3-2 有価証券の保有目的と区分
保有目的と区分とは
前回の解説では、有価証券の取引は「有価証券(仮)」という仮の勘定科目による仕訳を解説してきました。
しかし、簿記2級で本来、使用する有価証券の勘定科目は1つではありません。
有価証券は、「有価証券の保有目的」によって区分します。そして保有目的によって異なる勘定科目で仕訳します。
具体的には、次の4つの保有目的に区分し、5種類の勘定科目が存在します。表示科目も併せて掲載します。
| 保有目的 | 勘定科目 | 表示科目 |
|---|---|---|
| 売買目的 | 売買目的有価証券 | 有価証券 |
| 満期保有目的 | 満期保有目的債券 | 有価証券(一年以内に満期が到来する債券) |
| 投資有価証券(上記以外の債券) | ||
| 子会社・関連会社として取得 | 子会社株式 | 関係会社株式 |
| 関連会社株式 | ||
| その他の目的 | その他有価証券 | 投資有価証券 |
売買目的有価証券
売買目的有価証券とは、時価の変動による利益を得ることを目的として保有する有価証券をいいます。
満期保有目的債券
満期保有目的債券とは、満期まで保有する意図を持って取得した債券(国債、社債、地方債など)をいいます。
子会社株式および関連会社株式
子会社株式とは、発行済株式数の50%超を保有した会社の株式をいいます。
関連会社株式とは、発行済株式数の20%以上50%以下を保有した会社の株式をいいます。
※どちらも簿記2級の出題範囲上の説明です。
その他有価証券
その他有価証券とは、上記のいずれにも分類できない有価証券をいいます。
有価証券の表示科目
上記は、仕訳や元帳記入に使用する「勘定科目の名称」ですが、勘定科目だけでなく決算書(財務諸表)上の表示科目(ひょうじかもく)についても、例えば貸借対照表では「有価証券」「投資有価証券」「関係会社株式」などの複数の表示科目を使用して有価証券を表示します。
<有価証券の勘定科目と表示科目>
| 保有目的 | 勘定科目 | 表示科目 |
|---|---|---|
| 売買目的 | 売買目的有価証券 | 有価証券 |
| 満期保有目的 | 満期保有目的債券 | 有価証券(一年以内に満期が到来する債券) |
| 投資有価証券(上記以外の債券) | ||
| 子会社・関連会社として取得 | 子会社株式 | 関係会社株式 |
| 関連会社株式 | ||
| その他の目的 | その他有価証券 | 投資有価証券 |
<補足>勘定科目と表示科目の違い
「勘定科目」と「表示科目」は言葉は似ていますが、似て非なるものです。
勘定科目とは取引の記録のために仕訳や勘定元帳上で使用する科目です。
それに対して表示科目は、財務諸表(貸借対照表、損益計算書など)で使用する科目をいい、簿記2級では財務諸表を作成する問題で登場します。
