会計入門その27~営業外収益・費用と経常利益

更新日:2018年12月27日
作成日:2012年5月28日


営業外収益・費用と経常利益

前回、「その26~営業利益・営業利益率」では、営業利益及び営業利益率について説明しました。

今回は、営業外収益・費用と経常利益について説明します。

営業外収益・費用について、目的や内訳となる表示科目を解説しています。

そして経常利益について具体例を挙げながら解説し、経常利益率やROIについても言及しました。

<学習ポイント>
1.営業外収益
2.営業外費用
3.経常利益
 ・計算式
 ・分かること
4.経常利益率
5.ROI


損益計算書
営業外収益とは

営業外利益(えいぎょうがいしゅうえき)とは、営業利益の次に表示される収益の区分です。

営業利益の次に表示されるということは営業利益には含まれていない、ということになります。「営業外収益」という言葉からも、営業の外(営業ではない)ということが分かります。

ここで、営業利益とは、「会社全体としてのビジネス活動の成果」を表しています(前回、「その26~営業利益・営業利益率」を参照)。

従って、営業利益に含まれない営業外収益とは、会社のビジネス活動とは別の活動から得られた収益、すなわち会社の事業として行っているモノ・サービスを製造・販売していく活動とは別の活動から得られた収益ということになります。

【営業外収益の科目】

営業外収益の科目としては、上の損益計算書に記載されている受取利息及び配当金(受取利息と受取配当金の意味)があります。

その他、有価証券利息、為替差益、雑収入といった科目もよく使用されます。

このように、営業外収益の区分には、モノやサービスを製造し販売する活動(=ビジネス活動)とは別の科目が表示されます。

【営業外収益科目の仕訳処理について】

各科目の仕訳処理は「商業簿記入門~2級、3級の資格学習を支援」をご参照ください。

・受取利息・利息計算:その25~貸付金・借入金の手続と仕訳処理
・有価証券利息、受取配当金:その16~有価証券と仕訳処理(取得、売却、利息、配当金)
・配当金領収証、公社債利札:その9~現金(為替証書、配当金領収証、公社債利札の仕訳処理)


営業外費用とは

営業外費用(えいぎょうがいひよう)とは、営業利益の次に表示される費用の区分です(営業外収益があれば、営業外収益の次になります)。

上述の営業外収益と同様に、営業外費用も、営業利益の区分には含まれない科目、すなわち会社のビジネス活動とは別の活動に要した費用ということになります。

【営業外費用の科目】

営業外費用の科目として代表的なのが、上の損益計算書でも記載されている支払利息です。

金融機関等から借り入れを行った場合に支払う利息はこの支払利息に計上されます。

その他、為替差損や雑損失などの科目があります。

【営業外収益科目の仕訳処理について】

各科目の仕訳処理は「商業簿記入門~2級、3級の資格学習を支援」をご参照ください。

・支払利息・利息計算:その25~貸付金・借入金の手続と仕訳処理

経常利益

経常利益(けいじょうりえき)とは、営業外収益・営業外費用の次に表示される利益の区分です。

経常利益は次の式で求めることができます。

経常利益=営業利益+営業外収益-営業外費用

プラスの場合には経常利益ですが、マイナスの場合には経常損失(けいじょうそんしつ)といいます。

【経常利益から分かること】

経常利益の「経常」とは、簡単にいえば「通常」という意味です。従って経常利益とは「会社の通常の活動から得られた儲け(マイナスの場合は損失)」を表します。

より具体的にいえば、営業利益は「会社全体としてのビジネス活動の成果」を表しますが、経常利益は、それに加えて「会社の財務的な活動」を含めた、通常の活動の成果、ということができます。

営業外収益・費用の科目を見てみると財務、すなわちお金の運用・資金調達に関係した科目が多いことが分かります。

営業外収益・費用の中で一番重要なのが「支払利息」です。

利息の支払いそれ自体は会社のビジネス(モノ・サービスの製造・販売)ではありません。しかし金融機関からの借り入れという、会社がビジネスを行う上でも非常に重要な資金調達に関連する取引です。

例えば、ズボンメーカーの会社が2社(A社、B社)あるとして、この2社の財務分析を行うとします。

2社の売上高から営業利益までの各区分の数字は全く同じだとします。但し、A社は金融機関から高い金利でお金を借り、B社は低い金利でお金を借りることができたとします。また、借入れた元本の金額は同じとします。

すると支払利息の金額が異なります(A社の方が支払利息が大きくなる)。従って、営業外費用はA社の方が多いため、結果としてB社の方が経常利益が大きい、ということになります。

以上から、この2社の財務分析の結果は、営業利益までの数字は同じであるため、会社の営業活動自体の評価は同じですが、財務活動を含めた会社の評価になると、B社の方が高い、ということができます。


経常利益率

参考までに経常利益率も紹介します。経常利益率は次の式で求めることができます。

経常利益率(%)=経常利益(損失)÷売上高 × 100

規模の全く異なる会社を比較する場合には経常利益率を用いると、金額の多寡による影響を排除することができるので便利です。

【使用上の注意点】

粗利率(「会計入門その24~売上総利益と粗利率・原価率」参照)、営業利益率(「会計入門その26~営業利益・営業利益率」参照)と同様、業種・業態によって経常利益率は差が生じます(業種・業態の特性による)。

従って業種・業態の異なる会社を比較しても有用な分析とはならないケースもありますのでご注意下さい。

ROI

その他、経常利益に関連した財務指標としては、「ROI(あーるおーあい 投資収益率ともいいます)」があります。

ROIは財務指標の中でも最も重要視される指標といってもいいと思います。

ROIについて詳細は「会計入門その29~ 財務指標」で解説しています。よろしければご参照ください。


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記事一覧


  • 1.概要
    その 1~はじめに(必ずお読み下さい)
    その2~ なぜ決算書を作成するのか?

  • 2.貸借対照表
    その3~ 貸借対照表の見方
    その4~ 資産と負債、純資産の関係

  • 3.資産の部
    その5~ 資産の区分、受取手形と売掛金、有価証券
    その6~ 棚卸資産
    その7~ 未収入金と経過勘定
    その8~ 固定資産の区分
    その9~ 減価償却と資産計上
    その10~ 固定資産と時価主義
    その11~ 固定資産と減損会計
    その12~ 貸倒引当金

  • 4.負債の部
    その13~ 負債の区分 支払手形と買掛金、短期借入金
    その14~ 未払金と経過勘定
    その15~ 未払法人税等と預り金
    その16~ リース債務と退職給付引当金

  • 5.純資産の部
    その17~ 純資産とは
    その18~ 資本金と資本準備金
    その19~ 資本取引・損益取引区分の原則
    その20~ 貸借対照表の分析

  • 6.損益計算書
    その21~ 損益計算書とは
    その22~ 売上高と実現主義
    その23~ 売上原価と費用収益対応の原則
    その24~ 売上総利益と粗利率・原価率
    その25~ 販売費及び一般管理費
    その26~ 営業利益・営業利益率
    その27~ 営業外収益・費用と経常利益
    その28~ 特別損益と当期純利益その他

  • 7.財務分析
    その29~ 財務指標
    その30~ B/SとP/Lの財務分析


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