原価計算入門その12~経費(分類・計算・仕訳)

作成日:2016年11月7日 更新日:2018年5月20日

今回から、費目別計算のうち経費について解説します。

経費は費目別計算の要素の1つです。
下記に学習上のポイントを参考に記載しました。ご利用ください。

※この「原価計算入門」のサイトでは、2級レベルの工業簿記を、衣服メーカーを例として毎回解説しています。

【学習のポイント】

0.経費となる要素の分類
1.消費時:経費費の計算と仕訳


【経費の分類と直接費、間接費】

経費とは費目別計算の要素のうち、材料費と労務費以外の要素をいいます。
経費の主な費目と直接費、間接費の区分は次の通りです。

項目具体例直接or間接
外注加工費ズボンのデザインを会社外部の業者に
依頼した時にかかる費用
直接経費
福利施設負担額製造部門の従業員が格安で利用できるよう
リゾート地の宿泊施設に要する費用や
社宅の会社負担金など
間接経費
厚生費製造部門の従業員の冠婚葬祭に関する費用、
従業員限定の創立日記念パーティーの費用など。
減価償却費工場の減価償却費
賃借料工場を賃貸していた場合など
保険料工場やズボン在庫などの損害・火災保険
修繕料工場の修繕にかかる費用
電力料工場で発生した電力料
ガス代工場で発生したガス代
水道料工場で発生した水道料
租税公課工場の固定資産税
旅費交通費工場で働いている従業員の出張費
通信費工場で発生した通信費
保管料ズボンや布の保管に関する費用
たな卸減耗費帳簿の月末材料と実地たな卸の差額
雑費工場で発生したお茶代、クリーニング代など

※たな卸減耗費については、「原価計算入門その7~材料費(消費と月末の計算)」で解説しています。

イメージできましたか?

「材料費と労務費以外は経費」。
材料費と労務費の費目を確実に覚えておけば消去法で経費と判断できます。

経費の勘定科目は商業簿記では販売費及び一般管理費に計上されます。

使用した場所が工場の場合や、本社でも製造部門の従業員が使用した場合にはモノ作りの話になるので、原価計算(工業簿記)の経費として処理します。

商業簿記も平行して学習していれば自然と覚えます。

外注加工費が直接経費であるところは覚えましょう。それ以外の経費は全て間接経費です。

【経費の計算と消費時の仕訳】

【経費の計算】
実際の発生額で計算します。
ただし予定価格や予定額により経費を計算することもできます。

※費目別計算で扱う予定単価は、「原価計算入門その14~予定単価(費目別計算)」で解説しています。

「発生額」は、労務費の要支払額と考え方は同じです。
すなわち、対象の計算期間が10月であれば10月に使用した金額を計算します。

商業簿記でも学習している話であるため、
経費の計算について解説はここまでとします。

※商業簿記は、「商業簿記入門~2級、3級の資格学習を支援」にて解説しています。

【消費時の仕訳】
(1)経費勘定を使用する場合、(2)費目別の勘定を使用する場合、(3)勘定科目を設定しない場合の3ケースを掲載します。

(その1:経費勘定を使用する場合)
直接経費
(借方)経費 ×××(貸方)買掛金 ×××
(借方)仕掛品 ×××(貸方)経費 ×××

間接労務費
(借方)経費 ×××(貸方)未払費用(※) ×××
(借方)製造間接費 ×××(貸方)経費 ×××

(その2:費目別の勘定を使用する方法)
※間接経費は減価償却費勘定を例として掲載しています。

直接経費
(借方)外注加工費 ×××(貸方)買掛金 ×××
(借方)仕掛品 ×××(貸方)外注加工費 ×××

間接労務費
(借方)減価償却費 ×××(貸方)減価償却累計額(※) ×××
(借方)製造間接費 ×××(貸方)減価償却費 ×××

(その3:勘定科目を設定しない場合)
直接労務費
(借方)仕掛品 ×××(貸方)買掛金 ×××

間接労務費
(借方)製造間接費 ×××(貸方)未払費用(※) ×××

(※)の勘定科目は借方科目に従って適切な科目を設定します。

【終わりに】

今回は経費の分類と消費時の仕訳について解説しました。
次回は経費のまとめを掲載します。


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