日商簿記2級 銀行勘定調整表

更新日:2020年12月27日
公開日:2017年8月13日

前回は小口現金と仕訳処理と小口現金出納帳について解説しました。

今回は当座預金の残高調整を行う際に利用する銀行勘定調整表について説明します。

銀行勘定調整表とは

銀行勘定調整表(ぎんこうかんじょうちょうせいひょう)とは、主に当座預金の残高を分析するために作成する表であり、銀行が発行する残高証明書と会社が把握している帳簿残高が一致しない場合に、不一致の原因を分析するために作成する表をいいます。

会社は月次や決算日といったタイミングで、定期的に残高確認を行う場合があります。

具体的には、預金残高がある各銀行に対して残高証明書(ざんだかしょうめいしょ)を発行してもらい、残高証明書と会社の帳簿残高が一致しているかどうか確認します。

残高証明書のサンプルを掲載しました。ご参考ください。


【引用元】大和ネクスト銀行

残高確認を行った結果、残高証明書と会社の帳簿残高が不一致の場合があります。

このような場合に社内の会計や経理部署などで銀行勘定調整表を作成して、不一致の原因を分析する作業を行います。

※普通預金、定期預金、当座預金については下記の記事を参照。

預金残高の不一致の原因

預金残高が不一致となる原因には大きく分けて、「会社側が調整する取引」と「銀行側が調整すべき取引」が存在します。

「調整」とは追加記録や修正が必要なこと、と理解しておけば差し支えありません。

代表的な不一致の原因となる取引は次の通り。

原因原因内容
会社が調整する取引銀行連絡未達預金を増減させる取引のうち、銀行から通知がない取引
未渡小切手小切手を振出(作成)したが取引先に渡していない
誤記入誤って仕訳処理した取引
銀行が調整する取引時間外預入銀行の営業時間外に預け入れした。
未取付小切手取引先が銀行へ小切手を呈示していない。

未取付小切手(みとりつけこぎって)とは、会社が取引先への支払として小切手を振り出して取引先に渡したものの、取引先が銀行へ小切手を持ち込んでいないため、銀行では預金の減少として記録していない小切手をいいます。

小切手は振り出して取引先に渡した時点で当座預金を減少させます。未取付小切手は支払った会社では正しい仕訳を行っており、小切手を受け取った取引先が銀行に呈示していないので銀行が小切手振り出しの事実を知らない、ということです。従って、未取付小切手は銀行側の残高を減少させる取引です。

未渡小切手(みわたしこぎって)と言葉が似ていますが異なる意味であるので注意。

※小切手について詳細は下記の記事を参照。

銀行勘定調整表の作成方法

銀行勘定調整表の作成方法には3つの方法があります。

  • ①銀行の残高証明書が正しいと仮定して調整する方法
  • ②会社の帳簿残高が正しいと仮定して調整する方法
  • ③両者の残高を調整して一致させる方法

ここでは、「③両者の残高を調整して一致させる方法」で作成した銀行勘定調整表を使って解説します。

銀行勘定調整表の作成(取引例)

【設定】
A社は、令和2年8月末日の当座預金残高を確認するために銀行から残高証明書を発行してもらったところ、残高が一致しなかった。

  • A社の帳簿残高:1,460,000円
  • 銀行残高証明書の当座預金残高:1,720,000円

そこで不一致の原因を調べたところ、次の事実が判明した。

  • 1.8月31日に当座預金口座に5万円を預け入れたが、時間外のため銀行では翌営業日の預け入れとして記録されていた。
  • 2.B社より売掛金の回収代金15万円が当座預金に振り込まれていたが、銀行から通知がなかった。
  • 3.C社への買掛金27万円の支払いとして振り出した小切手が銀行に呈示されていなかった。
  • 4.D社より売掛金10万円を当座預金にて回収したが、誤って33万円と仕訳していた。
  • 5.E社への買掛金12万円の支払いに小切手を振り出したが、金庫を実査した結果、当該小切手が保管されていることが判明した。

【銀行勘定調整表】

銀行勘定調整表
当座預金勘定残高(会社側)残高証明書残高(銀行側)
当座預金勘定残高1,460,000銀行の残高証明書残高1,720,000
(加算)2.売掛金回収
    (銀行連絡未達)
150,000(加算)1.時間外預入    50,000
    5.未渡小切手120,000270,000
(減算)4.売掛金回収誤記入
    (銀行連絡未達)
230,000(減算)3.未取付小切手270,000
1,500,0001,500,000

【会社側がきる仕訳】

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
2当座預金150,000売掛金150,000
4売掛金230,000当座預金230,000
5当座預金270,000買掛金270,000

【解説】
問題文には調べた事実が記載されていますが、その事実から「会社の調整か、それとも銀行の調整か」「加算か減算か」を自分で判断しなくてはいけません。

不一致となる原因について代表的なものは覚えておく必要があります。

銀行勘定調整表を作成し、会社側と銀行側の残高が一致したことを確認したら、会社の調整項目(今回の例では2,4,5)について仕訳をきります。

まとめ

今回は銀行勘定調整表について解説しました。時間外預入や未取付小切手など、暗記に頼るのではなく、理解して覚えましょう。

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