まえがき
本書は日商簿記2級(工業簿記)の解説書です。
商業簿記の知識がある方を前提として、解説しています。商業簿記をまだ学習していない方は、商業簿記を先に、または工業簿記との併行学習をお勧めします。
工業簿記でも仕訳など商業簿記の知識を必要とします。
仕訳だけでなく、「勘定連絡図」が度々登場するため、少なくとも簿記3級の基本的な知識(仕訳の書き方・総勘定元帳への転記の仕方・基本的な勘定科目の仕訳など)を学習してから、本書で学習することをお勧めします。
本書では、工業簿記の分かりにくい・似たようなたくさんの用語や手続き・計算方法について、豊富な図表やイラストを掲載して解説しています。
特に、原価計算手続きのつながりを理解しやすくするために、勘定連絡図を豊富に掲載しました。
例題は、本試験の類題を取りそろえ、1つ1つ順を追って、図や計算式を丁寧に再掲しながら解説する形式とすることで、スマートフォンでも学習しやすくなっています。
他にも、分析した本試験問題の傾向について、章ごとに<学習POINT>や<問題対策>としてまとめ、さらに各論ごとに<出題可能性・重要度>を掲載しました。
その結果、「試験範囲を網羅した詳細なテキスト」というコンセプトだけでなく、「計画的に効果的かつ効率的に学習して、合格するための戦略書」という役割もこなす解説書に仕上がっています。
商業簿記と比較すると、工業簿記は理解するまでが大変ですが、一度理解できれば安定して高得点が期待できます。
本書が工業簿記の理解に役立ち、「工業簿記が分かるようになった」「日商簿記2級に合格できた」という方が増えれば幸いです。
2023年7月6日
須藤 恵亮
