個人事業主の確定申告入門~社会保険料の納付に関する仕訳

公開日:2019年2月11日

社会保険料の納付に関する仕訳

今回は、社会保険料の納付に関する仕訳を解説します。

取引例

  • 1.8/25 従業員に給料を事業用普通預金口座より支払った。内訳毎の合計は、基本給250万円、時間外25万円、社会保険料40万円、源泉徴収5万円であった。
  • 2.8/31 月末になり、社会保険料82万円を事業用普通預金口座から引き出して納付した。
  • 3.個人事業主は、自らの社会保険料と源泉所得税を納付した。

仕訳

  • 1.8/25
  • 給与 2,750,000 / 普通預金 2,300,000
  •         / 預り金 社会保険料 450,000
  • 2.8/31
  • 法定福利費 420,000 / 普通預金 820,000
  • 預り金 400,000 /
  • 3.仕訳なし

1.社会保険料

社会保険料とは、健康保険料、厚生年金、雇用保険といったものの総称です。

従業員になると通常は、毎月の給与から社会保険料を差し引かれて受け取ります。

会社や個人事業主は、従業員から預かった社会保険料(雇用保険を除く)を月末までに年金事務所へ納付します。

2.法定福利費

勘定科目の中に法定福利費というものがあります(福利厚生費と間違えやすい)。

従業員には社会保険料のメリットがあり、会社や個人事業主が従業員の本来支払うべき社会保険料の半分位を代わりに負担して支払ってくれます。

この「従業員の社会保険料のうち、会社や個人事業主が負担するお金」のことを法定福利費といいます。

3.社会保険料に関する仕訳

上記の通り、従業員の社会保険料には、従業員が負担する部分と個人事業主が負担する部分があります。

従業員が負担する部分は、毎月の給与から差し引いて、個人事業主が預かります。

従って、給与の仕訳を入力する時に、貸方に預り金勘定などで入力します。

一方で、個人事業主が負担する部分は、年金事務所へ社会保険料を納付する際に法定福利費勘定で借方に入力します。

この納付の時に、給与の仕訳で入力した預り金勘定(貸方)を借方に入力します。

4.補助科目の設定による管理

上述の通り、社会保険料は種類が多く、経理だけでなく管理上の観点から、内訳毎に取引や残高を把握することが望ましいです。

なぜならば、社会保険料の各項目は、それぞれ目的が異なり、従業員一人一人にとっても大切なものだからです。

また、雇用保険など、他の項目と納付のタイミングが異なるものもあります。

以上から、源泉所得税と同様に、補助科目を項目ごとに設定し、仕訳入力時に同時に補助科目も入力することが望ましいといえます。

5.個人事業主の社会保険料

個人事業主自身の社会保険料は、事業とは関係がなく、家庭だけの取引になります。

個人事業主が青色申告で作成する会計帳簿には、事業の取引を記録することから、個人事業主の社会保険料については仕訳しません。

6.仕訳の解説

1.借方に労働の対価として給与の総額(基本給+残業代)を計上し、貸方に預かった社会保険料を預り金勘定で計上しています。

なお、ここでは給与支払い時に給与を計上する方法を採用していますが、毎月末の発生時に給与を計上し、未払いの給与は未払費用計上する方法でも構いません。月次決算を導入するのであれば、この仕訳方法が望ましいです。

2.社会保険料の納付時には、1.で計上した預り金勘定を借方に計上します。また、個人事業主が負担する社会保険料は法定福利費勘定として計上します。

なお、月次決算の観点からは、毎月、発生ベースで法定福利費も計上して、未払費用計上することが望ましいといえます。

3.個人事業主自身の社会保険料は事業とは関係がないため、仕訳しません。

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