原価計算入門その4~まとめ(2)標準原価計算

作成日:2017年5月21日 更新日:2018年5月13日

標準原価計算の全体像をまとめました

標準原価計算の全体像を把握したい時や、各ページの解説で、この項目が原価計算全体の中でどの部分に該当するのか理解したい時にご利用下さい。

【標準原価計算の流れ】

標準原価計算の流れは次の通りです。

【0.原価標準の設定】

原価標準とは、製品1単位を製造するのにかかる標準原価のことをいいます。

「標準」とは、実際の単価や数量ではなく、科学的・統計的な調査活動、または予定(想定・計画)される単価や数量を用いて原価を計算することを意味しています。

製品1単位当たりに要する費目別の価格と消費数量を設定し、それらの数値から原価標準を求めます。

その35~標準原価計算(概要、原価標準)


【1.費目別計算】

※実際原価計算と同じ。実際原価の集計のみ。標準原価には適用しません。

発生した原価を材料費、労務費、経費に分類します。さらにそれぞれを直接費と間接費に分けて、最終的には直接材料費、直接労務費、製造間接費として集計します。

その6~材料費(分類と材料副費)
その7~材料費(消費と月末の計算)
その8~材料費(費目別計算、まとめ)
その9~労務費(分類と直接費、間接費)
その10~労務費(消費時の計算と仕訳)
その11~労務費(まとめ)
その12~経費(分類・計算・仕訳)
その13~経費(まとめ)

【2.部門別計算】

※実際原価計算と同じ。実際原価の集計のみ。標準原価には適用しません。

分類した費目のうち、製造間接費についてはさらに部門別計算を行う場合があります。
製造部門と補助部門を設定して、各部門毎に部門個別費と部門共通費を集計します。そして、各部門の配賦基準に基づき、直接配賦法や相互配賦法といった手法で、最終的には全ての原価を製造部門に集計させます。

製品部門に集計させた原価は、その製品部門の配賦基準に基づき製品の製造間接費として製造に投入されます。

その20~部門別計算(製造・補助部門、部門個別費・共通費)
その21~部門別計算(直接配賦法と相互配賦法)
その22~部門別計算(続・直接配賦法と相互配賦法)
その23~部門別計算(まとめ)



【3.製品別計算】

※標準原価について行います。実際原価は製品別計算を行う必要はありません。

直接材料費と直接労務費は費目別計算が終了した段階で、製造間接費は部門別計算が終了した段階で、それぞれ、消費材料、消費賃金、発生製造間接費が計算されているので、それらを各費目の勘定科目から仕掛品勘定に振り替えます(製造への投入)。

※各費目の勘定科目から仕掛品勘定に振り替える原価は実際原価の場合と標準原価の場合の両方が考えられます。振り替える原価は、シングルプランを採用していれば標準原価、パーシャルプランを採用していれば実際原価になります。シングルプランとパーシャルプランは下記4.をご参照ください。

投入された仕掛品は、製品の生産形態が受注生産(オーダーメード)であれば個別原価計算、見込生産であれば総合原価計算を採用して完成品原価を求めます。

総合原価計算では、生産形態の違いにより、さらに単純総合原価計算、等級別総合原価計算、組別総合原価計算、工程別総合原価計算に区分して原価計算が行われます。

その24~製品別計算(分類)
その25~個別原価計算(概要:製造指図書、原価計算表)
その26~個別原価計算(製品別計算、原価計算表)
その27~個別原価計算(製品別計算、仕損)
その28~個別原価計算(まとめ)
その29~単純総合原価計算(概要:進捗度、加工費)
その30~単純総合原価計算(製品別計算、度外視法)
その31~等級別総合原価計算(製品別計算、等価係数)
その32~組別総合原価計算(製品別計算、組間接費)
その33~工程別総合原価計算(製品別計算、累加法、前工程費)
その34~総合原価計算(まとめ)

【4.標準原価の計算と原価差異分析】

標準原価を用いて原価を計算します(標準原価=標準価格×標準数量)
実際原価も通常通り、集計します(上述1.費目別計算と2.部門別計算まで行う)。集計した実際原価と標準原価は費目別に原価差異の分析を行います。

その36~標準原価計算(標準原価)
その37~標準原価計算(価格・数量差異、賃率・作業時間差異)
その38~標準原価計算(予算差異、操業度差異、能率差異)

原価差異の分析をどの勘定科目で行うかによって、シングルプランとパーシャルプランが存在します。

その39~標準原価計算(シングルプランとパーシャルプラン)

原価差異の会計処理は入門の段階では売上原価に加減すると覚えておきましょう。

その40~標準原価計算(原価差異の会計処理、まとめ)


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