直接費・間接費とは | 概要と分類(一覧表)

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記事最終更新日:2023年7月8日
記事公開日:2021年10月26日

原価計算(工業簿記)のうち、費目別計算の重要な用語である「直接費」と「間接費」について概要や分類(一覧表)にまとめました。各論の詳細は、記事中に掲載の関連記事で解説しています。

※費目別計算の概要は下記の記事で解説しています。

直接費とは

直接費とは、原価要素のうち、どの製品にどの位、消費したのか直接認識できるものをいいます。

間接費とは

間接費とは、原価要素のうち、どの製品にどの位、消費したのか直接的には把握できないものをいいます。

具体例

例えば、ズボンを製造するには「布(素材費)」と「糸(補助材料費)」が必要です。

ズボン1本を作るのにどれだけの布が必要か把握できるため、「布」は「直接費」です。

これに対して、糸は糸くずが発生しやすく、ズボン1本を作るのに必要な糸の量の把握は困難です。従って、「糸」は「間接費」に分類します。

※あくまでも一例。会社によっては糸を直接費としている場合もあります。

直接費と間接費に分類する理由

直接費と間接費とでは、原価の集計方法が異なるため、分類する必要があります。

最終的に、原価は「製品」に集計しますが、直接費は消費を把握できるため、直接的に消費を原価として計上できます(「賦課(ふか)」といいます)。

これに対して、間接費は消費を直接的には把握できないため、「直接作業時間」に代表される、製品と間接費の増減について高い相関関係がある「配賦基準」を用いた「配賦」という方法で原価を計上します。

費目別計算

費目別計算とは、原価要素の直接費と間接費への分類です。従って直接費と間接費は費目別計算上の最も重要な要素の1つといえます。

材料費と分類一覧

製品の製造に要した材料に要した費用を「材料費」といいます。

材料費は、「素材費」「補助材料費」などの原価要素に分類し、さらに直接材料費と間接材料費に分類します。

項目直接or間接
素材費(原料費)直接材料費
買入部品費
補助材料費間接材料費
工場消耗品費
消耗工具器具備品費

労務費と分類一覧

製品製造に携わる労働者に関する費用を「労務費」といいます。

労務費の原価要素は次の一覧表の通り。直接労務費と間接労務費に分類します。

従業員労働対価作業時間直接or間接
直接工直接工賃金
(基本給+加給金)
直接作業時間直接労務費
間接作業時間間接労務費
手待時間
間接工間接工賃金全作業時間
事務職員給料
アルバイト・
パートタイマー
雑給
全従業員従業員賞与手当-
退職給与引当金繰入額
(法定)福利費
(健康保険料負担金等。
社会保険料とも)

経費と分類一覧

材料費にも労務費にも該当しない原価要素は「経費」になり、直接経費と間接経費に分類します。

項目直接or間接
外注加工賃直接経費
特許権使用料
福利施設負担額間接経費
厚生費
減価償却費
賃借料
保険料
修繕料
電力料
ガス代
水道料
租税公課
旅費交通費
通信費
保管料
棚卸減耗費
雑費

直接費・間接費と仕訳

工業簿記では、直接費は「材料」「賃金・給料」などから「仕掛品」へ振り替え、間接費は「製造間接費」へ振り替え、仕訳を記帳します。

部門別計算

費目別計算の後、製造間接費は部門別計算を行い、製造部門に集計します。

関連記事(費目別計算)

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著者情報

須藤恵亮(すとうけいすけ)

フリーランス公認会計士。1人で「PDCA会計」を企画・開発・運営。

中央青山監査法人で会計監査、事業会社2社でプレイングマネジャーとして管理業務全般及びIPO準備業務に携わる。

現在は派遣・契約社員等として働きながら、副業的に「PDCA会計」の執筆やアプリ開発等コツコツ活動しています。

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