賃金(労務費)と仕訳|計算方法
記事最終更新日:2021年10月29日
記事公開日:2020年5月19日
賃金(労務費)の仕訳と計算方法を解説します。
賃金とは
賃金とは、工員に対する給料をいいます。
対象
原価計算基準の費目別計算に基づき例示すると、次の通り。
従業員 | 労働対価 | 作業時間 | 直接or間接 |
---|---|---|---|
直接工 | 直接工賃金 (基本給+加給金) | 直接作業時間 | 直接労務費 |
間接作業時間 | 間接労務費 | ||
手待時間 | |||
間接工 | 間接工賃金 | 全作業時間 | |
事務職員 | 給料 | ||
アルバイト・ パートタイマー | 雑給 | ||
全従業員 | 従業員賞与手当 | - | |
退職給与引当金繰入額 | |||
(法定)福利費 (健康保険料負担金等。 社会保険料とも) |
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労務費
製造に投入した労働を労務費といいます。
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直接費と間接費
直接労務費と間接労務費とで別の方法で仕訳します。
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直接工賃金の計算
直接工賃金については、賃率に月間の作業時間を乗じて労務費を計算します。上図の通り直接工賃金のうち直接作業時間は直接労務費、それ以外は間接労務費のため、それぞれ仕訳します。
計算に予定賃率を採用した場合には賃率差異が発生します。
引用元:原価計算基準
「(一) 直接賃金等であって、作業時間又は作業量の測定を行なう労務費は、実際の作業時間又は作業量に賃率を乗じて計算する。賃率は、実際の個別賃率又は、職場もしくは作業区分ごとの平均賃率による。平均賃率は、必要ある場合には、予定平均賃率をもって計算することができる。」
間接工賃金の計算
間接工賃金については、要支払額で労務費を計算します。
引用元:原価計算基準
「(二) 間接労務費であって、間接工賃金、給料、賞与手当等は、原則として当該原価計算期間の負担に属する要支払額をもって計算する。」
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仕訳
賃金・給料勘定で仕訳します。
取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
再振替仕訳(月初) | 未払費用 | ××× | 賃率・給料 | ××× |
賃金の支払 | 賃金・給料 | ××× | 現金預金など | ××× |
未払計上 | 賃金・給料 | ××× | 未払費用 | ××× |
労務費(直接工) | 仕掛品 | ××× | 賃金・給料 | ××× |
製造間接費 | ××× | |||
労務費(間接工) | 製造間接費 | ××× | 賃金・給料 | ××× |
賃率差異(※1) | 原価差異 | ××× | 賃金・給料 | ××× |
別の勘定科目(賃金勘定など)を使用する場合もあります。
(※1)借方差異(不利差異)の場合
勘定連絡図
一般的な場合の賃金勘定と他勘定との関係を把握できます。
仕訳例
- 1.賃金100を普通預金から支払った。
No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
1 | 賃金・給料 | 100 | 普通預金 | 100 |