個人事業主の確定申告入門~材料の仕入れに関する仕訳

公開日:2019年2月11日

材料の仕入れに関する仕訳

今回は材料の仕入れに関する仕訳について解説します。

取引例

  • 1.衣服の企画・製造と販売を営むAは、材料として布1000枚を10万円で購入し、配送費5,000円も含めて、支払いは掛けとした。
  • 2.食堂を経営するBは、材料として、肉10kgを3万円で購入し、家庭から現金で支払った。
  • 3.電子機器の製造販売を行うCは、材料として部品100個を20万円で購入し、買入手数料1万円を含め支払いは掛けとした。
  • 4.衣服の企画・製造と販売を営むAは、大量のボタン(3万円)や糸(6万円)、接着剤(1万円)など合計10万円を掛けで仕入れた。
  • 5.電子機器の製造販売を行うCは、ドライバーやスパナなど大量の工具を合計15万円で購入し、現金で支払った。

仕訳

  • 1.原材料 105,000 / 買掛金 105、000
  • 2.原材料 30、000 / 事業主借 30、000
  • 3.原材料 210,000 / 買掛金 210、000
  • 4.買入部品 30,000 / 買掛金 100、000
  • 補助材料 60,000 /
  • 工場消耗品費 10,000 /
  • 5.消耗工具器具備品費 150,000 / 現金 150,000

1.原材料

製品の製造に必要な材料のうち、主なものを原材料といいます。

製品の主な材料のため、製品に占める重要度が高いです。そこで、仕入れ時に全てを経費にはせず、まずは資産として仕訳します。

そして月末や年末前後に棚卸を行って残高を把握し、差額計算で製造で消費した原材料を計算します。

2.買入部品

製品の製造に必要な材料のうち、買い入れた部品を買入部品といいます。

3.補助材料

製品の製造に必要な材料のうち、補助的な役割を果たすものを補助材料といいます。

4.工場消耗品

製品の製造に必要な消耗品を工場消耗品といいます。

5.消耗工具器具備品

製品を製造するために使用する工具器具備品を消耗工具器具備品といいます。

なお、固定資産のうち、1単位10万円未満のものは消耗品費として購入時に全額経費にできます。

従って、消耗工具器具備品は全額経費に計上します。

6.材料の仕入れ時の仕訳

以上は、材料の分類の説明になります。

材料は、仕入れ時に「材料勘定」を使って仕訳を記入します。

ただし、消耗工具器具備品のうち、10万円未満、または使用期間が1年未満に該当するものは、全額経費にできるため、仕入れ時に経費計上します。

また、工場消耗品は事務用品などの他の消耗品と同じく、仕入れ時に全額経費に計上する方法と仕入れ時に資産計上する方法があります。

このように材料の種類ごとに仕訳方法も異なることから、全てを材料勘定で仕訳ではなく、材料の分類別に勘定科目を設定して仕訳すると、決算書類の作成時に役立ちます。

7.材料副費

原価計算上、材料を仕入れる際にかかる、材料自体以外の金額を「材料副費(ざいりょうふくひ)」といいます。

材料副費は、通常は材料の取得原価として、材料自体の金額と一緒に材料勘定で仕訳します。

8.材料の分類と棚卸との関係

材料は原則としては全て棚卸を行います。

しかし、細かい部品も多く、棚卸に多大な時間と労力を要する場合もあります。

金額が少額であれば、管理コストは下げたいと思うのが当然です。

そこで、個人事業主の確定申告では、工場消耗品、それと工具器具備品のうち10万円未満または使用期間が1年未満のものについては、通常の年に比べて増えていない場合には、棚卸をせず、経費に計上できる、ということが「青色申告の決算の手引き(国税庁のWebページ)」に記載されています。

9.仕訳の解説

材料の分類別に勘定科目を設定しています。

なお、全て材料勘定で記入し、補助科目で分けるといった方法など他の勘定科目でも構いません。

1.と3.では材料副費が発生していますので、材料の勘定科目に含めて金額を記入しています。

4.工場消耗品は、仕入れ時に経費計上する方法で記入しています。

なお、買入部品と補助材料、工場消耗品の区別は境目が難しいと思います。

税務の視点では、消耗品であれば棚卸を省略して未使用であっても経費にできます。

これに対してこれらの材料の分類は、原価計算基準による分類であるため、税務との区分と一致しません。

例えば、「青色申告の決算の手引き」にも、原材料という記述は見つかりますが、買入部品や補助材料といった記述はありません。

そこで、材料の分類ごとに勘定科目を設定する場合には、事業の種類に応じて、具体的に「どの材料はどの勘定科目を使用するのか」「その勘定科目は棚卸省略可能かどうか」といったことを予め設定しておくと、決算時に迷わないでしょう。

判断が難しければ、税務署に相談しましょう。

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