個人事業主の確定申告入門~原価計算と製品の完成に関する仕訳

公開日:2019年2月24日

原価計算と製品の完成に関する仕訳

今回は、原価計算と製品の完成に関する仕訳について解説します。

取引例

  • 1.総合原価計算を採用しているAは、今月の製造原価を集計したところ次の通りであった。
  •  (1)月初仕掛品40万円(100個 進捗度30% うち直接費10万円)
  •  (2)当月投入1,550万円(うち直接費150万円)
  •  (3)当月完成品1500個
  •  (4)月末仕掛品50個(進捗度80%)
  • 2.個別原価計算を採用しているBは、今月の製造原価を集計したところ次の通りであった。
  •  (1)No100-1 完成。原価合計15万円(うち直接費10万円)
  •  (2)No100-2 製造中。原価合計5万円(うち直接費2万円)
  •  (3)No100-3 完成。原価合計20万円(うち直接費12万円)

仕訳

  • 1.製品 15,477,415 / 仕掛品 1,548,276
  •          / 製造間接費 13,929,139
  • 2.製品 150,000 / 仕掛品 100,000
  •        / 製造間接費 50,000
  • 製品 200,000 / 仕掛品 120,000
  •       / 製造間接費 80,000

※1.総合原価計算の計算は次の通り

1.原価計算

1単位当たりの製品を作るのにかかった費用を計算する手法を「原価計算(げんかけいさん)」といいます。

製品を作るのにかかった費用を「原価(げんか)」といいます。

原価計算は、「原価計算基準」に原則として基づき、実務ではこれを応用して適用します。

2.総合原価計算と個別原価計算

原価計算の方法には、製造方法によって、大きく2つに分類できます。

同一同種の製品を大量に製造する場合には、総合原価計算の手法を用いて製品の原価を計算します。

一つ一つの製品がお客からの受注に基づいて異なるような製品を製造する場合には、個別原価計算の手法を用いて計算します。

3.総合原価計算による方法

上述「仕訳」の下に掲載した、Tフォームを用いて計算する方法が一般的です。

その月に完成した製品の原価を計算するために、最初に事前に把握できる数値データを集めます。

また、総合原価計算にもいくつかの方法があり、一度決めたらば継続してその方法を採用します。従って、原価計算を採用する始めの時にこれらの方法について検討が必要です。

この決めた総合原価計算の方法によって、上述のTフォームのようにして完成品の原価を計算していきます。

4.個別原価計算による方法

お客からの受注単位(注文単位)で製造するのが一般的です。

従って、原価も注文単位で集計していきます。

より具体的には、その月に完成した製品について、原価を集計します。

総合原価計算と同様に、いくつかの方法があるため、事前にその方法を決めておく必要があります。

5.製品の完成と仕訳

製品を製造する際には、材料、労務費(賃金)、経費といった各項目に直接費と製造間接費とに分類し、直接費は仕掛品勘定、間接費は製造間接費勘定で仕訳します。

そこで、製品が完成した際には、これらの勘定科目のうち、完成した金額について、製品勘定に振り替える仕訳をきります。

この完成した金額を計算するための手法が、上述の総合原価計算と個別原価計算になります。

6.仕訳の解説

1.Tフォームによって、完成品の原価を計算します。

総合原価計算に必要な数値データは、月初仕掛品、当月投入、月末仕掛品といった分類毎の個数、加工進捗度、直接費と間接費の金額です。

また、問題には記載がありませんが、月初仕掛品と当月投入の金額をどのようにして完成品と月末仕掛品に振り分けるか、という計算方法の選択や、どの進捗度で、どの材料、作業員、経費を投入しているのか、を明らかにしておく必要があります。

これらが上述でいう「いくつかの方法」であり、一度決めたらば継続して使用して計算しないといけません。

今回の問題では、完成品と月末仕掛品への金額の振り分けは、先入れ先出し法を採用して計算した例を掲載しています。

また、直接費は製造の最初(始点)で投入し、間接費は加工の進捗に応じて投入していると仮定しています。

しかし、実務ではこのような簡単なことではなく、様々な製品毎に、十分な検討を行った上で合理的に説明できる方法を選択します。

2.取引例のNo100-1,100-2,100-3がそれぞれ注文Noを表しています。

100-1と100-3が完成とあるため、これらの原価について、仕訳を記入しています。100-2は製造中のため、製品完成の仕訳はきりません。

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