総合原価計算とは|種類と手続き

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総合原価計算の種類と手続きを解説します。

総合原価計算とは

総合原価計算とは、製品を連続生産(大量生産)する場合に適用する製品別計算をいいます。

項目総合原価計算
説明製品を連続生産(大量生産)する生産形態に適用する(いわゆる見込生産)。
具体例海外ではギャップ(GAP)、国内ではユニクロ(ファーストリテイリング)や無印良品(良品計画)など

総合原価計算はさらに「単純総合原価計算」「等級別総合原価計算」「組別総合原価計算」「工程別総合原価計算」に分けることができます。

項目説明具体例(ズボンメーカー)
単純総合原価計算単一製品の生産1種類のズボンを生産
等級別総合原価計算同種の製品だが、形状、大きさなどが異なる製品を生産S、M、Lサイズのズボンを生産
組別総合原価計算同一工程で異なる製品を生産同じ工程でジーンズとチノパンを生産
工程別総合原価計算製造工程が2以上の連続する工程に分けられ,工程毎に工程製品の総合原価を計算切抜→裁縫→取付の各工程で総合原価を計算する場合

総合原価計算に対して、製品を大量生産ではなく個別の注文毎に受注生産する場合に適用する製品別計算を個別原価計算といいます。

役割

総合原価計算の役割は、「正確な製品単価の計算」です。

「(第1次)費目別計算→(第2次)部門別計算」といった原価計算手続きで行ってきた「実態の製造活動を原価に反映させる」という目的を引き継いで(第3次)製品別計算である総合原価計算で完成させます。

勘定科目

総合原価計算に関係する勘定科目の例は次の通り。

・製造間接費 ・仕掛品 ・仕掛品-原料費 ・仕掛品-加工費 ・仕掛品-〇〇工程 ・仕掛品-前工程費 ・製品 ・製品○○ ・原料費 ・加工費

勘定連絡図

一般的な場合の勘定間の関係を把握できます。

総合原価計算の原価計算手続き

4種類の総合原価計算に共通する原価計算手続きは次の通り。

以下、それぞれの手続きについて計算方法や仕訳も含めて説明します。

(1)受注

お客より注文を受けた段階では、特に原価計算手続はありません。製造指図書を発行した個別原価計算とは異なる点です。

個別原価計算では、注文の都度、製造指図書を発行し、製造指図書を生産単位として製造します。

これに対して、総合原価計算では見込み生産を行い、注文に関係なく大量生産を行います。

(2)費目別計算と部門別計算

この手続きは個別原価計算と同じです。

費目別計算の段階で直接材料費と直接労務費(外注加工賃があれば直接経費も)の材料消費価格や平均賃率を計算します。

製造間接費はさらに部門別計算を行った結果、製造部門別に配賦率を計算します。

(3)当月製造原価の投入と仕訳

費目別計算や部門別計算で計算した単価や配賦率に、各費目の当月製造投入量(消費量)を掛け算して、当月投入した製造原価を計算します。

直接材料費や直接労務費(あれば直接経費も)は「材料単価×消費量」「平均賃率×作業時間」で計算し、製造間接費は「配賦率×配賦基準」で計算します。

工業簿記では、直接材料費は材料勘定、直接労務費は賃金勘定、製造間接費は製造間接費勘定から仕掛品勘定へそれぞれ振り替えるように仕訳します。

取引借方科目借方金額貸方科目貸方金額
製造投入仕掛品×××材料×××
賃金・給料×××
未払金など×××
製造間接費×××

別の勘定科目を使用する場合もあります。

(4)完成品原価と仕掛品原価の計算と仕訳

ボックス図を描き、当月原価データを記入して、完成品原価と月末仕掛品原価を計算します。

「総合原価計算の種類」「先入先出法 or 平均法」「仕損・減損の発生有無」「それぞれの進捗度と生産数量」などの情報を読み取って正確に計算します。

仕損・減損が発生した場合には、工業簿記では仕損費・減損費の処理を行います。

次に仕訳ですが、完成品原価は製品になるので、仕掛品勘定から製品勘定へ振り替えるように仕訳します。

取引借方科目借方金額貸方科目貸方金額
製品の完成製品×××仕掛品×××

等級別総合原価計算や組別総合原価計算、工程別総合原価計算では別の勘定科目を用いる場合があります。

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