会計入門 固定資産の区分

更新日:2019年7月13日
作成日:2012年4月20日

前回、「会計入門その7~ 未収入金と経過勘定(前払費用)」では、未収入金及び経過勘定(特に前払費用)について解説しましたため、流動資産の説明が終了しました。

そこで、今回から固定資産について解説していきます。

覚えることが多いので、冒頭である今回は、主に固定資産の分類について説明していきます。

流動資産or固定資産の判断基準

資産は、流動資産と固定資産に区分することができます。

この区分を判定する基準として、①正常営業循環基準と②一年基準があります。

両者の説明は次の通りです。

  • ①正常営業循環基準:会社の主目的たる営業取引によって発生する科目かどうか。
  • ②一年基準:貸借対照表日(3月決算ならば3月31日)の翌日(4月1日)から数えて1年以内に現金として入金(回収)されるかどうか。

①②ともに「いいえ」の場合には、固定資産として区分します。

固定資産の3つの区分について

固定資産は、さらに次の3種類の区分に分かれます。

  • 有形固定資産(ゆうけいこていしさん)
  • 無形固定資産(むけいこていしさん)
  • 投資その他の資産(とうしそのたのしさん)

それぞれについて説明します。

有形固定資産

有形固定資産として区分される表示科目の例は次の通りです。

  • ・建物(たてもの)
  • ・構築物(こうちくぶつ)
  • ・機械装置(きかいそうち)
  • ・車両運搬具(しゃりょううんぱんぐ)
  • ・工具器具備品(こうぐきぐびひん)
  • ・土地(とち)
  • ・リース資産(りーすしさん)

有形固定資産とは、その名の通り「有形=形が有る=目に見える」固定資産をいいます。

分かりやすいので、イメージできる科目も多いと思います。

構築物とは、「土地の上に定着する工作物・建造物・土木設備」のことで建物以外のものをいいます。具体的には、「橋、ドック、さん橋、鉄塔、アスファルト舗装道路及び路面、庭園、花壇」などが該当します。

工具器具備品は、具体的には「メーターなどの測定検査器具、切削工具、金型、スパナ」などが工具器具で、「事務机、椅子、キャビネット、PC、テレビ、絵画や骨董品」などが備品になります。これらを総称して工具器具備品といいます。

リース資産とは、リース会社などからリース契約を締結して賃借した場合に使用する科目です。

例えば自社で購入していれば、コピー機は工具器具備品、自動車は車両運搬具の科目で計上しますが、リース会社から賃借した場合には、コピー機も自動車もリース資産という科目でまとめて計上します。

ファイナンスリースについて

ここで説明しているリース資産は、「ファイナンス・リース」と呼ばれる契約でリースしている場合の取り扱いになります。

ファイナンス・リースとは、形式はリース取引ですが、実質的には購入に近い契約のリース取引をいいます。

実態に合わせて会計処理も購入した場合と同様の処理を行います。従って、固定資産(リース資産)として貸借対照表に表示します。

固定資産の種類に関係なく「リース資産」として貸借対照表に表示するのは、リースしていることが分かるように他の固定資産と区別するためです(ただし、リース資産も他の有形固定資産と同様の内容が分かるように、その種類や減価償却の方法を注記します)。

【補足】オペレーティング・リース

ファイナンス・リース取引とは別に「オペレーティング・リース」というリース取引もあります。

どちらのリース取引に該当するのかは、契約内容から判断します(リース取引の会計基準に詳細な判断基準が記載されています)。

判断の結果、オペレーティング・リース取引である場合には、実質的な購入ではなく通常の賃借契約と判断されるため、固定資産には計上せずに賃借料やリース料といった科目で費用処理します。

無形固定資産

有形固定資産に対して、無形固定資産は「無形=形が無い=目に見えない」固定資産をいいます。

上の貸借対照表ではソフトウェアが掲載されていますが、その他、特許権(とっきょけん)、実用新案権(じつようしんあんけん)、商標権(しょうひょうけん)などの法律上の権利や、電話加入権(でんわかにゅうけん)、借地権(しゃくちけん)などの契約上の権利、「のれん」などがあります。

ソフトウェアは、具体的にはパソコンソフトやゲームソフト、映画ソフトがあります。

これらはCD-ROMやDVDといったものに入っていますが、CDやDVD自体はハードウェアであり工具器具備品に該当します(とはいえ、CDやDVDは安価であるため、固定資産ではなく一括して費用計上する場合ももちろん多いのですが)。

すなわち、ソフトウェアは中に入っているプログラムのことです。

投資その他の資産

その名の通り、投資に関する科目などが投資その他の資産に区分されます。

投資その他の資産に属する表示科目は次の通りです。

  • ・投資有価証券(とうしゆうかしょうけん)
  • ・関係会社株式(かんけいがいしゃかぶしき)
  • ・長期貸付金(ちょうきかしつけきん)

関係会社株式とは、子会社の株式に代表されるグループ会社の株式をいいます。

一方で投資有価証券は、様々な目的で購入した有価証券を含みます。

例えば、「事業提携目的で購入した株式や貸借対照表日の翌日から数えて満期まで1年を超える国債・社債」などが該当します(1年以内に満期が到来する国債・社債は、有価証券として流動資産に区分します)。

長期貸付金とは、貸付金のうち貸借対照表の作成日の翌日から数えて1年を超えて返済されるものをいいます(1年以内に返済されるものは短期貸付金として流動資産に区分します)。

その他、投資その他の資産に区分される科目としては、長期前払費用(ちょうきまえばらいひよう)や敷金(しききん)、差入保証金(さしいれほしょうきん)、ゴルフ会員権(ごるふかいいんけん)、保険積立金(ほけんつみたてきん)などがあります。

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