11-3 消費税

消費税とは

消費税(しょうひぜい)とは、モノの購入やサービスの消費に対して課される税金をいいます。

皆さんにも身近な税金ですので、多くの説明は必要ないでしょう。

例えば、皆さんがモノを購入した場合には、モノ自体のお金だけでなく消費税も含めてお金を支払っています。

消費税の支払いは、皆さんのような個人だけでなく会社などの法人も同じであり、モノの購入やサービスの消費時には消費税を支払います。

会社による消費税の取り扱いについて

皆さんは通常は消費税を納付するということはありません。厳密にはモノの購入やサービスの消費時にこれらの事業を営む会社を通じて間接的に納付しています。

会社は皆さんに商品を販売した場合には、商品のお金だけでなく消費税も受け取ります。

これは、皆さんから「消費税を預かっている(仮受けしている)」といえます。

※会社が商品を仕入れた場合には、仕入先へ「消費税を支払っている(仮払いしている)」ということができます。

従って、消費税は収益や費用、そしてこれらから計算する利益や損失に含めてはいけません。

そこで消費税を仕訳するための勘定科目や仕訳処理の方法が必要になります。

消費税の納付

消費税は決算日後に税務申告書を作成して納付します。

消費税の仕訳

消費税は、「税抜処理(ぜいぬきしょり)」という方法で仕訳処理します。

税抜処理の仕訳

次の通り仕訳します。

(1)商品の仕入と販売

商品を仕入れた場合には、商品本体の価格部分はこれまでに解説した通りに仕訳します。

消費税部分は、借方に「仮払消費税(資産に属する勘定科目)」を記入し、 貸方は本体価格部分も含めた金額で現金預金、買掛金などの勘定科目を記入します。

次に商品を販売した場合には、商品本体の価格部分は仕入れと同様これまでに解説した通りに仕訳します。

消費税部分は、借方には本体価格部分も含めた金額で現金預金、売掛金などの勘定科目を記入し、 本体価格との差額を「仮受消費税(負債に属する勘定科目)」として貸方に記入します。

取引借方科目借方金額貸方科目貸方金額
商品の仕入仕入×××現金預金、買掛金など×××
仮払消費税×××
商品の販売現金預金、売掛金など×××売上×××
仮受消費税×××

(2)消費税額の確定と支払い

決算時に税務申告書を作成して消費税額を確定した場合には、「仮払消費税」と「仮受消費税」の残高をゼロにするように、それぞれ貸借反対に記入します。

両者の差額は「未払消費税(負債に属する勘定科目)」を貸方に記入します。

次に消費税の支払い時には、借方に「未払消費税」を記入し、貸方に現金預金などの勘定科目を記入します。

取引借方科目借方金額貸方科目貸方金額
消費税の確定仮受消費税×××仮払消費税×××
未払消費税
消費税の支払い未払消費税×××現金預金など×××

仕訳問題

次はA社の消費税に関する取引である。税率は10%とする。

No借方科目借方金額貸方科目貸方金額
1仕入100,000買掛金110,000
仮払消費税10,000
2売掛金165,000売上150,000
仮受消費税15,000
3仮受消費税10,000,000仮払消費税8,000,000
未払消費税2,000,000
4未払消費税2,000,000普通預金2,000,000
\ SHARE /

著者情報

須藤恵亮(すとうけいすけ)

フリーランス公認会計士。1人で「PDCA会計」を企画・開発・運営。

中央青山監査法人で会計監査、事業会社2社でプレイングマネジャーとして管理業務全般及びIPO準備業務に携わる。

現在は派遣・契約社員等として働きながら、副業的に「PDCA会計」の執筆やアプリ開発等コツコツ活動しています。

詳細はこちら↓
著者プロフィール

☆電子書籍の「0円キャンペーン」
日商簿記テキスト・問題集で実施中。X(旧twitter)で告知します。
「PDCA会計」をフォロー