13-1 株式会社と会社法

株式会社や会社法を学習する理由

簿記2級では、3級よりも株式会社を想定した応用的な取引が出題されます。具体的には、「株式に関する取引」を中心に出題されます。

株式は、株式会社が発行するため、株式会社について知っておけば、株式に関する仕訳を理解するのに役立ちます。

株式に関する取引には、「会社法」が関係します。そこで、会社法についても学習しておくと、より効果的です。

株式会社とは

株式会社とは、株式を発行して資金を調達し、その資金を元手として、事業活動を行う会社のことをいいます。

会社が事業(ビジネス)を行うためには、元手となる資金が必要です。

この資金を集める場合には、借り入れ(銀行からの借入や社債の発行)による方法がありますが、株式会社の場合には、もう一つの手段として、「株式の発行」があります。

株式とは

株式とは、会社経営にとって、重要な意思決定に参加する権利を、細分化したものをいいます。

一般的には、株式とはいわず、単に「株」ということが多いです。

株主とは

株式の保有者を「株主」といいます。

「株式会社の所有者は、株式を保有した株主である」といえます。

有名な大企業のほとんどは、一般人が株式を購入できるよう株式市場に参加しており(このような会社を「上場企業」といいます)、数万円で購入できる株式も少なくありません。

1単位でも購入すれば、購入者はその会社の株主です。例えば、発行されている株主の総数が100単位であれば、会社の100分の1を所有しているといえます。

会社法とは

会社法とは、会社に対する債権者を保護することを主な目的として、制定されている法です。

会社法の目的

株式会社は「株主有限責任の原則」という原則があり、株主は株式会社の所有者ですが、株式を購入した額(正確には引受額といいます)までしか、責任を負うことはありません。

従って、会社に大金を貸している銀行などにとっては、会社が倒産などすれば、貸したお金の全額が戻ってくる保証はない、ということです。

そこで、このような債権者を保護するためのルールを設けるために、会社法が制定されています。

様々なルールがありますが、ここでは、株式会社を知るのに欠かせない「株式会社の機関」について解説します。

会社の機関

株式会社の機関とは、株式会社を経営する上で、重要な役割を担う人や組織のことをいいます。

代表的な株式会社の機関に、「株主総会」「取締役会」「代表取締役」「監査役」「会計監査人」があります。

株主総会とは

株主総会とは、株主で構成され、会社経営に関する基本的事項の意思決定を行う組織をいいます。

簿記や会計に関する取引でいえば、株式の発行や剰余金の配当、任意積立金の積み立てなどが該当します。

その他、代表取締役の下で作成される財務諸表(決算書)の承認(または報告を受ける)や、取締役・監査役・会計監査人の選任・解任などを行う権限を持ちます。

日本では3月決算の会社が多く、(定時)株主総会は決算の3か月以内に行うことから、6月(とくに下旬)は、定時株主総会の開催が最も多い時期です。

取締役会とは

取締役会とは、取締役で構成され、会社の重要な業務に関する意思決定を行う組織をいいます。

簿記や会計に関する取引でいえば、「会社の重要な業務」には、株式の発行や財務諸表(決算書)の承認、多額の借り入れなどがあります。

その他、取締役は、代表取締役の業務執行を監視する役割を担っており、代表取締役を選任・解任する権限を持ちます。

代表取締役とは

代表取締役とは、会社を代表して、業務執行(経営)を行う者をいいます。

いわゆる「社長」が代表取締役に該当します。

会社経営の専門家といえる取締役や監査役は、株主から構成される株主総会から選任され、会社経営に参画します。

代表取締役は、その取締役の中から選任され、株主総会や取締役会で決定された事項や日常業務について、業務を行います。

とはいっても、代表取締役が1人で会社の業務をすべて行うことはなく、従業員(いわゆる会社員)を雇用して、代わりに従業員が業務を行います。

簿記や会計に関する取引でいえば、「財務諸表の作成」が、代表取締役の重要な役割です。

監査役とは

監査役とは、取締役の業務を監視する者をいいます。

監査役が、複数名で構成する監査役会が存在する会社もあります。

簿記や会計に関する取引でいえば、上述の取締役(取締役会)や代表取締役が行う意思決定や業務について、様々な日本の法律に照らし合わせて違法でないかどうか、という視点から、チェックします。

会計監査人とは

会計監査人とは、会社の財務諸表を監査する者や組織をいいます。

簿記や会計に関する取引でいえば、代表取締役の下で作成された財務諸表をチェックして、適正かどうか、という会計監査の結果を、監査報告書として決算書に添付することで、株主総会に報告します。

会計監査人には、「公認会計士」、または公認会計士で構成された「監査法人」のみが就任できます。

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著者情報

須藤恵亮(すとうけいすけ)

フリーランス公認会計士。1人で「PDCA会計」を企画・開発・運営。

中央青山監査法人で会計監査、事業会社2社でプレイングマネジャーとして管理業務全般及びIPO準備業務に携わる。

現在は派遣・契約社員等として働きながら、副業的に「PDCA会計」の執筆やアプリ開発等コツコツ活動しています。

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