13-7 株主資本の計数変動
株主資本の計数変動
株主資本の計数変動とは、純資産の表示区分のうち、株主資本の表示科目の間で、金額の振り替えを行うことをいいます。
具体例をいくつか記載します。
(1)同じ剰余金内での計数変動
例えば、資本剰余金内の「その他資本剰余金」から「資本準備金」への振り替えや、利益剰余金内の「繰越利益剰余金」から「利益準備金」への振り替えをいいます。
(2)資本金や資本準備金から繰越利益剰余金への計数変動
このようなケースは「繰越利益剰余金」がマイナス、すなわち、累計で、損失の際に「資本金」や「資本準備金」の金額を「繰越利益剰余金」に振り替えることによって、マイナスを解消したい場合に、選択する手続きです。
マイナスの「繰越利益剰余金」を改善させるための、このような行為を、「欠損填補(けっそんてんぽ)」といいます。
※厳密な定義ではなく、分かりやすさを優先した説明
(3)その他
「13-5 剰余金の配当と処分」「13-6 剰余金の配当、処分と仕訳」で説明した「繰越利益剰余金」から「〇〇積立金」への振り替えも、株主資本の計数変動に関する取引といえます。
会社法上の手続き
次の通り。
| 項目 | 手続き |
|---|---|
| 計数変動 | ケースに応じて株主総会または取締役会で決議する。ただし、社外流出の危険性が高まる場合には、債権者保護の手続きが求められる。 |
株主資本の計数変動の仕訳
株主資本の計数変動に関する取引については、株主資本の各勘定科目を使用して仕訳します。
| 取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 株主資本の計数変動 | 株主資本の勘定科目 | ××× | 株主資本の勘定科目 | ××× |
仕訳問題
- 1.A社は株主総会の決議に基づいて、次の通り手続きを行った。
- (1)欠損の補填を目的として、資本準備金¥800,000を取り崩して繰越利益剰余金に振り替えた。
- (2)別途積立金¥200,000を取り崩して繰越利益剰余金に振り替えた。
| No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 資本準備金 | 800,000 | 繰越利益剰余金 | 1,000,000 |
| 別途積立金 | 200,000 |
