組替調整額とは|概要と注記例(会計用語の解説)
記事最終更新日:2023年12月8日
記事公開日:2022年6月24日
「組替調整額」は、連結包括利益計算書の注記事項の表示項目の1つです。
本記事では、「組替調整額」の概要と注記例を解説します。
組替調整額とは|概要と注記例(会計用語の解説)
目次
組替調整額とは
「組替調整額」とは、当期純利益を構成する項目のうち、当期又は過去の期間に「その他の包括利益」に含まれていた部分のことをいい、連結包括利益計算書の「その他の包括利益」の内訳項目ごとに注記します。
<連結C/Iの注記例>
連結包括利益計算書
「連結包括利益計算書(連結C/I Comprehensive Income)」とは、親会社が企業集団の会計期間における包括利益を報告するために作成する開示書類をいいます。
※本記事に解説のない連結包括利益計算書に関することは下記の記事を参照。
その他の包括利益
その他の包括利益とは、包括利益のうち当期純利益に含まれない部分をいい、「その他有価証券評価差額金」や「繰延ヘッジ損益」などの連結包括利益計算書上の総称です。
内容
その他の包括利益の項目ごとに組替調整額の例を示します。
<組替調整額の例>
- (1)その他有価証券評価差額金
- ・売却損益
- ・減損損失
- (2)繰延ヘッジ損益
- ・ヘッジ対象に係る損益が認識されたこと等に伴って当期純利益に含められた金額
- ・ヘッジ対象とされた要諦取引で購入した資産の取得価額に加減された金額
- (3)為替換算調整勘定
- ・子会社に対する持分の減少(全部売却及び清算を含む)に伴って取り崩されて当期純利益に含められた金額
- (4)退職給付に係る調整額
- ・「退職給付に関する会計基準」による
為替予約の振替処理を行った場合
「包括利益の表示に関する会計基準」の「結論の背景」には、「実務に対する配慮から認められてきた特例的な処理であることを勘案し、組替調整額及びこれに準じた開示は必要ないと考えられる」と記載があります。
土地評価差額金
再評価後の金額が土地の取得原価とされることから、売却損益及び減損損失等に相当する金額が当期純利益に計上されない取り扱いになっているため、その取崩額は組替調整額に該当せず、株主資本等変動計算書において利益剰余金への振替として表示されます。
注記例
- ・その他有価証券に該当する株式のうち、A株式(取得原価100)を当期に売却時価150で売却した。
- ・その他有価証券評価差額金の期首残高 +200 期末残高 +500
- ・法定実効税率30%
会計基準等
※2022年6月24日現在。リンク先の会計基準等は最新版でない場合があります。
・包括利益の表示に関する会計基準(企業会計基準第25号)
(広告)連結会計の電子書籍
上級者対象(簿記1級・税理士・公認会計士受験者、経理等の実務家)の問題集
「上級-基本レベル」のシリーズは、基本的な問題を掲載。本試験の一歩手前の段階の学習に適しています。簿記1級ならば難易度「易から普通」レベルの本試験問題対策としても使えます。
「上級-標準レベル」のシリーズは、本試験レベルの問題を解く実力を養成するためのシリーズ。
全冊購入だと費用高めのため、弱点補強論点のみの利用、若しくは「Kindle Unlimited(月額税込980円の読み放題 初回登録は30日間の無料体験あり)」からの利用をお勧めします。
<Step UPテキスト>
段階的にレベルアップできるように構成した「テキスト+問題演習」。「上級−標準」レベル。本試験問題を解く実力を養成するためのシリーズです。
PDCA会計 連結会計入門
¥270(税込 希望価格)
PDCA会計 計算編1 連結会計テキスト Ⅰ.資本連結
¥498(税込 希望価格)
レベル:上級-標準
PDCA会計 計算編2 連結会計テキスト Ⅱ.成果連結・持分法
¥498(税込 希望価格)
レベル:上級-標準
PDCA会計 計算編3 連結会計テキスト Ⅲ.連結財務諸表
¥498(税込 希望価格)
レベル:上級-標準
<穴埋め問題(理論)>
会計基準等の条文を穴埋めにしたシンプルな問題集です。「上級-基本」レベル。基本的な会計用語やキーワードの学習に◯。
会計基準等の圧倒的な分量の前には、どの試験でも本試験の過去問や専門スクールの演習問題だけではボリューム不足のため、テキストや会計基準等の重要論点の読み込みが会計理論対策の中心になります。穴埋め箇所だけでなく条文全体を理解するよう取り組むと効果が上がります。実務でも会計基準を読めるようになるには基本的な用語やキーワードを覚えるところから。
PDCA会計 財務会計論(理論) 連結会計1 穴埋め問題
¥270(税込 希望価格)
レベル:上級-基本
(広告)上級論点の電子書籍で学習しませんか?
PDCA会計は30冊の「上級論点の基本的な知識」を学ぶための電子書籍(商業簿記・会計学)を発売しています。
「簿記2級を学習中で今後、簿記1級の取得を考えている」
「連結会計・退職給付会計・税効果会計をはじめとする高度な知識を必要とする経理に携わりたい」
「会計基準を読めるようになりたい」
「公認会計士を目指しているが財務会計論でつまづいている」
「減損会計や研究開発費など、論点別の問題集で弱点を補強したい」
Etc...
といった人にオススメしたい書籍です。
<出版状況>
※全ての論点を出版予定
PDCA会計の上級者向け電子書籍は全て「Kindle Unlimited(月額税込980円の読み放題 初回登録は30日間の無料体験あり)」対象。低価格でコスパに優れ、スマホで使いやすい「リフロー型」です。
<書籍の探し方>
Amazonサイト内で「PDCA会計 連結会計」といったキーワードで検索