会計入門その3~貸借対照表の見方

更新日:2018年12月27日
作成日:2012年4月8日

貸借対照表の見方

前回、「会計入門その2~なぜ決算書を作成するのか?」で、決算書には3種類あり、その内容も異なることを説明しました。

しかし、どの決算書でも作成(または添付)が要求される書類(または電子データ)も存在します。その中でも最も重要なのが「貸借対照表」と「損益計算書」です。この2つの見方が分かると会社のビジネスの状況を大枠で読み取ることができます。

そこで、まずは「貸借対照表」の見方について解説します。

※損益計算書の見方は、「会計入門その21~ 損益計算書とは」で解説しています。

<学習ポイント>
1.貸借対照表とは?
2.表の見方
 ・いつ?
 ・金額の単位について
 ・左側と右側の記載の違い


貸借対照表とは

貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう 英語ではBalance sheet バランスシート 略してB/Sと呼ぶ)とは、ある時点の会社の財政状態を資産の部、負債の部、純資産の部に分けて記したものです。

もっと分かりやすく説明すると、

ある時点の会社に、お金がどれだけあり、また、将来、現金として入金されそうなモノやサービスがどれだけあるのか。また将来、支払いとして出金がありそうなモノやサービスがどれだけあるのか。お金をどれだけ出資者(株主)から預かっており、そのお金でビジネス活動を通じて累計でどれだけ儲かったか(または損をしたか)が分かる資料

と説明することができます。

貸借対照表を見てみよう

実際に見てもらった方が話が早いので下に貸借対照表を載せてみました。製造業の会社を想定して作ったものであり、実在する会社のものではなく架空の会社になります。

貸借対照表

貸借対照表の見方

今回は基本的な全体的なことについて説明します。

※資産、負債、純資産の説明は、「会計入門その4~ 資産と負債、純資産の関係」で解説し、各科目については、それ以降で解説しています。

1)いつ時点の資料か?

「貸借対照表」と記載されているすぐ下に(平成29年12月31日時点)という記載があります。すなわち「平成29年12月31日時点の会社の財政状態」を表にまとめたということとなります(「財政状態」の分かりやすい説明は上述を参照)。

2)金額の単位は?

表の右上に金額の単位を記載します。今回は(単位:千円)とあるように千円を単位としました。大きな会社になると百万円を単位として記載します。1円単位で記載している会社はほとんどありません。

ちなみに端数は切り捨てが通常です。千円を単位としていれば1,000円未満を切り捨てです。従って、例えば10,500円であれば、「10」と記載します。

3)右側と左側の合計金額は必ず一致する。

表の一番下に記載してありますが、右側も左側も合計金額が今回の表では「131,254」となっています(○○合計という部分。131,254千円すなわち、1億3千1百25万4千円)。必ず右側と左側の合計金額は一致します。


4)左側に「資産の部」、右側に「負債の部」と「純資産の部」

カッコ書きで(資産の部)(負債の部)(純資産の部)という記載があります。ここで、「部」とは「グループ」という意味です。

左側には「資産の部」すなわち資産のグループを記載し、右側には「負債の部=負債のグループ」と「純資産の部=純資産のグループ」を記載します。
従って、今回のケースでは、(資産の部)の下に記載してある「流動資産」から「貸倒引当金」までの全てが資産のグループに属していることを意味しています。また、(負債の部)の下に記載の「流動負債」から「退職給付引当金」までが負債のグループ、(純資産の部)の下に記載の「株主資本」から「繰越利益剰余金」までが純資産のグループであることを意味します。

5)さらに細かく分類される。

4)からさらにグループ分けされます。

例えば、「資産の部」は「流動資産」「固定資産」「繰延資産」に分けられ、「固定資産」はさらに「有形固定資産」「無形固定資産」「投資その他の資産」に分けられます。

「負債の部」「純資産の部」も含めて分類を表にしましたのでご参考下さい。

※3種類の決算書のうち、上場企業が作成する「財務諸表(金融商品取引法)」の会計ルール(財務諸表等規則)に基づいております(2017年6月7日現在)。

貸借対照表の区分

上記で紹介した貸借対照表のケースでは、例えば流動資産には「現金及び預金」から「貸倒引当金」までの11科目が含まれます。

※また、上記表のうち、「繰延資産」「評価・換算差額等」「新株予約権」は今回の会社のケースでは存在していないため、貸借対照表に記載がありません。これらは少し細かい話や上級の話となりますので、入門である当サイトでは説明の対象外とします。

次回以降で資産・負債・純資産や各科目について解説します。


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記事一覧


  • 1.概要
    その 1~はじめに(必ずお読み下さい)
    その2~ なぜ決算書を作成するのか?

  • 2.貸借対照表
    その3~ 貸借対照表の見方
    その4~ 資産と負債、純資産の関係

  • 3.資産の部
    その5~ 資産の区分、受取手形と売掛金、有価証券
    その6~ 棚卸資産
    その7~ 未収入金と経過勘定
    その8~ 固定資産の区分
    その9~ 減価償却と資産計上
    その10~ 固定資産と時価主義
    その11~ 固定資産と減損会計
    その12~ 貸倒引当金

  • 4.負債の部
    その13~ 負債の区分 支払手形と買掛金、短期借入金
    その14~ 未払金と経過勘定
    その15~ 未払法人税等と預り金
    その16~ リース債務と退職給付引当金

  • 5.純資産の部
    その17~ 純資産とは
    その18~ 資本金と資本準備金
    その19~ 資本取引・損益取引区分の原則
    その20~ 貸借対照表の分析

  • 6.損益計算書
    その21~ 損益計算書とは
    その22~ 売上高と実現主義
    その23~ 売上原価と費用収益対応の原則
    その24~ 売上総利益と粗利率・原価率
    その25~ 販売費及び一般管理費
    その26~ 営業利益・営業利益率
    その27~ 営業外収益・費用と経常利益
    その28~ 特別損益と当期純利益その他

  • 7.財務分析
    その29~ 財務指標
    その30~ B/SとP/Lの財務分析


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