リース取引(ファイナンス、オペレーティング)の過去問分析と対策|日商簿記2級

日商簿記

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リース会計(簿記2級)

日商簿記2級は、平成28年から30年の3年間で出題となる分野が大幅に増えました。

そこで今回は、新規出題論点の1つである、リース取引(H29改定)について、概要を説明するとともに過去問題集を使った分析結果や、今後の対策方法について解説していきます。

※ページ最後にはおすすめの過去問題集をご紹介しています。

リース取引と出題範囲について

リース取引とは、物件を所有する貸手が借手にリース期間にわたり使用収益する権利を与え、借手はリース料を貸手に支払う取引をいいます。

リース取引は、その契約内容から、ファイナンスリース取引とオペレーティングリース取引に分類できます。

また、ファイナンス・リース取引を簿記で仕訳処理する場合には、利息法や級数法など様々な方法が存在します。

このうち簿記2級では、リース資産の借り手側の処理として、利子込み法と利子抜き法(定額法のみ)が出題範囲になっています。また、セール・アンド・リースバック取引は対象外です。

リース取引の出題詳細について

項目出題範囲の変更
ファイナンス・リース取引(借手側)H29改定(1級→2級)
オペレーティング・リース取引(借手側)H29改定(1級→2級)

以上の通り、これまでは1級の出題範囲だったリース取引のうち、借り手側のファイナンス・リース取引とオペレーティング・リース取引が簿記2級の範囲になりました。

なお、上述の通り、ファイナンス・リース取引の処理のうち、利子込み法と利子抜き法(定額法)のみが簿記2級の範囲となり、その他利息法や級数法の処理や、セール・アンド・リースバック取引はH29改定後も1級の試験範囲のままです。

※平成28年度以降は商業簿記2級にて、出題範囲が増加しています。詳細は下記リンクをご参考ください。

リース取引の説明と平成29年度に簿記2級範囲となった理由とは

まずリース取引について概要を説明します。

リース取引を行った場合、借り手側はまず契約内容を確認して、ファイナンス・リース取引なのかオペレーティング・リース取引なのかを分類します。

具体的には、締結したリース契約が、「ノンキャンセラブル」かつ「フルペイアウト」の両方を満たしていればファイナンス・リース取引になります。そうでなければオペレーティング・リース取引です。

ファイナンス・リース取引に該当する場合には、「通常の固定資産の購入」に準じて仕訳処理します。ただしリース取引であり、代金は分割して支払うことから、リース料には「金利が含まれる」と考えます。

そこで、簿記2級では当該利息の処理方法として利子込み法と利子抜き法(定額法)という2つの仕訳方法を学習します。

次にオペレーティング・リース取引に該当する場合には、「リース資産の賃貸借取引」と捉えて仕訳処理します。

以上がリース取引の会計上の処理になります。

次に、リース取引が簿記2級の出題になった理由を説明します。

リース取引が登場してから、かなりの年数が経過しますが、実務上、借り手となる様々な企業が活用しており、業種・規模を問わず広く一般化しています。

日商簿記2級は、企業の財務担当者として、「財務諸表の数字から経営内容を把握できる」レベルが求められる試験。

そこでリース取引のうち、範囲を絞って簿記2級の出題とすることにした、というのが改定の理由になります。

過去問の分析結果と対策ポイント

リース取引について、平成29年度改定後の出題を過去問題集で確認し、分析を行いました。

また分析結果と今後の簿記2級傾向を踏まえて、対策ポイントについて簡単に述べましたのでご参考ください。

リース取引の過去問を分析して分かること

日商簿記2級の過去問題集(平成29年度試験である第146回以降)を利用して分析した結果、次のことがわかりました。

試験回数
第〇回
問題
第〇問
出題内容
1471ファイナンス・リース(利子込み法)の仕訳処理
1491ファイナンス・リース(利子抜き法)の仕訳処理

上述の通り、平成29年度と最近改定された論点ということもあり、統計が少ないですが、4回(第146回から第149回まで)中、2回出題されています。

出題の難易度ですが、応用問題ではなく、どちらも基本テキストを読み込み、問題演習を行っておけば解けるレベルの問題です。

リース取引の対策ポイント

次に、H30年度の改定も踏まえて、リース取引の対策についてポイントをまとめました。

皆さんの日商簿記2級の勉強にお役に立てば幸いです。

(1)基本テキストを押さえる

リース取引は、単体でも覚えることが少なくない分野です。

基本テキストだからといって、飛ばし読みはせず、じっくりと理解しながら読み進めましょう。

商業簿記2級は、範囲が広くなった結果、「知っているかどうか」は、以前にも増して合否を分けるポイントになったといえます。

(2)予想問題集を活用する

基本テキストを理解したら問題演習で知識を定着させますが、リース取引は出題開始から間もないため、過去問がほとんどありません。

そこで、予想問題集を利用することをお勧めします。

例えば、後述の「合格するための過去問題集 日商簿記2級 '18年11月検定対策 (よくわかる簿記シリーズ)」には直前10回分の過去問だけでなく、厳選された対策問題が用意されています。

また、「日商簿記2級 網羅型完全予想問題集 2018年度」は、改定論点を含め、全ての出題範囲を網羅した問題集になっています。

基本テキストと基本的な問題演習を終えた後に、予想問題演習に取り組むことで、より実践的な得点感覚が身につくことでしょう。

(3)他分野との複合問題はなく、単体範囲のプラスアルファを押さえる

リース取引は単体で論点が確立されており、他の論点が絡んだ複合問題は出題しづらい分野といえます。

ですので出題された場合には、確実に点を取れるようにしておきたい分野でもあります。

リース取引単体の基本テキスト範囲にプラスアルファで押さえたいのは、利息計算の期間配分でしょう。

例えば、ファイナンス・リース取引で、かつ利子抜き法を適用して処理する場合の決算整理仕訳。第3問で出題される可能性があります。

リース料の支払日が決算日でない場合には、減価償却費とともに未払利息を計算し仕訳します。

他にはプラスアルファというよりも、あいまいな知識ではなく、しっかりと定着させておくことです。

例えば、第147回で出題された「ファイナンス・リース(利子込み法)の仕訳処理」は、易しい問題でしたが、例えば問題文中に「見積現金購入価額は××円である」といった文言が追加されていたり、使用できる勘定科目の中に「支払利息」があったりすると、知識があやふやな場合には、リース資産の金額や使用する勘定科目を間違えてしまう可能性が高まります。

以上から、確実に点を取れるよう、知識の広がりだけでなく、定着度を高めておきましょう。

おすすめの過去問題集


合格するための過去問題集 日商簿記2級 '19年2月検定対策 (よくわかる簿記シリーズ)

上述のリース取引の過去問分析は、この書籍を参考にして作成しました。

日商簿記2級に合格するには最適な過去問題集です。

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  • ・直前10回分の過去問
  • ・解答と詳しい解説付き
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