7-5 有形固定資産の除却と廃棄
除却とは
除却(じょきゃく)とは、固定資産を使用せずに倉庫などに保管して、「廃棄していない状態」のことをいいます。
廃棄とは
廃棄とは、使用できない、または使用しないなどの理由によって、固定資産を廃棄処理することをいいます。
除却・廃棄手続き
固定資産を除却・廃棄する場合には、稟議書などで除却の起案を行い、承認を得た後に、固定資産台帳に除却や廃棄の登録を行ってから、除却・廃棄します。
固定資産を廃棄する場合には、廃棄業者よりマニフェスト(廃棄を証明する書類)を入手し、廃棄した証明として、マニフェストを保管しておきます。
有形固定資産の除却、廃棄の仕訳
固定資産を除却、廃棄する場合には、「建物、備品など固定資産を表す勘定科目」「〇〇減価償却累計額」「貯蔵品(資産に属する勘定科目)」「固定資産除却損(費用に属する勘定科目)」で仕訳します。
まずは、固定資産を減少させます。固定資産の帳簿価額を減少させるために、貸方に固定資産の勘定科目を記入し、借方に固定資産の減価償却累計額を記入します(間接法の場合)。
除却の場合で固定資産に処分価値がある場合には、その金額について「貯蔵品」で借方に記入します。
なお、廃棄の場合で廃棄処分費用がかかる場合には、貸方に現金預金や未払金など適切な勘定科目で仕訳します。
最後に、貸借の差額を「固定資産除却損」として借方に記入します。
| 取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 除却 | 〇〇減価償却累計額 | ××× | 建物、備品など | ××× |
| 貯蔵品 | ××× | |||
| 固定資産除却損 | ××× | |||
| 廃棄 | 〇〇減価償却累計額 | ××× | 建物、備品など | ××× |
| 固定資産除却損(※1) | ××× | 現金預金など(※2) | ××× |
(※1)廃棄の仕訳では、固定資産除却損ではなく固定資産廃棄損でも可。
(※2)廃棄処分費用が発生した場合に記入。
仕訳問題
- 1.A社は使用していた商品棚(取得原価¥1,000,000 減価償却累計額¥900,000)を除却した。この備品には処分価値¥30,000が認められた。
- 2.A社は使用していた自動車(取得原価¥5,000,000 減価償却累計額¥3,000,000)を廃棄した。廃棄処分に20万円かかり、来月に支払うことにした。
| No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 備品減価償却累計額 | 900,000 | 備品 | 1,000,000 |
| 貯蔵品 | 30,000 | |||
| 固定資産除却損 | 70,000 | |||
| 2 | 車両運搬具減価償却累計額 | 3,000,000 | 車両運搬具 | 5,000,000 |
| 固定資産除却損 | 2,200,000 | 未払金 | 200,000 |
