12-2 C/Rと仕掛品勘定の関係

<出題可能性・重要度>★★☆☆☆

仕掛品勘定や各費目(直接材料費・直接労務費・製造間接費)の勘定科目とC/Rとの関係を、勘定連絡図とC/Rを使って解説します。

仕掛品勘定 = C/R

の関係を意識しながら読んでください。

勘定連絡図

はじめに、勘定連絡図を掲載します。

勘定科目間の矢印は省略しています。また、勘定科目は1ヶ月間ベースのものを掲載しましたが、C/Rは年間ベースで掲載しています(月の活動を12ヶ月集計してC/Rを作成した、という意味です)。

勘定連絡図

材料費・労務費・製造間接費

C/Rは上から

「Ⅰ 直接材料費(黄色の枠)」
「Ⅱ 直接労務費(水色の枠)」
「Ⅲ 製造間接費(緑色の枠)」

と表示しています(直接経費は計上なしの場合)。

「材料勘定」「賃金・給料勘定」「製造間接費勘定」の各費目勘定元帳から記入します。

例えば、「Ⅰ 直接材料費」の内訳である「期首材料棚卸高」は材料勘定の「前月繰越」の金額、「当期材料仕入高」は材料勘定の「当月購入(仕入)」のうち直接材料費の金額、「期末材料棚卸高」は材料勘定の「次月繰越」の金額を、それぞれC/Rに記入します。

製造間接費配賦差異(原価差異)

次に

「製造間接費配賦差異」

と表示しています(青色の枠)。

この図では、製造間接費差異は借方差異(不利差異)です。

借方差異(不利差異)の場合、C/R上の「製造間接費配賦差異」は「マイナス表示」させます。

つまり「Ⅲ 製造間接費」合計の原価から、製造間接費配賦差異の数字だけ減らします。反対に貸方差異(有利差異)の場合にはプラス表示して増加させます。

C/R上の原価差異の意味

「不利差異なのだから原価を増やすのでプラス表示では?」と思う方もいるでしょうが、「マイナス表示」です。

これは、「製造間接費勘定」と「仕掛品勘定」を見ると分かります。

製造間接費勘定から仕掛品勘定へは、「予定配賦額」を振り替えています。

従って、仕掛品勘定を表すC/Rにおいても、表示する「製造間接費」は「予定配賦額」にしないといけません。

しかし、「Ⅲ 製造間接費」の内訳(間接材料費、間接労務費、間接経費)は、製造間接費勘定の左側である「実際発生額」を記入しているので、その下に製造間接費配賦差異を表示させて金額をマイナスさせることで、「実際発生額」を「予定配賦額」に修正しています。

例えば「製造間接費の実際発生額120 予定配賦額100 製造間接費配賦差異20(不利差異)」の場合、C/R上の「Ⅲ 製造間接費」の合計は「実際発生額120」が表示され、この120を「予定配賦額100」に修正するために「製造間接費配賦差異 △20」とマイナス表示させます。

当期総製造費用

製造間接費配賦差異の次が「当期総製造費用」です(赤色の枠)。

これが12ヶ月の「当月投入(当月消費)」を合計した「当期投入(当期消費)」を表しており、仕掛品勘定の左側のうち「材料」「賃金・給料」「製造間接費」の合計になります。

これ以降は、全て仕掛品勘定の数値を記入します。

仕掛品勘定や各費目の勘定とC/Rとのつながりは以上です。

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