会計入門その26~営業利益・営業利益率

更新日:2018年12月27日
作成日:2012年5月28日

営業利益・営業利益率

前回、「会計入門その25~販売費及び一般管理費」では、販売費及び一般管理費について説明しました。

今回は、営業利益及び営業利益率について説明します。

営業利益から分かることについて説明した後に、具体例を挙げて理解を深めます。

次に営業利益率について、使用上の注意点にも言及して解説しています。


損益計算書
営業利益

営業利益(えいぎょうりえき)は、販売費及び一般管理費の次に表示される利益の区分です。営業利益の計算式は次の通りです。

営業利益=売上総利益-販売費及び一般管理費

プラスの場合には営業利益といいますが、マイナスの場合には営業損失(えいぎょうそんしつ)といいます。

【営業利益から分かること】

会計入門その24~売上総利益と粗利率・原価率」にて、売上総利益は、「会社がビジネスとして販売しているモノ・サービス自体にどれだけ競争力があるのか」を表していると記載しました。

一方で、営業利益は、売上総利益から販売費及び一般管理費を差し引いて計算します。

それでは、「モノ・サービス自体の競争力」を表す売上総利益から、「販売関連や管理関連の費用」である販売費及び一般管理費を差し引いた営業利益には、どのような意味があるのでしょうか?

答えは「会社全体としてのビジネス活動の成果」です。すなわちモノ・サービス自体の競争力だけではなく、営業活動や広告・マーケティング活動、事務管理の活動を含めた、経営者をトップとした組織全体としての、ビジネスを展開した結果として現れる数値、ということになります。

営業利益が高ければ、それだけ会社のビジネス活動の評価が高いということになります。


企業間比較

いつもの通り、ズボンの製造販売を行っている会社を例にして考えてみます。ズボンの製造販売を行っている会社が4社(甲社、乙社、丙社、丁社)あります。営業利益までの損益計算書は次の通りです。

営業損益・営業利益率 比較

粗利率は4社ともに33.3%で同じです。従ってモノ・サービス自体(ここではズボン)の競争力は同じと考えてもいいと思います(金額でみると丙社、乙社の売上総利益が甲社、乙社よりも高くなっていますが、ここでは会社規模が大きいためとします)。

一方で、営業利益は4社とも異なります(甲 > 乙 > 丙 > 丁)。丁社はマイナス10と、営業損失になってしまいました。

理由は、販売費及び一般管理費の金額が違うということです。同じ売上高、売上総利益を稼ぐにしても、営業・マーケティング、事務管理等を含めた、モノ・サービスを販売するためにかかった販売・管理関連コストが各社異なり、結果として営業利益の差になって現れた、ということになります。

甲社は経営効率が高い会社、丁社は経営効率が低い会社、と言うことができます。この結果だけを見た限りでは、丁社はこれだけ販売費及び一般管理費をかけているのであれば、もっと売上高、売上総利益を稼がなければならない、という分析ができます。


営業利益率

粗利率の下に営業利益率(えいぎょうりえきりつ)も記載してみました。

営業利益率は次の式で求めることができます。

営業利益率(%)=営業利益(損失)÷売上高

規模の全く異なる会社を比較する場合で、経営効率に焦点を当てて比較したい場合には営業利益率を用いると、金額の多寡による影響を排除することができるので便利です。

【使用上の注意点】

粗利率(「会計入門その24~売上総利益と粗利率・原価率」参照)と同様、業種・業態によって営業利益率は差が生じます(業種・業態の特性による)。

従って業種・業態の異なる会社を比較しても有用な分析とはならない場合があるため、分析する目的に応じて考える必要があります。


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