ソフトウェアのポイント|日商簿記2級【改定論点の過去問分析と対策】

日商簿記

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ソフトウェアの過去問分析(自社利用目的)

平成28年度以降、日商簿記2級は大幅な改定が行われており、出題範囲が大幅に増えました。

今回は平成28年度の改定論点である「ソフトウェア」について、過去問の分析や対策についてコメントします。

概要や改定の理由|自社利用目的ソフトウェア

まずはソフトウェアについて、H28改定の概要をコメントします。

改定の概要

項目出題範囲の変更
自社利用目的ソフトウェアH28改定(1級→2級)

上記の通り、「自社利用目的のソフトウェア」という分野が、新たに日商簿記2級の出題範囲になりました。

論点自体は多くはありませんが、ソフトウェアという新規論点が増えることで、受験者は新たに学習する分野が1つ増えることになります。

下記の通り、平成28年度以降は商業簿記で出題範囲が一気に拡大しました。商工会議所の該当ページをご紹介します。ご参考まで。

ソフトウェアの簡単な説明と改定の理由

ソフトウェアは、皆さんもご存じの通り、PCやスマートフォンで使用する身近なものです。

代表的なソフトウェアには、PCやスマートフォンのOSであるWindowsやAndroid、その他ゲームアプリやWEBなどがありますが、簿記上では、目的別に分類して仕訳処理します。

簿記で扱うソフトウェアはまず、「受注制作」「市場販売目的」「自社利用目的」とった目的に分類します。

そして、会計基準に規定された通り、それぞれの目的別の方法で仕訳処理を行います。

「自社利用目的」とは読んで字のごとく、自社で利用するために制作や購入するソフトウェアのことです。

分かりやすい例で説明すると、社内でPCを利用し、その中にインストールして使用するソフトウェアは自社利用目的に該当します。

これに対して、ゲーム会社が新ゲームを開発して販売するような場合は上記のうち、「市場販売目的」に該当します。

これまで日商簿記2級では、ソフトウェアは出題されていませんでした。

自社利用目的ソフトウェアが簿記2級の出題範囲となった理由ですが、最近はITの普及が進んだ結果、多くの企業でソフトウェアが資産計上されるようになりました。

日商簿記2級は、企業の財務担当者として、「財務諸表の数字から経営内容を把握できる」レベルが求められる試験。

そこで、資産計上されることが多い自社利用目的のソフトウェアが、新たに簿記2級の範囲になりました。

過去問分析と今後の対策

次に、平成28年度改定後のソフトウェアの出題について過去問を分析し、今後の対策をコメントしました。

過去問の出題傾向の分析結果

日商簿記2級の過去問(第143回以降)について、出題内容を表にしましたのでご覧ください。

試験回数
第〇回
問題
第〇問
出題内容
1432固定資産台帳の記入(ソフトウェア取得、除却と減価償却の仕訳処理)
1441ソフトウェア外部委託の仕訳処理(ソフトウェア仮勘定の使用)
1471ソフトウェア外部委託の仕訳処理(ソフトウェア仮勘定の使用)

以上の通りソフトウェアは、7回(第143回から第149回まで)中、3回出題されたことが分かります。

また出題を詳細に分析した結果、減価償却の計算が大変だったり、ソフトウェア仮勘定や保守費用(長期前払費用)の処理を問う問題だったりと、3回とも難問の部類に入ることが分かりました。

以上の分析から、全体から見た配点は決して多くはありませんが、見慣れない問題であるだけに受験者に焦りやプレッシャーを与え、調子を狂わせて本来の実力を発揮させないといったように、ソフトウェア自体の配点以外の理由が合否に影響を与えた可能性もあるのではないか、と推測できます。

今後の出題予想を加味したソフトウェア問題の対策

ソフトウェアの出題傾向は上述の通りです。

そこで次に、ソフトウェア問題の対策方法について、今後の出題可能性も踏まえて下記コメントしました。

今後の日商簿記の学習にご参考頂ければ幸いです。

(1)焦らないことが一番大事

過去問の分析結果の通り、ソフトウェアは難問が出題されています。

これまでの3回で取得、除却、減価償却、開発の委託(ソフトウェア仮勘定の使用)といったように出題パターンはこれで網羅されたといえます。

今後も応用問題が出題される可能性がないわけではありませんが、難問が出題されたとしても「焦らないこと」を心がけ、時間配分や落ち着きを忘れずに進めましょう。

(2)有形固定資産と同じ要領で解く

使用する勘定科目は異なりますが、仕訳処理は有形固定資産と同様です(ソフトウェア仮勘定は建設仮勘定と同じ)。

勘定科目は問題文や解答用紙に載っていることがほとんどです。

(3)今後は第3問で易化した問題が出題

平成28年度から平成30年度まで、商業簿記2級は大幅に出題範囲が拡大しました。

他の改定論点も出題されることから、難問や出題量といった点については、ソフトウェアはこれまでよりも相対的に易しく、かつ量も低くなるはず。

従って、今後は精算表や財務諸表の作成問題といった、個別会計の決算整理事項にて、他の固定資産と共に基本的な問題の出題が予想されます。

例えば、固定資産は有形、無形含めて種類が豊富なだけに、様々な固定資産の取得や減価償却の易しめの出題が想定ケースの一つとして考えられます。

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