7-2 減価償却費の計算
簿記3級では、定額法を学習しました。
簿記2級の減価償却では、定率法、200%定率法、生産高比例法を学習します。
定率法とは
「定率法」とは、減価償却費の計算方法の1つであり、次の計算式によって、減価償却を計算する方法をいいます。
<減価償却費の計算-定率法>
- 減価償却費(定率法) = 期首帳簿価額 × 償却率
- 期首帳簿価額 = 取得原価 - 減価償却累計額
定率法の特徴
定率法では、期首帳簿価額は、決算毎に減価償却費を計上するに従って、少なくなっていきます。
減価償却費は、期首帳簿価額に一定の償却率を乗じて計算するため、定率法の減価償却費は年々少なくなるのが特徴であり、毎年同じ金額を計上する定額法とは対照的です。
200%定率法とは
「200%定率法(にひゃくぱーせんとていりつほう)」とは、償却率を通常の定額法による計算の2倍にして、減価償却費を定率法で計算する方法をいいます。
<減価償却費の計算-200%定率法>
- ・償却率 = 定額法の償却率 × 2
- ・減価償却費 = 期首帳簿価額 × 償却率
200%定率法の特徴
200%定率法は、定額法と定率法を併せたような減価償却方法です。
償却率は定額法の計算の2倍(200%)である点に特徴があります。
「定額法による計算の2倍」です。「定率法による計算の2倍」ではありません。
減価償却費の計算は、期首帳簿価額に償却率を乗じて計算します。この点は、定率法と同じ計算方法です。
<応用>250%定率法
200%定率法の他にも、「250%定率法」があります。定額法の償却率の2.5倍を用いて減価償却する方法であり、200%定率法とは倍率が異なります。
<減価償却費の計算-250%定率法>
- ・償却率 = 定額法の償却率 × 2.5
- ・減価償却費 = 期首帳簿価額 × 償却率
<応用>保証率、最低保証額、改定償却率
〇〇%定率法の毎年の減価償却費の計算において、「減価償却費の額 < 最低保証額」の場合、その年の減価償却費は改定償却率を使って計算しなければなりません。
<最低保証額と改定償却率>
- ・最低保証額 = 取得原価 × 保証率
- ・減価償却費 = 期首帳簿価額 × 改定償却率
- ・改定償却率と保証率(または最低保証額)は問題で与えられる。
生産高比例法とは
「生産高比例法」とは、自動車や航空機、又は鉱山のように、使用量や産出量が把握できるような固定資産に対して、適用する減価償却方法です。
生産高比例法の計算式
減価償却費の計算式は、次の通りです。
<減価償却費の計算-生産高比例法>
- 生産高比例法の減価償却費 = ( 取得原価 - 残存価額 ) × 当期利用量 ÷ 総利用可能量
生産高比例法の特徴
減価償却費は、毎期の利用量に応じて増減します。
仕訳問題
- 1.A社は備品¥1,000,000を×1年4月1日に取得し、定率法(耐用年数8年 償却率0.313)により減価償却を行っている。(1)×2年3月31日 (2)×3年3月31日の仕訳をそれぞれ示しなさい。
- 2.上記1.にて、200%定率法を採用していた場合の仕訳を示しなさい(定額法の償却率0.125。最低保証額は考慮しないものとする)。
- 3.A社は自動車を×1年4月1日に取得し、生産高比例法(取得原価¥2,400,000 残存価額10% 総利用可能量120,000km)により減価償却を行っている。
- ×2年3月期の利用量は30,000kmであった。仕訳を示しなさい。
| No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 1(1) | 備品減価償却費 | 313,000 | 備品減価償却累計額 | 313,000 |
| 1(2) | 備品減価償却費 | 215,031 | 備品減価償却累計額 | 215,031 |
| 2(1) | 備品減価償却費 | 250,000 | 備品減価償却累計額 | 250,000 |
| 2(2) | 備品減価償却費 | 187,500 | 備品減価償却累計額 | 187,500 |
| 3 | 車両運搬具減価償却費 | 540,000 | 車両運搬具減価償却累計額 | 540,000 |
解説
問題1.定率法
(1)×2年3月31日の減価償却費: 取得原価¥1,000,000 × 償却率0.313 = ¥313,000
(2)×3年3月31日の減価償却費: 期首帳簿価額(取得原価¥1,000,000 - ¥313,000) × 償却率0.313 = ¥215,031
問題2.200%定率法
償却率: 0.125 × 2 = 0.25
(1)×2年3月31日の減価償却費: 取得原価¥1,000,000 × 償却率0.25 = ¥250,000
(2)×3年3月31日の減価償却費: 期首帳簿価額(取得原価¥1,000,000 - ¥250,000) × 償却率0.25 = ¥187,500
問題3.生産高比例法
×2年3月31日の減価償却費: {取得原価¥2,400,000 - 残存価額(取得原価¥2,400,000 × 10%)} × 当期利用量30,000km ÷ 総利用可能量120,000km = ¥540,000
