5-3 商品保証引当金
商品保証引当金とは
商品保証引当金(製品保証引当金)とは、商品(製品)販売後の保証サービス発生に備えて、事前に費用(損失)を見積もった金額(引当金)をいいます。
商品保証引当金の取引
例えば、家電商品には保証書が添付されていて、保証書に記載された期間内であれば無償で修理・交換してもらえる場合があります。
このような保証サービスが発生した場合に要する費用(損失)を事前に見積もって、実際の保証サービスが発生する前に引当金として計上する場合に商品保証引当金を使用します。
商品保証引当金の仕訳
商品保証引当金の増減に関する取引は、「商品保証引当金(または製品保証引当金)」「商品保証引当金繰入(または製品保証引当金繰入)(費用に属する勘定科目)」「商品保証引当金戻入(または製品保証引当金戻入)(収益に属する勘定科目)」で仕訳します。
商品保証引当金の設定時には、売上高に対して過去の保証サービス発生実積率などを乗じて設定します。
商品保証サービスの発生時には、既に計上している商品保証引当金が存在すれば、「商品保証引当金」を減少させる仕訳を行います。具体的には借方に商品保証引当金勘定を記入し、貸方にはサービスの内容に応じた勘定科目を記入します(現金預金、貯蔵品、仕入や費用に関する勘定科目)。
もし、商品保証引当金の計上が不足している場合や未設定の場合には、保守費や維持費、支払メンテナンス料など適切な費用に属する勘定科目で仕訳します。
| 取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 引当金の設定 | 引当金残高 < 見積額 | 商品保証引当金繰入 | ××× | 商品保証引当金 | ××× |
| 引当金残高 > 見積額 | 商品保証引当金 | ××× | 商品保証引当金戻入 | ××× | |
| 保守の発生 | 引当金残高 > 発生額 | 商品保証引当金 | ××× | 現金預金、仕入、その他 | ××× |
| 引当金残高 < 発生額 | 商品保証引当金 | ××× | 現金預金、仕入、その他 | ××× | |
| 保守費など | ××× | ||||
※製品の場合には、「製品保証引当金」「製品保証引当金繰入」など「製品保証〇〇〇」の勘定科目を使用。問題の指示に従うこと。
仕訳問題
- 1.A社は第1期(×1年4月1日~×2年3月31日)の決算において、商品保証引当金を見積もり計上する。
- (1)商品保証引当金残高:¥2,000,000
- (2)商品保証引当金は当期の売上高¥100,000,000に3%を乗じて見積もる。
- 第2期(×2年4月1日~×3年3月31日)の取引
- 2.×2年6月15日にA社は第1期に販売した商品に係る無償修理を行い、修理費用¥100,000は普通預金から支払った。
| No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 商品保証引当金繰入 | 1,000,000 | 商品保証引当金 | 1,000,000 |
| 2 | 商品保証引当金 | 100,000 | 普通預金 | 100,000 |
解説
問題1.
・第1期の商品保証引当金見積額 = 売上高¥100,000,000 × 3% = ¥3,000,000
・商品保証引当金繰入額 = ¥3,000,000 - 商品保証引当金残高¥2,000,000 = ¥1,000,000
問題2.
「第1期に販売した商品に係る無償修理」の記載から、この商品に係る無償修理は、問題1.にて商品保証引当金を計上していることが分かります。
従って、引当金を取り崩す仕訳として借方には商品保証引当金を記入します。
