工業簿記2級 配賦基準とは(入門)|概要と計算方法(ズボンメーカーの問題例)

作成日:2020年6月7日

今回は費目別計算や部門別計算のうち、配賦基準について概要や計算方法などについて解説します。

※この「原価計算入門」のサイトでは、2級レベルの工業簿記を、衣服メーカーを例として毎回解説しています。

種類別の勘定連絡図(個別、総合、標準)

クリックすると、実際個別原価計算、実際総合原価計算、標準原価計算それぞれの勘定連絡図(簿記2級で出題される典型的なケース)が別窓で開きます。

今回の学習はココ

配賦基準について学習します。工業簿記の計算段階でいうと、第2段階の部門別計算と第3段階の製品別計算とに該当します。

部門別計算(ぶもんべつけいさん)とは、費目別計算によって集計した費目(直接材料費、直接労務費、直接経費、製造間接費)を製品に集計する前に部門別に分類して計算・集計するための手続きをいいます。

製造部門と補助部門を設定し、直接配賦法や相互配賦法といった計算方法を使って、最終的には各製造部門に原価を集計します。

製品別計算(せいひんべつけいさん)とは、製品の種類毎に製品一単位の原価を計算する手続きをいいます。

例えば、ジーンズ、チノパンといった製品別に原価を集計し、それぞれの製品の製造実態に合わせて個別原価計算や各種の総合原価計算(単純、等級、組別、工程別)を適用してジーンズ1本、チノパン1本当たりの原価を計算します。

配賦基準とは

配賦基準(はいふきじゅん)とは、製造間接費を部門や製品、製造指図書の各原価に配分する際の基準をいいます。

製造間接費を部門原価や製品原価に配分することを「配賦(はいふ)」といいます。

これに対して直接費を部門や製品、製造指図書の各原価に集計することを「賦課(ふか)」といいます。

配賦基準の種類

代表的な配賦基準は直接作業時間や原料消費高、機械稼働時間です。

例えば、製品の製造が人中心であれば直接作業時間、オートメーション化していて機械が中心であれば機械稼働時間を配賦基準にします。

製品に占める材料費の割合が高い場合には原料消費高を配賦基準に設定する場合もあります。

製造間接費の配賦額の計算方法

製造間接費を配賦基準で除した金額を「配賦率(はいふりつ)」といいます。

計算の結果、部門や製品、製造指図書に配分する原価を「配賦額(はいふがく)」といいます。

計算方法は次の通り。

(問題例)製造間接費の年間予算額は10,000,000円、年間予定直接作業時間(配賦基準とする)は50,000時間、当月のチノパンの実際直接作業時間は2,000時間である。

予定配賦と実際配賦

配賦基準は予定と実際の両方があります。

例えば、年間の製造間接費見込み額と直接作業時間を予想しておき配賦率や配賦額を計算する場合は、予定配賦です(上記の例は予定配賦)。

これに対して予定額や予定配賦基準は設定せずに、毎月の実際製造間接費と実際直接作業時間を集計して原価を計算する場合は実際配賦です。

配賦の特徴

間接費とは製品1単位にどれ位、消費したのかを直接には把握できない性質の原価要素をいいます。

そこで、間接費と製品とに相関関係が認められる数値データを配賦基準として設定し、配賦基準に基づいて製造間接費を各部門や製造に配分します。

以上から、商業簿記で学習する減価償却と同様の計算を行って配賦額を求めているといえます。

操業度との関係

操業度(そうぎょうど)とは、年や月といった一定の期間に製品を製造するための生産設備の利用度をいいます。

操業度として設定するデータは生産量や直接作業時間、機械稼働時間などが存在し、各製品や製造指図書に配賦するための配賦基準となります。

工業簿記2級での出題パターン

配賦基準は次のような原価計算手続きで登場します。

工業簿記2級でも上記の問題で配賦基準が出題されます。

次の問題と解説

配賦基準や原価差異分析と関係の深い操業度について解説します。問題文から操業度を抽出して配賦計算や原価差異分析を行えるかどうかがポイント

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