第1章 はじめに

本書は日商簿記2級(商業簿記)の2025年度(2025年4月1日から2026年3月31日)の試験範囲に準拠したテキストです。

簿記2級の試験範囲を解説します。

簿記3級の試験範囲は解説していませんので、必要な場合には別のテキストなどで学習する必要があります。

試験範囲の改定

2025年度の日商簿記2級(商業簿記)の試験範囲は、2023年度から変更はありません。

出題形式

2024年度から変更はありません。2021年度から採用された方法で出題されます。

統一・ネット・団体試験ともに同じ出題形式です(ただし、ネット試験では紙面ではなくPC端末を使用)。

この5つの大問を「90分」という制限時間内に解きます。

合格基準

100点満点中、70点以上を取れば合格です。

日商簿記2級に合格するには

次の通り。

商業簿記は、試験範囲が広いですが、まずは「仕訳を覚える」ことです。

取引によって仕訳にはパターンがあります。仕訳を覚えれば覚えるほど点数が伸びるので、合格に近づきます。

仕訳が本試験レベルになれば、勘定元帳の記入や総合問題も解けるようになります。

大切なポイントのため再び記載しますが、勉強のやり方として重要なのは「全ての試験範囲を偏りなく学習する」こと、そして「繰り返し演習する」こと、「速く正確に解けるようにする」ことです。

日商簿記検定の主催者である商工会議所のWebページには、新試験のコンセプトが次の通り掲載されています。

出題形式の変更によって、試験時間が120分から90分と短縮しました。覚えた仕訳を何回も問題演習で定着するまで繰り返し、「基本・標準問題を速く正確に解く」スキルを養いましょう。

そしてヤマを張らずに、テキストの全範囲を満遍なく学習するようにしましょう。

本試験レベルの問題を読む

試験日までに十分な日数があるうちに、なるべく早い段階で、

本試験レベルの問題を読む

ことをお勧めします。

どの位のことをやれば合格できるのか」を知ることは、試験に合格するための重要な要素の1つです。

体感することで、自身に足りない部分が具体化します。この時点では、本格的に問題を解く必要はないですが、自分自身の実力と本試験のレベルの差が実感できる位は読んでみましょう。

問題演習を沢山こなす

テキストを読む「インプット学習」は受動的になりがちです。

一通りテキストを読んだ後は、問題を沢山解き、分からなければテキストに戻る、という「アウトプット学習」の方が覚えるのも早く、効果的な勉強方法といえます。

問題演習を行った方が、間違えた原因や覚えていなかった点など、問題意識が高くなるため、具体的な対策も立てやすくなります。

もちろん、問題演習で覚えていない点や理解できていない点については、「インプット学習」でテキストや学習ノートで再度確認していく必要があります。

\ SHARE /

仕訳問題(ランダム出題)