12-0 第12章の概要
これまでに、原価計算の様々な手続きを学んできました。
本章では、これまでの集大成である「損益計算書(P/L)」と製造活動の報告書である「製造原価報告書(C/R)」について解説します。
本章の学習POINT
P/Lについては様々な章で解説してきたため、ほとんど解説済みです。
はじめに、P/LとC/R問題の出題形式を解説します。
製造原価報告書はほとんど解説していませんが、「第8章 製品勘定」で解説した通り、実は「製品勘定 = P/L」「仕掛品勘定 = C/R」という関係になっています。
本章では、仕掛品勘定とC/Rのつながりを中心に解説します。
最後に、原価差異に焦点をあてて、P/LとC/Rの関係を解説します。
<学習POINT>
- ・P/LとC/Rの出題形式の確認
- ・これまでのP/LとC/R関連の論点の再確認
- ・C/RとP/Lのつながりを理解する
<Check>損益計算書と製造原価報告書の問題対策
- ・費目別計算のそれぞれの原価要素が最終的にC/RやP/Lのどこに集計されるのか理解する
- ・原価計算の様々な手続きを勘定連絡図を通じて理解する
- ・仕掛品勘定につながる取引を中心に理解し、C/Rとどのようにつながるのか理解する
- ・原価差異がどのようにC/RやP/Lにつながるのか理解する
- ・直接原価計算と全部原価計算のP/Lの違いを理解する
第1章と第8章で登場した<用語>、<Check>と図表を掲載します。
<第1章 原価計算(工業簿記)とは>
<用語>損益計算書・製造原価報告書
- ・損益計算書 = ある期間の会社の経営成績を表す表であり、売上高などの収益、売上原価や販売費及び一般管理費などの費用、収益と費用の差額である利益から成り立つ
- ・製造原価報告書 = ある期間の会社の製造活動を表す表であり、どれだけ製品を製造したかを表す製品製造原価の他、材料費、労務費、製造間接費や仕掛品といった内訳を表示
<Check>P/L・C/Rの作成目的
- ・原価計算基準に従って真実の原価を集計するという一連の活動成果をP/LやC/Rとして報告すること
<第8章 製品勘定>
<Check>製品勘定と仕掛品勘定
- ・仕掛品勘定 →工場の活動(つまり製造)を記帳 →製造原価報告書(C/R)
- ・製品勘定 →完成品の倉庫の活動(つまり販売)を記帳 →損益計算書(P/L)
- ・
