圧縮記帳(直接控除方式)の過去問分析と対策|日商簿記2級

日商簿記

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圧縮記帳(直接控除方式)

日商簿記2級は、平成28年から30年に大幅に出題範囲を拡大してきました。

今回は、平成29年に改定の出題分野から、圧縮記帳について過去問分析や今後の対策(ポイント)を順を追って解説していきます。

※ページ最後にはおすすめの過去問題集をご紹介しています。

圧縮記帳の概要と簿記2級出題の趣旨(H29改定)

圧縮記帳とは、国などから受けた国庫補助金等を使って固定資産の取得価額を減額する処理をいいます。

圧縮記帳の処理方法には、直接控除方式と積立金方式があります。

このうち簿記2級では、前者の直接控除方式が出題範囲になっています。

圧縮記帳の出題内容

項目出題範囲の変更
圧縮記帳(直接控除方式)H29改定(1級→2級)

圧縮記帳はこれまでは1級の出題範囲でした。

しかし、H29年の改定で圧縮記帳のうち、直接控除方式は簿記2級の出題範囲になりました。

※平成28年度以降は商業簿記2級にて、出題範囲が増加しています。詳細は下記リンクをご参考ください。

圧縮記帳のポイントとH29改定の趣旨

圧縮記帳は固定資産の取得価額を減額させます。

そしてその減額した部分はその年度の損失として計上します。この損失は法人税の計算(課税所得計算)でも経費として認識されます。

その結果、圧縮記帳を行った年度の法人税は圧縮記帳しなかった場合と比較して少なくなります。

一方で、次の年度以降では、固定資産の取得価額は圧縮記帳の分だけ少ないことから、減価償却費はその分少ない金額が計上されます。結果として、法人税は多くなります。

このように圧縮記帳は「固定資産を取得した年度に、補助金として受け取った金額を損失計上することで税金を減らし、節税した額は、次年度以降の税金に先送りする」という効果を持っているといえます。

このような圧縮記帳は実務でも広く普及しています。

日商簿記2級は、企業の財務担当者として、「財務諸表の数字から経営内容を把握できる」レベルが求められる試験。

そこで圧縮記帳のうち、簡易な処理である直接控除方式については簿記1級から2級の出題範囲に変更した、というのが今回改定の趣旨(理由)になります。

圧縮記帳の過去問分析と対策とは

以下は、平成29年度改定後の圧縮記帳の出題に関する、過去問の分析と今後の対策になります。

過去問分析結果

圧縮記帳を日商簿記2級の過去問(平成29年度試験である第146回以降)について分析した結果は次の通り。

試験回数
第〇回
問題
第〇問
出題内容
1461圧縮記帳の仕訳処理

平成29年度と最近改定された論点ということもありますが、4回(第146回から第149回まで)中、1回だけ出題されました。

この1回の出題ですが、通常の圧縮記帳(直接控除方式)の仕訳処理問題であり、基本テキストで学習していれば解ける問題でした。

今後の対策|圧縮記帳(直接控除方式)

次に、H30年度の改定も踏まえて、圧縮記帳の対策方法について簡単にコメントします。

皆さんの簿記2級の勉強の一助となれば幸いです。

(1)テキストに記載の内容を押さえておく

これまでの過去問を分析した結果、毎回出題される論点ではありません。

従って、テキストの内容を学習しておく程度にしておき、他の分野(例えば有価証券など)を重点的に学習することをお勧めします。

(2)固定資産の論点の一つとしてまとめて学習する

圧縮記帳だけであれば出題可能性は高くありません。

しかし固定資産は毎回出題される範囲です。効率よく学習するためには他の固定資産論点と併せて学習しましょう。

(3)H30年度改定の税効果会計とは関連なし

平成30年度の改定では、税効果会計が簿記2級の出題範囲になりました。

圧縮記帳も法人税の計算と関連がある分野ですので、税効果会計が出題範囲となった場合の関係が気になります。

しかし税効果会計の出題の中で、圧縮記帳が登場することはありません。

なぜならば、簿記2級で出題される税効果会計は、減価償却や引当金、その他有価証券評価差額金に限るとされているからです。

以上から、圧縮記帳は税効果会計との複合問題は出題されません。

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