれば幸いです。

(1)テキストに記載の内容を押さえておけば十分対応可能

これまでの過去問を分析した結果、奇をてらったような問題は出題されていません。

従って、クレジット売掛金のポイントである、信販会社への債権となることと、手数料が差し引かれることの2点について、テキストの範囲をしっかりと学習しておきましょう。

(2)消費税の仕訳処理

問題文を焦らずに読み、金額は税抜きか税込みかを確認しましょう。

これまでの出題では売上は課税で手数料は非課税でした。この場合の仕訳処理について、過去問や類題の演習問題を解いて慣れておきましょう。

(3)応用問題としては収益認識や役務収益など、他の改定論点との複合問題が想定範囲

例えば、商品販売ではなく、サービス提供(役務収益)とクレジット売掛金の複合問題。

他にも、収益認識のうち、検収基準との複合問題や、販売だけでなく、仕入処理との複合問題で、販売の都度、売上原価に振り替える方法による仕訳と一緒の出題などが想定できます(例えば第2問の出題)。

外貨建て取引とクレジット売掛金の複合問題も出題可能性としては十分考えられます。

各論点はテキストを通しておくことはもちろんですが、上述のような複合取引について仕訳を考えてみるのも対策として有用です。全てのパターンが網羅された問題集はないでしょうから、自分で問題を作って解いてみましょう(上述以外にも様々なパターンがあるはず)。応用力が養えます。

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上述のクレジット売掛金の過去問分析は、この書籍を参考にして作成しました。

日商簿記2級に合格するには最適な過去問題集です。

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