7-6 火災保険
火災保険とは
火災保険とは、火災や水害、落雷などの自然災害によって、建物や建物内の家財に損害を被った場合に、保険金を受け取れる種類の保険をいいます。
火災保険の特徴
火災などによって損害を被った場合、その時点では、損害額がいくらなのかは確定できないため、火災発生後、すぐに保険金がいくらもらえるのか分かるわけではありません。
従って、火災などの発生から、保険会社の調査などによって保険金の額が確定するまでの間の仕訳として、暫定額を表す特別な科目が必要です。
火災保険の仕訳
火災保険が発生した場合には、「未決算(その他の勘定科目)」「保険差益(収益に属する勘定科目)」「火災損失(費用に属する勘定科目)」「未収入金(資産に属する勘定科目)」で仕訳します。
火災発生時の仕訳と、保険金確定時の仕訳に分けて説明します。
火災発生時の仕訳
火災などによって、損害を被った建物などの勘定科目を、総勘定元帳から減少させる仕訳を記帳します。
例えば、建物であれば貸方に「建物」を記入するとともに、これまで減価償却を行ってきた累計額である、「建物減価償却累計額」を借方に記入します。
そして、貸借差額が損害額となりますが、現時点では保険金を受け取れる可能性があるため、実際の損害額(損害額と保険金の差額)は未確定です。
そこで、「未決算」を借方に記入することで現時点では費用も収益も発生しない状態にしておきます。
| 取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 火災などの発生 | 〇〇減価償却累計額 | ××× | 建物など | 〇〇〇 |
| 未決算 | ××× |
保険金確定時
受け取れる保険金額について、「未収入金」を借方に記入します。
そして、火災発生時に計上した「未決算」の残高をゼロにするために、貸方に未収入金と同額で「未決算」を記入します。
貸借差額については、収益が発生する場合には「保険差益」を貸方に記入し、費用(損失)が発生する場合には「火災損失」を借方に記入します。
| 取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 | |
|---|---|---|---|---|---|
| 保険金の確定 | 保険金 > 損害額 | 未収入金 | ××× | 未決算 | ××× |
| 保険差益 | ××× | ||||
| 保険金 < 損害額 | 未収入金 | ××× | 未決算 | ××× | |
| 火災損失 | ××× | ||||
仕訳問題
- 1.A社の工場で火災が発生し建物¥10,000,000(減価償却累計額¥7,000,000)が全焼した。A社は火災保険に加入しており、この工場は火災保険の対象である。
- 2.保険金が確定した。保険金額は¥3,500,000であり来月振り込まれる予定である。
| No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 建物減価償却累計額 | 7,000,000 | 建物 | 10,000,000 |
| 未決算 | 3,000,000 | |||
| 2 | 未収入金 | 3,500,000 | 未決算 | 3,000,000 |
| 保険差益 | 500,000 |
