等級別総合原価計算の解き方|等価係数の計算方法と仕訳

グラフと書類の束

等級別総合原価計算の解き方(等価係数)と仕訳を問題例で解説します。

等級別総合原価計算とは

等級別総合原価計算とは、同種の製品だが、形状やサイズなどが異なる製品を連続生産(大量生産)する場合に適用する製品別計算をいいます。

形状やサイズが異なる同種の製品を「等級製品」といいます。

単純総合原価計算と共通の方法で完成品原価を計算した後、完成品原価を「等価係数」に基づいて各等級製品にあん分します。等価係数は大きさや重さ、面積など、等級製品に関連の深い尺度によって決めます。例えば、「S、M、Lサイズのジーンズの等価係数を1:1.2:1.5にする」といったように設定します。

問題例(等級別総合原価計算と等価係数)

今回は設例を用いて解説します(工業簿記2級のレベルでは「普通」レベル。一部応用問題あり)。

<生産・原価データ>

項目月初仕掛品当月投入正常仕損月末仕掛品完成品
数量800本○本100本1,000本2,500本(※)
進捗度50%-終点30%-
原料費92,000円350,000円-??
加工費347,850円2,162,500円-??

※完成品の内訳:Sサイズ500本 Mサイズ1,300本 Lサイズ700本
※等価係数:Sサイズ:Mサイズ:Lサイズ= 0.75:1.0:1.25

解答

<解答(問3)-等級製品の完成品原価計上の仕訳)>

取引借方科目借方金額貸方科目貸方金額
完成品原価の振替S製品377,625仕掛品2,567,850
M製品1,309,100
L製品881,125

(1)ボックス図と生産・原価データの記入

ボックス図は次の通り。

仕掛品
月初仕掛品 800本(400本)完成品 2,500本(2,500本)
 92,000円(347,850円)
正常仕損 100本(100本)
完成品に含める
当月投入 2,800本(2,500本)
 350,000円(2,162,500円)
月末仕掛品 1,000本(300本)

換算数量や各原価、仕損の処理などボックス図を描くためのポイントは次の通り。

ボックス図の書き方や加工費の数量計算(進捗度と換算量)、度外視法は下記の記事を参照。

(2)完成品原価と月末仕掛品の計算

次にボックス図の数字に従って、原料費と加工費それぞれの完成品総合原価と月末仕掛品原価を求めます。

問題文より計算には先入先出法を使います。

「先入先出法 → 当月投入数量 > 月末仕掛品数量 → 月末仕掛品原価は当月投入原価のみ。月初仕掛品は含まれない」となるので、先に月末仕掛品原価を求めて、その後に差額計算によって完成品総合原価を求めます。

仕掛品
月初仕掛品 800本(400本)完成品 2,500本(2,500本)
 92,000円(347,850円) 317,000円(2,250,850円)
正常仕損 100本(100本)
→完成品に合算
当月投入 2,800本(2,500本)
 350,000円(2,162,500円)
月末仕掛品 1,000本(300本)
 125,000円(259,500円)

(3)等価係数

等級製品の各原価は完成品原価の計算後、「等価係数」という各製品の比率を使って各等級製品に原価を按分することで、各等級製品の完成品原価を求めます。

等価係数「Sサイズ:Mサイズ:Lサイズ = 0.75:1.0:1.25」と完成品数量「Sサイズ500本 Mサイズ1,300本 Lサイズ700本」を使って計算します。

難しそうな計算式ですが、実際に問題を解くと難しくありません。本問の場合は次の通り。

同様に計算し、「Mサイズ1,309,100円、Lサイズ881,125円」となります。

(問2)は等級製品の製品単価を求める問題です。従って、いま求めた各等級製品の完成品原価を完成品数量で割れば製品単価が計算できます。

(4)仕訳(等級製品の完成品原価の計上)

完成品は仕掛品から製品に振り替えるように仕訳します。

ただし本問では、「S製品」「M製品」「L製品」の各勘定科目を使用するように指示があるので、借方は製品勘定ではなく、左記3種類の勘定科目を記入し、金額は各等級製品の完成品原価を記入します。

取引借方科目借方金額貸方科目貸方金額
完成品原価の振替S製品377,625仕掛品2,567,850
M製品1,309,100
L製品881,125

解答のポイント

最後に本問の解答のポイントを掲載します(総合原価計算共通の解き方の部分を含む)。

ページトップへ