有価証券のポイント|日商簿記2級【改定論点の過去問分析と対策】

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日商簿記2級|有価証券の過去問分析と対策

日商簿記2級は平成28年度以降、大幅な改定が行われており、出題範囲が大幅に増えました。

今回は平成28年度改定論点の一つである「有価証券」について、過去問の分析や対策についてコメントします。

※ページ最後には、おすすめの過去問題集をご紹介しています。

有価証券|改定論点の概要とポイント

平成28年度の改定によって、日商簿記2級の出題範囲が大幅に拡大されましたが、その論点の一つが有価証券です。

まずは日商簿記2級のサイト情報を参考に、有価証券の改定について概要とポイントをまとめました。

改定の概要

改定の概要が分かるように、出題範囲を表にしましたのでご覧ください。

項目出題範囲の変更
債券の端数利息変更なし
売買目的有価証券H28改定(3級→2級)
満期保有目的債券(償却原価法(定額法))変更なし
子会社株式、関連会社株式H28改定(1級→2級)
その他有価証券H28改定(1級→2級)

このように売買目的有価証券、子会社株式、関連会社株式、その他有価証券が新たに日商簿記2級の出題範囲になりました。

有価証券改定論点のポイント

これまで日商簿記2級では、3級の範囲に加えて、債券の端数処理と満期保有目的債券が出題されていました。

満期保有目的債券とは、「保有目的」に応じた区分による有価証券の種類の一つです。

保有目的に応じた区分は、次の通りです。

  • ・売買目的有価証券
  • ・満期保有目的債券
  • ・子会社・関連会社株式
  • ・その他有価証券

これら保有目的に応じた有価証券の仕訳処理は「金融商品会計基準」と呼ばれる、主に上場企業を対象とした会計基準で使用されます。

日商簿記2級は、企業の財務担当者として、「財務諸表の数字から経営内容を把握できる」レベルが求められる試験。

また、現在、多くの会社がその他有価証券などを保有しています。

そこで、保有目的に応じた区分による有価証券の処理(期中取引および決算時)は、全て2級の範囲になりました。

有価証券の過去問分析と出題傾向による対策

次に、平成28年度改定後の有価証券の出題について過去問を分析し、出題傾向と対策をコメントしました。

過去問の出題傾向を分析した結果

日商簿記2級の過去問(H28改定。第143回以降)について出題内容を表にしましたのでご覧ください。

試験回数
第〇回
問題
第〇問
出題内容
1431債券の購入と端数利息の仕訳処理(売買目的有価証券)
1433売買目的有価証券とその他有価証券の決算日評価
1441株式の購入の仕訳処理(子会社株式)
1443売買目的有価証券と満期保有目的債券の決算日評価
1451債券の購入と端数利息の仕訳処理(満期保有目的債券)
1452株主資本等変動計算書の作成(その他有価証券の評価)
1463満期保有目的債券の決算日評価
1472株式取得の仕訳(子会社株式)
1473満期保有目的債券の決算日評価
1482購入、利息、売却、決算日評価の勘定記入(売買目的有価証券、満期保有目的債券、その他有価証券)
1491債券の購入の仕訳処理(満期保有目的債券)
1493満期保有目的債券とその他有価証券の決算日評価

ご覧の通り、平成28年改定後の有価証券は、毎回出題されています。

出題の内容は、主に購入と決算日評価の問題。

第1問の仕訳問題や第3問の精算表、財務諸表作成の決算整理事項の問題としての出題が多くなっています。

有価証券の種類は債券と株式。

この2種類の有価証券について、保有目的を問題文から読み取り、売買目的有価証券、満期保有目的債券、子会社株式・関連会社、その他有価証券のどれに該当するのか判断させ、仕訳処理させるような問題が多く出題されています。

出題傾向から分析した有価証券問題の対策

有価証券の出題傾向は分かりました。

そこで、出題傾向に今後の出題予想を加味した、有価証券問題の対策方法についてコメントしました。

ご参考になれば幸いです。

(1)テキストの範囲は全て完全にマスターする

過去問の分析結果の通り、有価証券は毎年出題されています。

出題される確率はほぼ100%。必ずテキストの範囲は全て押さえましょう。

具体的には、各保有目的毎に、購入(債券の端数利息処理含む)、売却、利息受け取り、決算日評価(および翌期首の洗い替え)の仕訳を覚えます。

特に、債券全般の仕訳処理や満期保有目的の償却原価法は処理ミスのないよう、問題演習を繰り返しましょう。

(2)問題文から保有区分を読み取り、使用する勘定科目を判断できるようにする

子会社株式と関連会社株式を分けると、5種類の勘定科目から、どの有価証券として処理するのか、判断力が問われる問題が出題されます。

「満期保有」や「売買目的」といった一目で分かる問題だけでなく、株式の保有割合を計算させて、子会社株式を選択させる問題も出題されています。

(3)今後、税効果会計との複合問題でその他有価証券が出題

平成30年度改定により、「税効果会計」が簿記2級の出題範囲になりました。

これで、その他有価証券の決算日評価に関する仕訳には、繰延税金資産(または繰延税金負債)勘定が使用されることに。

税効果会計が含まれる場合のその他有価証券の仕訳処理を押さえておきましょう。

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