10-1 受取家賃・受取地代・受取手数料
受取家賃と受取地代とは
受取家賃(うけとりやちん)とは、ビルやマンション、アパート、一軒家など、建物を貸した場合に受け取る家賃収入のことをいいます。
これに対して、受取地代(うけとりちだい)とは、建物ではなく、土地を貸した場合に受け取る収入のことをいいます。
受取家賃と受取地代の仕訳
建物を貸した場合の家賃収入の増減取引は、「受取家賃(収益に属する勘定科目)」で仕訳します。
土地を貸した場合の地代収入の増減取引は、「受取地代(収益に属する勘定科目)」で仕訳します。
| 取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 家賃収入の受け取り | 現金預金など | ××× | 受取家賃 | ××× |
| 地代収入の受け取り | 現金預金など | ××× | 受取地代 | ××× |

受取手数料とは
受取手数料(うけとりてすうりょう)とは、仲介、代理、事務などにより受け取る手数料収入のことをいいます。
「仲介(ちゅうかい)」とは、2者の間に入って、取り次いだりまとめたりすることをいいます。
「代理(だいり)」とは、本人の代わりに処理を行い、その行った処理は、法律上では本人が行った行為として取り扱われます。
どちらも不動産取引でよく使う用語です。
例えば、あなたがマンションやアパートを借りたいとすると、おそらくインターネットから賃貸物件を検索して良さそうな物件があれば、問い合わせボタンをクリックする、または電話でその物件を扱っている不動産会社に問い合わせるでしょう。
その後、不動産会社があなたと物件の大家との間に入って取り次いだり話を進めたり、という行為を行います。
これが「仲介」です。
その後、良い物件が見つかり手続きも進んで大家さんと契約することになりました。しかし、もしあなたが未成年である場合には親があなたに代わり、不動産会社と契約することになるでしょう。
これが「代理」です。
このような仲介や代理、または事務手続きなどによって、受け取る手数料収入を受取手数料といいます。
受取手数料の仕訳
受取手数料の増減取引は「受取手数料(収益に属する勘定科目)」で仕訳します。
| 取引 | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 手数料の受け取り | 現金預金など | ××× | 受取手数料 | ××× |

仕訳問題
- 1.A社はB社にビルを賃貸している。本日、当月家賃10万円をB社振り出しの小切手で受け取った。
- 2.A社はC社に土地を貸している。本日、C社から当月地代100万円をA社の当座預金に振り込んだと連絡があった。
- 3.A社はD社の事務手続きを仲介し、手数料5万円を現金で受け取った。
| No | 借方科目 | 借方金額 | 貸方科目 | 貸方金額 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 現金 | 100,000 | 受取家賃 | 100,000 |
| 2 | 当座預金 | 1,000,000 | 受取地代 | 1,000,000 |
| 3 | 現金 | 50,000 | 受取手数料 | 50,000 |
