個人事業主の確定申告入門~材料の消費に関する仕訳

公開日:2019年2月17日

材料の消費に関する仕訳

今回は、材料の商品関する仕訳について解説します。

取引例

  • 1.衣服の企画、製造と販売を営むAは、棚から布1kg(100g当たり500円)を取り出して、製造に投入した。
  • 2.食堂を経営するBは、冷蔵庫から肉2kg(100g当たり300円)を出して、調理に取りかかった。
  • 3.電子機器の製造販売を行うCは、部品20個(@1,000円)を棚から取り出して、組み立て工程に投入した。
  • 4.衣服メーカーのA社が、ある月に仕入れたボタンは2万円、糸は3万円であった(どちらも購入時に経費計上し、棚卸は行わない)。
  • 5.電子機器メーカーのC社が、ある月に製造工程で使用開始したドライバーやスパナなど工具は合計5万円(購入時に資産計上。棚卸を行う)であった。

仕訳

  • 1.仕掛品 5,000 / 材料 5,000
  • 2.仕掛品 6,000 / 材料 6,000
  • 3.仕掛品 20,000 / 材料 20,000
  • 4.製造間接費 50,000 / 補助材料費 30,000
  •                / 買取部品費 20,000
  • 5.消耗工具器具備品費 / 消耗工具器具備品 50,000
  • 製造間接費 50,000 / 消耗工具器具備品費 50,000

1.材料の消費

原価計算では、製品の製造に必要な経営資源(モノ、ヒト、サービスなど)を投入する場合に「消費」という言葉を使用することがあります。

「材料の消費」とは、在庫として置いてある材料を製造工程に投入することをいいます。

2.材料の消費時の仕訳

材料を消費する場合には、「仕掛品勘定」と「製造間接費」勘定を使用するのが一般的です。

材料の消費を直接的に把握できる場合には「仕掛品勘定」を使用し、把握できない場合には「製造間接費」勘定を使用します。

原価計算基準では、「原材料」や「買入部品」を製造工程に投入した場合には仕掛品勘定を使用し、「工場消耗品」「補助材料」「消耗工具器具備品」は製造間接費勘定を使用するとしています。

しかし実務では、例えば金額が少額のため買入部品を棚卸管理していないため、消費した材料を把握できない場合があります。

また、税務と原価計算基準とでは、材料の分類は必ずしも一致していないことから、杓子定規に原価計算基準に完全に一致させるように仕訳する必要はないでしょう。

3.材料の棚卸と消費

材料の仕入れに関する仕訳」にて解説していますが、例えば、通常の年に比べて特に増えていない消耗品などは棚卸せず、全て購入時の経費にすることができます。

従って、材料の消費時の仕訳では、「材料の仕入れ時に資産計上しているか、経費計上しているか」「棚卸をするかどうか」によって、仕訳方法は異なってきます。

この点についても「4.仕訳の解説」にてコメントします。

4.仕訳の解説

1~3.どれも事業内容は異なりますが、それぞれの事業で「製造工程への投入=消費」に該当すると考えられます。

どの取引も扱う材料は「原材料」と考えられ、問題文からも数量が把握できています。従って、仕掛品勘定を借方に記入して仕訳しています。

なお、借方ですが、今回は、仕入れ時に材料勘定で資産計上した場合を想定して仕訳しています。

原材料にも多くの種類があり、仕訳帳や伝票上でその材料を仕入れて消費したのか把握したい場合には、補助勘定などでそれぞれの材料を設定して、仕訳時に補助勘定も入力します。

4.ボタンを買入部品費勘定、糸を補助材料費勘定で仕訳する場合を例として想定しました。

取引例に「どちらも購入時に経費計上済み」とあることから、仕入れ時にはそれぞれ、「買入部品費 ×××」「補助材料費 ×××」が借方に計上されたはずです(×××は購入した金額)。

このような仕入れの取引がこの月に複数回行れ、また、同様に消費もこの月に複数回行われましたが、消費についてはその都度、仕訳していないことを想定しました。

なぜならば、棚卸を行わず、全て経費にするため、「購入した材料を全て消費とみなす」ということだからです。月に仕入れた金額が分かれば、その全額を消費にすればよいので、消費の都度ではなく、月末に一度に消費の仕訳をすれば問題ない、ということです。

そこで、消費時の仕訳では、貸方に「買入部品費」「補助材料費」をその月に仕入れた金額で記入して、製造に投入したことを表します。

なお、消費数量は把握できないため、借方には製造間接費勘定を使用して記入しています。

5.4と考え方はほとんど同じです。ドライバーやスパナなどの工具であることから、「消耗工具器具備品」という名称を勘定科目に使用しました。

4.と異なるのは、仕入時に資産計上していること。仕入れ時には借方に「消耗工具器具備品勘定」で仕訳しています。

4.と同様、消費の都度では仕訳していませんが、月末で棚卸を行った結果、差し引き計算により、消費した金額は5万円になりました。棚卸した点は4.と異なっています。

5.では2段階の仕訳で記帳しています。

まず、消耗工具器具備品を資産から費用にする仕訳です。それが最初の仕訳です。

次に費用にした勘定科目を消費を表す勘定科目に振り替える仕訳です。それが2つ目の仕訳です。

一つの仕訳で「製造間接費 50,000 / 消耗工具器具備品 50,000」でも構いませんが、10万円未満の減価償却資産は経費にする、という税務上のルールを意識して、2段階で記帳した例を掲載しました。

5.関連記事

☆フォローお願いします
簿記2級・3級のスケジュール進捗管理に〇

<広告>PDCA会計の電子書籍

スマホ上でも読みやすいリフロー型電子書籍

有名書籍のように1ページに情報を詰め込んでいないので、読みやすくスマートフォンで空き時間にどこでも効率よく学習できます。

Amazon Kindleと楽天KoboとGoogle Play Booksから発売(販路拡大中)。

電子書籍の一覧ページ→PDCA会計の出版書籍

本サイトの解説をまとめた会計の入門書籍

本Webサイトのコンテンツよりも品質を高めた基本テキスト

本Webサイトとは解説も図表も異なる、分かりやすいオリジナルの工業簿記テキスト

過去問30回を分析した仕訳問題集

ページトップへ