会計入門その13~負債の区分 支払手形と買掛金、短期借入金

更新日:2018年12月27日
作成日:2012年4月27日

負債の区分 支払手形と買掛金、短期借入金

前回、「会計入門その12~貸倒引当金」までで資産科目は一通り解説することができました。

そこで今回から、負債について説明していきます。

最初に負債の定義と区分を解説します。

流動資産の解説に進み、代表的な表示科目について解説していきます。

<学習ポイント>
1.負債とは?
2.区分
 ・正常営業循環基準
 ・一年基準
3.流動負債の科目
 ・支払手形、買掛金
 ・短期借入金


貸借対照表
負債の定義と区分

会計入門その4~ 資産と負債、純資産の関係」では、負債を次の通り説明しました。

負債:将来、支払いとして出金がありそうなお金や提供するサービス(義務)がどれだけあるのか。

資産とは反対の定義になります。

次に区分について、「会計入門その5~資産の区分、受取手形と売掛金、有価証券資産」では、資産を流動資産と固定資産に区分すると解説しました。

負債についても、同様に流動負債と固定負債とに区分します。

区分するための基準ですが、流動資産と固定資産との区分は、正常営業循環基準と一年基準で流動資産か固定資産かの判定を行いました。

負債でも同様に、正常営業循環基準と一年基準で流動負債か固定負債かを判定します。

正常営業循環基準:会社の主目的たる営業取引によって発生する科目かどうか。
一年基準:貸借対照表日の翌日から数えて1年以内に支払の返済期限が到来するかどうか。

正常営業循環基準の説明にある、「営業取引」とは、会社の主たる事業、例えば、ズボンを製造して販売する会社であれば、ズボンの製造や販売に関連する取引をいいます。

次に一年基準ですが、例えば、2017年12月31日時点の貸借対照表であれば、貸借対照表日(2017年12月31日)の翌日(2018年1月1日)から数えて1年以内、すなわち、2018年12月31日までに返済期限が到来する場合には流動負債、2019年1月1日以降であれば固定負債に計上することになります。

流動負債なのか、それとも固定負債なのか、という区分を判断する場合には、まずは正常営業循環基準で判断します。この結果、Yesであれば、その取引(科目)は流動負債に該当します。

次に1年基準で判断し、Yesであれば、同様に流動負債となります。

従って、どちらの基準にも該当しない場合に固定負債に区分される、ということです。


流動負債の科目

代表的な流動負債の科目として、支払手形と買掛金、および短期借入金について解説します。

【支払手形と買掛金】

支払手形(しはらいてがた)は受取手形の、買掛金(かいかけきん)は売掛金の負債科目バージョンです(受取手形と売掛金につきましては、「会計入門その5~資産の区分、受取手形と売掛金、有価証券資産」をご参照ください)。

すなわち、受取手形と売掛金は会社の営業取引としてモノやサービスを販売した時に計上する科目でしたが、支払手形と買掛金は会社の営業取引でモノやサービスを購入または提供してもらった場合に計上する科目です。

支払手形と買掛金は、正常営業循環基準で判定した結果、流動負債となります。

上述の通り、例えば、ズボンを製造して販売している会社であれば、ズボンを作る材料となる生地や糸を購入する場合に、現金で購入するのではなく、手形を発行したり、購入先との契約で数ヵ月後に支払うという約束を取り交わした場合に、支払手形や買掛金を計上します。従って、営業取引によって発生する科目であるため、正常営業循環基準から流動負債と判定されることになります。

【短期借入金】

短期借入金とは、借入れ、すなわち銀行などの金融機関やその他資金を調達した場合に使用する科目です。

流動負債に計上していること、短期借入金と「短期」という名前が付いていますが、借入れのうち、返済期限が1年以内に到来する場合に短期借入金を使用します。一方で1年を超えて返済期限が到来する場合には「長期借入金」という科目を使用します。

例えば、金融機関から1千万円を借入れた場合、返済期間が毎年2百万円を返済し、5年で全て返済するような契約を締結したとします。この場合、借入れを行った時に貸借対照表を作成したならば、1年以内に返済が到来する2百万円を短期借入金に計上します。一方で残りの8百万円は1年を超えて返済期限が到来するため、固定負債に「長期借入金」を使用して計上します。

従って、貸借対照表には「短期借入金 2,000千円」「長期借入金 8,000千円」と計上することになります。

借入金は財務活動で使用する科目であるため、営業取引ではありません。従って正常営業循環基準で判定すれば、流動負債には該当しません。

次に一年基準で判定しますと、上述の一年基準の説明の通り、返済期限が1年以内かどうかで流動負債と固定負債を区分することになります。従って、このような科目の分け方になります。

ちなみに今回のケースのように、一つの契約で流動負債と固定負債とに金額を分けて計上するような場合、会社によっては流動負債の科目として、短期借入金の代わりに「1年以内に返済予定の長期借入金」といった科目を使用している会社もあります。


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記事一覧


  • 1.概要
    その 1~はじめに(必ずお読み下さい)
    その2~ なぜ決算書を作成するのか?

  • 2.貸借対照表
    その3~ 貸借対照表の見方
    その4~ 資産と負債、純資産の関係

  • 3.資産の部
    その5~ 資産の区分、受取手形と売掛金、有価証券
    その6~ 棚卸資産
    その7~ 未収入金と経過勘定
    その8~ 固定資産の区分
    その9~ 減価償却と資産計上
    その10~ 固定資産と時価主義
    その11~ 固定資産と減損会計
    その12~ 貸倒引当金

  • 4.負債の部
    その13~ 負債の区分 支払手形と買掛金、短期借入金
    その14~ 未払金と経過勘定
    その15~ 未払法人税等と預り金
    その16~ リース債務と退職給付引当金

  • 5.純資産の部
    その17~ 純資産とは
    その18~ 資本金と資本準備金
    その19~ 資本取引・損益取引区分の原則
    その20~ 貸借対照表の分析

  • 6.損益計算書
    その21~ 損益計算書とは
    その22~ 売上高と実現主義
    その23~ 売上原価と費用収益対応の原則
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    その25~ 販売費及び一般管理費
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