商業簿記入門その15~銀行勘定調整表(2級)

更新日:2018年9月18日 公開日:2017年8月13日

銀行勘定調整表

前回、「商業簿記入門その14~小口現金と仕訳処理、小口現金出納帳」では、小口現金と仕訳処理、および小口現金出納帳について解説しました。

今回は、主に当座預金の残高調整を行う際に利用する銀行勘定調整表について説明します。

※簿記2級の論点になります。


銀行勘定調整表とは

銀行勘定調整表(ぎんこうかんじょうちょうせいひょう)とは、主に当座預金の残高を分析するために作成する表であり、銀行が発行する残高証明書と会社が把握している帳簿残高が一致しない場合に、不一致の原因を分析するために作成する表をいいます。

会社は月次や決算日といったタイミングで、定期的に残高確認を行う場合があります。

具体的には、銀行に残高証明書を発行してもらい、残高証明書と会社の帳簿残高が一致しているかどうか確認します。

残高証明書のサンプルを掲載しました。ご参考ください。

預金残高証明書
【引用元】大和ネクスト銀行

残高確認を行った結果、残高証明書と会社の帳簿残高が不一致の場合があります。

このような場合に、社内の会計や経理部署などで銀行勘定調整表を作成して、不一致の原因を分析する作業が行われます。

預金残高の不一致の原因

大きく分けて、会社側が調整する取引銀行側が調整すべき取引が存在します。

「調整」とは追加記録や修正が必要なこと、と捉えておけば差し支えありません。

代表的な不一致の原因について、表を作成しましたのでご覧ください。

原因原因内容
会社が調整する取引銀行連絡未達預金を増減させる取引のうち、銀行から通知がない取引
誤記入誤って仕訳処理した取引
銀行が調整する取引時間外預入銀行の営業時間外に預け入れした。
未取付小切手取引先が銀行へ小切手を呈示していない。

未取付小切手(みとりつけこぎって)とは、会社が取引先への支払として小切手を振り出して取引先に渡したものの、取引先が銀行へ小切手を持ち込んでいないため、銀行では預金の減少として記録していないような小切手をいいます。

※小切手については「商業簿記入門その8~現金の範囲、小切手の振出と管理、仕訳処理」で詳細を解説しています。


銀行勘定調整表の作成方法

銀行勘定調整表の作成方法には3つの方法があります。

  • ①銀行の残高証明書が正しいと仮定して調整する方法
  • ②会社の帳簿残高が正しいと仮定して調整する方法
  • ③両者の残高を調整して一致させる方法

ここでは、「③両者の残高を調整して一致させる方法」で作成した銀行勘定調整表を使って解説します。

銀行勘定調整表の作成(取引例)

【設定】
A社は、2017年8月末日の当座預金残高を確認するために銀行から残高証明書を発行してもらったところ、残高が一致しなかった。

  • A社の帳簿残高:1,460,000円
  • 銀行残高証明書の当座預金残高:1,720,000円

そこで不一致の原因を調べたところ、次の事実が判明した。

  • 1.8月31日に当座預金口座に5万円を預け入れたが、時間外のため銀行では翌営業日の預け入れとして記録されていた。
  • 2.B社より売掛金の回収代金15万円が当座預金に振り込まれていたが、銀行から通知がなかった。
  • 3.C社への買掛金27万円の支払いとして振り出した小切手が銀行に呈示されていなかった。
  • 4.D社より売掛金17万円を当座預金にて回収した仕訳を記録したが、誤って10万円と記録していた。
  • 5.E社への買掛金18万円を当座預金から振り込んでいたが、銀行から通知がなかった。

【銀行勘定調整表】

銀行勘定調整表
当座預金勘定残高(会社側)残高証明書残高(銀行側)
当座預金勘定残高1,460,000銀行の残高証明書残高1,720,000
(加算)2.売掛金回収
    (銀行連絡未達)
150,000(加算)1.時間外預入    50,000
    4.売掛金回収誤記入70,000220,000
(減算)5.買掛金支払
    (銀行連絡未達)
180,000(減算)3.未取付小切手270,000
1,500,0001,500,000

【会社側がきる仕訳】

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
2当座預金150,000売掛金150,000
4当座預金70,000売掛金70,000
5買掛金180,000当座預金180,000

【解説】
問題文には調べた事実が記載されていますが、その事実から「会社の調整か、それとも銀行の調整か」「加算か減算か」を自分で判断しなくてはいけません。

不一致となる原因について代表的なものは覚えておく必要があります。

銀行勘定調整表を作成し、会社側と銀行側の残高が一致したことを確認したら、会社の調整項目(今回の例では2,4,5)について仕訳をきります。

まとめ

今回は銀行勘定調整表について解説しました。時間外預入や未取付小切手など、暗記に頼るのではなく、理解して覚えましょう。


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