15-2 資本連結の仕訳(続きその1)
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(資本連結2)非支配株主が存在する場合
親会社以外の、子会社の株主のことを「非支配株主(ひしはいかぶぬし)」といいます。
そして、非支配株主の持分を「非支配株主持分(ひしはいかぶぬしもちぶん)」といいます。
(資本連結1)は、子会社株式を100%取得した場合の、資本連結の仕訳でした。
そこで、次に、非支配株主が存在する場合の資本連結の仕訳を解説します。
イメージ図を掲載します(20%の非支配株主が存在する場合)。
親会社が支配するのは80%。従って、取得した子会社株式も80%の対価です。
従って、
取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
資本連結 | 資本金 | ××× | 子会社株式 | xxx |
資本準備金 | ××× | |||
利益剰余金 | ××× |
という仕訳では、親会社が保有する80%の子会社株式と、子会社の100%の純資産(株主資本)とを相殺していることになるため、不適当です。
そこで、「非支配株主(純資産に属する勘定科目)」を使って、次の通り仕訳します。
取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
資本連結 | 資本金 | ××× | 子会社株式 | xxx |
資本準備金 | ××× | 非支配株主持分 | xxx | |
利益剰余金 | ××× |
子会社の株主資本(資本金、資本準備金、利益剰余金)は、全て消去して連結B/Sには反映させず、子会社の株主資本のうち、非支配株主の持ち分20%を、「非支配株主持分」として貸方記入して増加させます。
このように、連結会計では、子会社の株主資本のうち非支配株主の持ち分は、非支配株主持分で表します。
例えば、子会社B/Sの純資産(株主資本)が1,000(資本金700 資本準備金100 利益剰余金200)、親会社B/Sの子会社株式が800だとすると、
取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
---|---|---|---|---|
資本連結 | 資本金 | 700 | 子会社株式 | 800 |
資本準備金 | 100 | 非支配株主持分 | 200 | |
利益剰余金 | 200 |
が、資本連結の仕訳です。
非支配株主持分200は、子会社の株主資本合計1,000に非支配株主比率20%を掛けて、計算します。
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